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【中学突入】転生魔王は寺に生まれる。  作者: 寿明結未
第三章 魔王様、中学時代をお過ごしになる

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87 魔王様、中古ショップで自分のテントを購入される。

お越しくださり有難うございます。

すっごい眠いです。

時間不定期に一話だけアップしておきます。

――ついにやってきた土曜日。

入学祝で貰った数万円を元手に、学校の正門に全員で集まると部長たちの後を追いながら自転車を走らせること一時間。

田舎で一時間と言えば普通だ、アキラの家までも片道30分は掛かる。

到着した中古ショップは中々大きく、人生初の中古ショップに我らしくもなくワクワクしながら入ると、多種多様の道具が売られていた。


まずはお目当てであるキャンプ用品を見に行くのだが、テントも種類が豊富で色も多種多様と言ったところだろうか。

今回買うのは一人用のテントにランタンに寝袋だ。

中古の寝袋と聞くと余りいい気はしないが、この際は仕方ない。



「僕ピンクがいいなー」

「恵ちゃんにはピンクだよねー」

「分かる」



最早誰も魔法使いを男児と思って接してはいない。

唯一の女子として扱っている。

見慣れた光景だが、この光景がいつか地獄を生み出さないか不安である。



「アキラは赤ですか?」

「うん、俺赤好きだし」

「そう言えば、小雪もよく赤いリボンをつけてますよね」

「あ――そう言えば」

「黒髪ポニーテールに赤いリボンがトレードマーク……」

「……」

「そこから赤ですか? 兄としても義兄としても嬉しいですよ」

「くっ 仕方ないだろう!」

「私は安定の青系にしましょう。必要な寝袋も青がありますし丁度いいです」

「俺も赤の寝袋選んだ」

「小雪に包まれて寝たいんですね」

「まだ一緒に寝れる年じゃないだろ……それ位夢見させろよ」

「はいはい」



アキラもアキラで色々考えているらしい。

まぁ、下手に手を出されない分安心度はとても高いので良いのだが、何時か勇者に押し倒されてプチッと理性が切れない事を祈る。

そんな事を思いつつランタンを見ると、蝋燭系のランタンが一つだけ売ってあり、ついでに使う蝋燭も揃っていたので一式計算すると、お祝いで貰ったお金で足りそうだ。

何かもう一つ買えないだろうかと探していると、折り畳み椅子が売っており、それを入れて程よくお金的には間に合う感じになった。


他の面子も買える物は買えたようで、一度学校に戻ってテントを設置してみようという事になった。

我が買ったのは少し値段はするがワンタッチ式だったので、楽は楽だろう。

組み立て系も捨てがたかったが、そっちは売っていなかった。



こうして後ろの座席に括り付け自転車を走らせ学校に戻ると、広い空き地にテントを張っていく。

慣れた手つきでやるのは魔法使いだ。流石オル・ディールでの経験が生かされている。

他のメンバーも必死になりつつ組み立てが終わると、各自中に入ってテントの中での生活と言うものを噛みしめているようだ。

雨よけもセットで売っている良心的な中古ショップ。

今度暇が出来たら他のものも見に行きたい。



「中々良いですね」

「僕もこのピンク気に入った」

「秘密基地みたいだよな!」

「テントとは個人の秘密基地みたいなものさ」

「だからと言って、エロ本なんか持ち込んで中で見ては駄目だよ?」

「以前大量部員が辞めたんだけど……キャンプ地にエロ本持ってくるわ、小さいDVDプレイヤー持ってきてエロDVD見るわで、先生に見つかってバーンっとね」

「消えたんですね」

「「「そう言うこと」」」



中学生と言えばそう言う事に興味が出やすい年齢だとは聞いたことがあったが、正にその通りの事が起きて一斉に辞めさせられていたとは……。

そもそも、我は聖女一筋なのでそっち系にはあまり興味が無い。

確かにグラビアアイドルなんかを見ると、こういう恰好したら絶対似合うだろうなとか、そう言う想像はするが……健全たる男子の定めだ。



「そう言えば、母の時代までは男女間の恋愛とかバレンタインは厳しくなかったと聞いていますが、中学や高校は厳しいんでしょうか?」

「あ――、その辺り気になっちゃう?」

「どの様に変わったのかは気になります」

「枯れてるなぁ東君は。そうだね、男女のお付き合いに関してはとても厳しくなったよ。公にお付き合いしているのがバレたら先生達に呼び出しをくらうくらいには」

「「「「そこまでですか」」」」

「生活指導がはいるよな」

「そうそう」

「学校でもイチャイチャ出来ないし、外でもイチャイチャは結構難しい感じかな? するとしてもダブルデートが精々で」

「へー。僕、そっち系でお金稼げないかな? 女装して一人一時間千円とか」

「「「「買おう」」」」

「「駄目!!」」



思わず我とアキラが言うと、流石に魔法使いも「やっぱり許可が下りないでーす」と笑っていたが、悔し涙を流す面子が多すぎる。



「つまり、バレンタインも禁止と言うことですね」

「そうなるね」

「じゃあ僕が部活の皆に友チョコ作ってもアウトな訳?」

「「「「全然OK」」」」

「それは良いのではないでしょうか。お手伝いはしますよ」

「やったね!」

「それじゃあ、ゴールデンウィーク辺りに皆で歓迎の日帰りキャンプでもしようか」

「調理道具をキャンプ場がレンタルしてくれてるところがあるんだよ」

「良いですねそれ」

「各自必要な野菜とかは買ってくるとしても、レンタル料は部費で賄うからさ」

「まぁ、中間テストあけだからリフレッシュしないとね」

「「「中間テスト……」」」

「アキラはちゃんと勉強してる? 赤点取ったら小雪に言いつけるよ」

「予習復習してますー」

「祐一郎は言わずもがなかな」

「してます」

「祐一郎は昔から優等生だったからなぁ……小学校のテストの点数も基本90点台だし」

「「「東くん! 俺達に勉強を教えてくれ!!」」」

「部活の中でしたら良いですが……どうなんです部長」

「テスト勉強も兼ねるしいいんじゃないかな? 分からなかったら俺達も教えるし」

「と言う事なので、出来る範囲でしたら教えますよ」



こうして、テントを片付けながら許可を取り、明日から部室で勉強を教える事となった。

ケルベロス軍団は既に陸上部に入っているので放課後の接点は無いのが救いだろう。

しかし、ワンタッチでテントになるのは良いが元に戻すにはコツがいる。

そこが可愛いところと思えば、このテントも悪くはない。

愛着を持って使えそうだし、良い買い物が出来た。



「それじゃあ、取り敢えず目標は5月のゴールデンウィークで。それまでにテスト勉強もすませるようにね」

「「「「「はい」」」」」

「テストで赤点取ったら連れてかないからなー? 恵ちゃんは連れてくけど!」

「嬉しいー! でも頑張るー!」

「もう、紅一点って感じでかーわいい!」



副部長と魔法使いのやり取りは、ここ数日で慣れた。

この二人はこれで楽しんでいるのだから放っておこう。

――こうして、良い買い物が出来てホクホクのまま家路へとつき、急ぎ夕飯の支度をはじめて明日はキャンプ料理も調べることにしたのだった。


++++++++++++++

魔王様は 中古ショップを 気に入った!


私は体質的に中古ショップに行けないんですよね。

妙に憑かれやすいというかなんというか。

物には思念が残ると言いますが事実だなと切実に思います。

霊媒体質? いいえ、神主家系なだけです……。

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