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第7話 襲った理由

遅くなってしまい申し訳ありません。

「・・・・・んあ?」


「レイア様、目覚めたみたいです」


 マリアを襲っていた魔族の男が目を覚ます。


「そうか、おいお前に聞きたい事がある答えてもらうぞ」


「はあ? 何だよ目が覚めたらいきなりよう、つうかお前さっきの女じゃねえかよ!」


 魔族の男は思い出したのかレイアを見て不機嫌になるさらに周りを見渡す。


「チッ! あのガキいねえじゃねえかせっかく殺れたのに、おい女!! 俺が先に見つけたんだぞ!! なのに邪魔しやがって!!」


 レイアに対して愚痴を言う魔族の男。


「僕はそれについて聞きたいんだ、何故あの子を襲った?」


「はあ? 何だよお前偉そうに、何で俺がわざわざお前に教えてやら・・・」


 魔族の男は話の途中で言葉に詰まりレイアを見る。

 すると顔色が悪くなっていく。


「ちょっと待て、その銀色の髪、それにさっき隣の女がレイアって」


 顔色がさらに悪くなっていく。


「ま、まさか、魔王レイア・・・様?」


「ん? そうだが」


 魔族の男は完全に青ざめていき。


「す、すいませんでしたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」


 物凄い勢いで地面に顔をつけ土下座していた。






「で、まずお前誰?」


「はい!! 自分の名前はグムバと言います!!」


 レイアの問いにグムバと名乗る魔族の男。


「グムバ? 僕の所にはいないな、お前どこの魔王の所属だ?」


「ああ、はい自分魔王シャロ様の所の下級兵士です」


「シャロってあいつの所か、まあ今はそんな事より何であの子を襲ったんだ?」


 レイアは再度グムバに問う。


「はい、それが頼まれたんですよ」


「頼まれた?」


「そうなんです、何か魔王の娘だとかわけのわからない事を言ってたんですけど殺したら望むものをやろうとか言ったんで楽な仕事だなって思ってたらあなた様に会ってしまったというわけです」


「お前に頼んだのはどんな奴だ?」


「いや、全然知らない奴ですローブを羽織っていて素顔も見えなかったし、何かそいつに付き従えていた奴が代わりに説明してたんで」


レイアの問いに答えるグムバ。


「なるほど、理由はわかった」


「あのう、ところで何故あなた様がここに?」


今度はグムバが問いかける。


「お前、レイラって名前の魔王を知ってるか?」


「はい、確かあなた様が魔王になる前の先代魔王だと」


「あの子はその先代魔王レイラの娘だ、つまり僕にとっては姪っ子だ」


 レイアの言葉にまた青ざめていくグムバ。


「ホントにすいませんでした!! どうか命だけはご勘弁を!!」


「いや、別に命は奪わないよただもしまたあの子の命を狙ったら」


「絶対に!! ぜええええええええったいにもうあの子を襲ったりはしませんから!! あなた様の身内の方だと知ってたら襲ったりしませんよ!! こっちだって命が惜しいですよ!!」


 レイアの言葉に必死で襲わないという意思を示すグムバ。

 下級兵士の彼でさえも恐れるほど魔王レイアの存在は強大だと言う事がわかる。


「で、お前はどうするんだ? シャロの所に帰るのか?」


「いや、自分明日も仕事があるんで」


「ん? 仕事? どこで?」


「この人間界です」


「お前この世界で仕事してるのか!?」


 グムバがこの世界で仕事をしている事に驚くレイア。


「はい、実を言うとシャロ様の所は正直自分には向いてないかなあって思っていてそんな時にさっき言ったそいつらが来て自分をこの世界に送ってくれたんですよ、で、この世界で生活していたら結構充実していて楽しかったんですよ、この世界の人間ってホントすごいですよ下等生物だと思っていたのに全然下等生物じゃないですよ」


 本当に人間界での生活を楽しんでいるように話すグムバ、だがここでレイアは疑問を口にする。


「ちょっと待て、ここでの生活に充実しているなら何であの子を襲ったんだ? どう考えてもおかしいだろ?」


「はい、自分も最初はもうあの子を殺すのはいいやと思ったんですけど、数日前にそいつらが来て自分の仕事仲間や先輩、上司を殺すぞと脅されたんで仕方なくやる事にしたんです、皆とっても良い人達で正直シャロ様よりもこっちの人達を守りたいと思うくらいだったんです」


「そうなのか、じゃあ会った時のあの態度は何だったんだ?」


「自分こっちに来る前は人間を殺すのはわけない性格だったんで、その時の状態になれば迷いなくやれるかなと思ったんで」


「仮に殺せたとしてその後どうするつもりだったんだ?」


「昔の自分なら何ともないと思いますけど、今の自分なら罪悪感から耐えきれず自ら命を絶ったと思いますね」


 グムバの言葉にレイアは彼に対する警戒を完全に解いた。

 彼はただ守りたい人達を守るために行動したのだと、そして目的を達成しても守りたい人達のために一人の子供を犠牲にした事を許せず自ら死のうとした事、それが本心だと思ったからだ。

 

 その根拠はリズが何も言わない事にある。


 グムバが目を覚ます前にリズはグムバの記憶を見ていた、もしグムバが嘘をついていたらリズが何か言うはずだが何も言わないのはグムバが本当の事を言っているからである。

 

 だからレイアは警戒を解いたのだ。


「お前のおかげで色々わかった感謝する」


「いえいえそんな、ただあの子には今後も注意した方がいいと思いますよ」


「どう言う事だ?」


「自分以外にも()()()()()()はたくさんいます」


「何だと!?」


「はい、中には報酬のために平気で殺すものもいますから」


 グムバ以外にもそう言う連中がいる事にレイアは驚く。

 つまりこのまま帰ってもマリアはこれからも狙われ続ける事を意味する。


「そうかわかった、僕はこれから帰るが何かシャロに伝えたい事はあるか? 次に会った時に言っておくぞ」


「そうですか、ではシャロ様には何も言わずあなた様のもとを去り人間界で暮らす事をお許しください、そしてあなた様に泥を塗るような事をして申し訳ありませんでしたとお伝えいただけますか?」


「わかった、伝えておく」


「ありがとうございます」


 そう言ってグムバは去っていった。

 

「本当だったんだな、アイシスの言った事半信半疑だったが」


 そんな事を独り言のようにつぶやくレイア。


「それでレイア様どうするおつもりですか? 先程の話を聞く限りだとこれからもマリア様の身に危険が迫ると言う事ですが」


 ここでずっと黙っていたリズが口を開きレイアに問いかける。


「・・・・・・」


 レイアはしばらく考える、そして。


「一時帰還する、そして今城にいる幹部達を全員僕の所に呼んでくれ、今後に対する僕の考えを話す」 



読んでいただきありがとうございます。


ここで、今回出てきたグムバについて、グムバは人間界に来る前は人を平気で殺せる性格でしたが、人間界にきてレイア達と同様にその光景に驚きこの世界をもっと知りたいと思い色々調べていきそしてその世界の人間達とふれあっていくうちにこの世界での生活が好きになり性格も丸くなっていったというわけです。

人を平気で殺せる性格なのに来たばかりの頃にそう言う事をしなかったのはこう言う経緯があったからです。

本編で書ける部分がなかったのでここで書かせていただきました。


次回の更新は、未定ですがよろしくお願いします。

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