107 魔王様の、春休みの楽しみ方②
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花見が終わった翌日、会場であった駐車場の大掃除だ。
空き缶空き瓶、持ち帰って欲しいと思うが酔っ払いに何を言っても無駄だというのはしっている。
嘔吐物に関してはバケツで水を流して綺麗にする。
吐くほど飲むなと言いたい。
「人間とは、こうして堕落していくものですね」
「花見と言いつつ酒が飲みたいだけだよね」
「お酒は怖いんだぞ? 急性アルコール中毒とか言うのもあるだからな!」
「流石看護師を目指しているだけあってよく知っていますね」
「年間結構な人数で亡くなってるらしい。昔はラッパ飲みなんてのもあったらしいからな」
「でもさ、それってオル・ディールの世界でもあったよね」
「あったんですか」
「あったなぁ……武道家とか凄い飲んでた」
「それを僧侶が介抱して」
「あなた方、魔王討伐を舐めてませんか?」
思わず我としても突っ込みを入れたが、勇者は「アイツは酒好きなんだ」と眉を寄せ、魔法使いも「酒には弱いんだよねぇアイツ」と遠い目をしている。
その二人が双子の姉妹で生まれているのだから世も末だ。
「僕が大人になって酔っぱらった時は、シジミ汁かシジミの味噌汁を」
「作りませんよ? 酔っ払いは滅んでください」
「まぁこの場の様を見るとね」
「そう言いたくなる気持ちはわかる」
そう言いつつ広場の掃除をし終えると、気温が乱高下する中花粉の飛散も始まっていて勇者が大きくクシャミをした。
「う――……花粉かな? 風邪かな」
「この時期の花粉と風邪って区別が付きにくいよね」
「家に帰ったら甘酒温めて上げますから、身体を温かく為さい」
「魔王がお兄ちゃんしてる」
「不本意ながら、これでも勇者の兄ですので」
「くそう、魔王が勇者の兄とか……」
「小さい頃もそれで文句言ってましたよねぇ……懐かしいです」
そんな事を語り合いつつゴミはゴミ置き場に置き、バケツを仕舞い玄関に入るとホッとする。やはり外は寒いのだな。
桜の花も萎むほどの寒さではないが、やはり少々寒いようだ。
手を洗いウガイをしてから台所に向かうと、瓶に入った甘酒を鍋に入れてコトコト温め始める。
甘酒は飲む点滴とまで言われている優れもの。風邪になる寸前なら治りも早いだろう。
我も何だかんだと妹である勇者には甘いのだ。困ったものだな。
「甘酒ですよ。魔法使いさんもどうぞ」
「わ――」
「程よい温さ」
「飲みやすい頃合いで火を止めましたからね。一息入れましょう」
「ホッとしたいねぇ」
「最近気温の乱高下が激しくて本当に困る……」
「春一番もそろそろですかね……自転車で中学に行くのが大変です」
「坂道とかきついよねぇ」
「そう言えば中学って女子の下着は白のみなんだろ? スパッツとかは禁止なのか?」
「それは書いてませんでしたね。スパッツ良いんじゃないですか?」
「先生も一々スカート捲ってまで調べないよ」
「調べていたら大問題です」
「確かに」
そう言って魔法使いはクスクス笑っているが、実際教師がそんな事をした時点でアウトだ。
我なら間違いなく首を刎ねさせるぞ。
第一下着の色まで指定してくる学校と言うのが可笑しい。
一部の暴走した男性教員による暴走の末の決まり事だろうが、馬鹿馬鹿しいにも程がある。
ならば男子も白のブリーフくらいにすればいいのに、男子は何でもОKなのだ。
男女差別甚だしい。
「スパッツと言えば、魔法使いの女性用制服姿、中にスパッツ履いてましたね」
「そうそう、女子らしくね」
「他校ではプレミア着いて一枚3000円だそうですよ」
「あはははは! 男と知ったらショックだろうねぇ」
「血涙流しそうな男子が数名いるんだろうな」
「性癖歪む男性生徒もいそうです」
罪な男、魔法使い。
その美貌でどれだけの男子生徒の性癖を歪ませたであろうか。
餌食になった男子生徒には悪いが、騙された方が悪いとしか我は言えない。
とは言え、持って生まれた美貌をどう使うのかは魔法使い次第。我がどうこう言う事でもないな。
「そう言えば魔王の書いた写経、どこぞの書道家が貰って行ったそうじゃん」
「ええ、余り綺麗に書けている物ではないんですがね」
「魔王が書道家ってなんか似合うな」
「そうそう、大きな筆もって怏々しくさ」
「書道の大会でもあるまいし。それに私は高校では何か精神を落ち着かせる部活には入りたいですよ」
「キャンプ部じゃなくて?」
「あれば入ります」
「精神統一と言うと、やはり剣道か!」
「柔道?」
「弓道部があれば入りますが、無ければ普通に家に帰って座禅でもしますよ」
「「嗚呼……」」
座禅はいい。
心を無にして気を巡らせるだけでも気持ちがいいものだ。
ああ、でも高校に入ったらバイトはしたい。
出来ればの話だが……。
「バイトが出来る高校に行きたい……」
「最近厳しいらしいよ」
「難しいんじゃないか? それなら寺の仕事手伝えって言われるぞ」
「ですよね。まぁ遠い未来の事を考えても仕方ないです。まずは一歩ずつ行きましょう」
「今度の海鮮バーベキューとかね」
「春一番吹く前にしたいな」
「となると、父と祖父がいる時なので土曜にでもしますか」
「「やっふー!」」
こうして土曜に海鮮バーベキューをやる事が決まり、祖父と父にも話をするとその日に美味しい海鮮類を買って来てくれることになった。
我としてもエビやイカ等食べたい物は沢山ある。
まぁ、エビの足は少々苦手だが。
我は足の多い生き物がどうにも少し苦手だ。
誰にも言えない事だが……。
そんな事を胸で思いつつ、海鮮バーベキューを楽しみにしたのだった。
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