第97話 シエラ人間界について学ぶ
「レイアお姉ちゃん、人間界の人間は、高位なる存在ですか!?」
シエラは、人間界の知識を勉強している。
そして人間界の人間の凄さを知る。
「やっぱりお前もそう思うか、僕も驚いたくらいだからな」
「ええ、リズさんから教わった言語理解と完全記憶の魔法で文字の読み書きがわかったのでいろんな本を見ていますが、想像以上に人間界の知識が凄すぎですよ!!」
シエラは、興奮している。
「うう、私は、そう言った魔法が使えないので読み書きを覚えるのに苦労しています」
セレナは、人間界で使われている文字の読み書きを練習している。
「そうだよな、僕も覚えるのに苦労したよ」
「でも、レイアお姉様は、短期間で覚えたので流石です」
「セレナは、頭が良いから大丈夫だ」
「私は、もうすぐで覚えられそうなのでセレナちゃんには、私が教えますね」
シエラは、リズと同じように人間界の読み書きや知識を短時間で覚えるのであった。
「シエラお姉様が羨ましいです」
「そうだなセレナ、僕もリズが羨ましいと思ったからな」
レイアとセレナは、お互いに頷き合うのだった。
「皆さん、少し休憩しましょう」
リズがジュースとお菓子を用意する。
「これが人間界の飲み物ですか? 何だか黒いですね・・・・・・ぶほっ!?」
「シエラお姉様!?」
シエラが飲み物を吹き出しセレナが驚く。
「な、何ですかこれ? 口の中が弾けました」
「え!?」
「セレナちゃんも飲んでみてください、わかりますよ」
「は、はい・・・・・・ぶほっ!?」
シエラに言われセレナも飲むが、やはり吹き出す。
「く、口の中が弾けました」
「レイアお姉ちゃん、何ですかこれ?」
「コーラと言う人間界の飲み物だ子供が好んで飲んでるぞ」
「コーラ? 人間界の子供は、こんなのを飲んでるんですか?」
「確かに甘みがありましたけど」
「慣れてくると、なかなか良いぞ」
そう言ってレイアは、コーラをゴクゴク飲む。
シエラ達も飲む。
「あ、でも慣れてくると確かに美味しいですね」
「はい、何だかクセになりそうです」
「お二人共、一緒にこれもどうぞ」
リズは、二人に一緒に出した物を薦める。
「何ですかこれは?」
「ああ、ポテチだ」
「ポテチ?」
「ポテトチップスと言うジャガイモを薄く切って油で揚げたお菓子だよ、略してポテチと言うらしい」
「ジャガイモってあの野菜のジャガイモですか?」
「ああ、そのジャガイモだ」
セレナの質問にレイアは、答える。
「ジャガイモをお菓子にですか」
「子供のおやつにも人気だぞ、いろんな味もあるしな、ちなみにこれは、うすしお味だ」
そう言ってレイアは、ポテチを一枚取って食べる。
「野菜をお菓子にするとは、面白いですね、それにポテチってなんか、かわいい名前ですね」
シエラは、ポテチを食べる。
「塩味だからしょっぱいですけど、ちょうど良い感じのしょっぱさですね」
そう言ってシエラは、ポテチを食べていく。
ところが。
「あれ? 手が止まらない」
一枚また一枚とポテチを食べ続けていく。
「そうだろシエラ? これがポテチの恐ろしさだ次から次へと手が止まらなくなり気づけば全部無くなっていた事なんてあるのさ」
「た、確かに」
「食べ続けると喉が渇いてくるだろ? コーラを飲んでみろ」
レイアに言われてシエラは、コーラを飲む。
「どうだ?」
「ぷはーっ! ふわぁ何ですかこれは」
コーラを一気に飲み干したシエラは、満足そうな顔をする。
「ポテチをたくさん食べ喉が渇いたところに一気にコーラが流れてくる、ただそれだけなのに何かが満たされた至福な感覚がします」
「わかるよ、僕もそうだったから手が止まらずいくらでも食べてしまえるポテチに夢中になり喉が渇いたところでコーラを一気に飲み干す、一時の贅沢を感じるだろ?」
「はい、凄く感じます」
「そしたら、またポテチが食べたくなって食べ続けるとまたコーラが飲みたくなる、恐ろしい組み合わせだよ」
「確かに、でもこんなにおいしいのですから値段も高いんでしょうね」
「いや、五百円もあれば買えるぞ」
「ごひゃくえん?」
シエラが聞き返す。
「ああ、人間界の金の値段だな、僕達の世界だと銅貨五十枚でこの二つ買えるぞ」
「はいい!?」
シエラは、驚きの声を上げる。
「こんなにおいしいのに、たったの銅貨五十枚で買えるのですか?」
「ああ、銅貨五十枚で買えるぞ」
シエラの問いにレイアは、答える。
「本当なんですか、リズさん?」
「はい、それぐらいの値段で買えますよ」
リズもレイアと同じように答える。
「セレナちゃんどう思いますか?」
「信じられませんよ、こんなにおいしいのにたったの銅貨五十枚だなんて銀貨数枚は、してもおかしくは、ないですよ」
そうセレナは、答える。
「レイアお姉ちゃん、この世界のお金の事情は、大丈夫なのですか?」
「食品以外にも便利な物は、たくさんあるからな、僕達の世界と違ってこの値段が当たり前なのさ」
「・・・・・・」
シエラは、少し固まっている。
そして。
「人間界の人間は、本当に高位な存在な気がしてきました」
「私も、正直同じ人間なのかと思っています」
シエラとセレナは、人間界の人間をもっと知らなければならないと改めて思うのだった。
シエラの人間界を学ぶのは、始まったばかりである。
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