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【中学突入】転生魔王は寺に生まれる。  作者: 寿明結未(ことぶき・あゆみ)
第三章 魔王様、中学時代をお過ごしになる

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104 魔王様、声変わりしたりしつつも春休みの楽しみにウキウキする。

毎週水曜更新です。

お越し下さり有難う御座います。

本日は2話更新です。

またボチボチ更新していくので、どうぞ応援よろしくお願いします。

その後の学校生活は特に支障もなく気が付けば一年生が終わろうとしていた。

この年齢の男児と言うのは成長期も相まって見た目が変わるものが多い、声変わりもある。

我の声も声変わりし、気づけばそれなりにバリトンボイスになっていた。

それはアキラもで、まぁ……魔法使いは声変わりしたが余り変わらなかった。


とは言えまだ2月だが、バレンタインは既に終わっている。

学校にはチョコを持ってくるのは禁止だった為、特に問題などは無かった。

ただ、帰りに魔法使いからクレープを我とアキラは奢って貰い「それバレンタインチョコね? お返しは三倍返しだから」と言われアキラが「クレープがバレンタインだと!」と言っていたのには笑った。

そこで――。



「アキラ、共同で返しませんか?」

「共同で?」

「アキラはチョコレートを作る為のチョコを安売りで買ってくる。私がチョコフォンデュを作る。手料理に勝る愛情なんてないでしょう?」

「いいな!!」

「ッチ! 嫌な面子が手を組みやがった!!」

「チョコフォンデュ、いりませんか?」

「いる!!」



こうしてお返しは決まったのである。

ニコニコ笑顔の我とアキラに対し、魔法使いが苦虫を噛んだような顔をしていたのが笑えたのはいう迄もないが、愛情だけは注ごう、愛情だけは。

料理とは真心だというからな。



「学年末テストも無事に終わりそうですし、受験だなんだと考えると2年までが一番楽しめる時期ですかね」

「それはあるね。2年生になったらエンジョイしたいよ」

「お前ら二人共俺を置いて数か月エンジョイしただろう?」

「アキラもエンジョイしますか?」

「部活の大会があるからエンジョイ出来ないよ……」

「アキラ強いもんねぇ」

「誇らしいですねぇ」

「そう言って貰えるのは嬉しいけどさぁ」

「二年になったら大会には小雪を連れて応援に行きますよ」

「!?」

「私たちが3年生の頃に小雪が中学に入ってきますからねぇ」

「そ、そ、そうなんだよ!! 朝は迎えに行ってやらないとな!!」

「うわ、ウザったい」

「朝からデートで脳が活性化しますね」

「別にいだろ? 家族公認なんだし……」



そうなのである。

なんとアキラと小雪は互いの家族公認なのだ。

まぁ、幼い頃のアレコレがあった故に、尚更そうなっているのだが――。

そう言えば長谷川はあれから会っていない。

どうなったのかも知らないが、碌な人生は歩んでいないだろう。



「とはいえ、小雪は変な男に好かれる傾向があります。気を付けねばですね」

「ああ、原田とか」

「あれはまた別でしょう。異世界に行きたい原田君は放置しておきましょう」

「今もまだそっちに行ったままなのか?」

「ドップリのようですよ。最近は更に酷くなったと聞いております」

「大変だな小雪……」



異世界に行きたい彼は勇者に未来を見出したようだが、正直勇者は「酷く不愉快だし、良い加減どうにかしてやりたい」と言う程にはうんざりしているのは確かだ。

だが、勇者も異世界転生ものを読んだりして知識はあるようで、「こんな都合のいい事ある筈ないだろう」と突っ込みを入れつつ楽しんではいるようだ。


そう、【異世界に行ったからと言って素晴らしい能力に目覚める!!】なんて事はないのだ。

精々我々のように一般人に紛れて生活するのが関の山である。




「それより冬休みどうする?」

「今年は一段と寒暖差があるようですし、風邪には気を付けたいですねぇ」

「いや、そうじゃなくて」

「健康管理は大事ですよ?」

「ジジ臭いな!!」

「いや、この場合オカンって感じだ」

「二人共……食卓を任される身としては免疫力を高める料理を必死に色々と考えるんですよ。それを侮辱する事は許しませんよ」

「「すみません」」

「やはり発酵食品で胃腸を強めて風邪に負けない体つくり……。カスピ海ヨーグルトでも手作りしますか……種は売ってありますしね」

「魔王がどんどん主夫になる……」

「農夫にもなるな」

「世捨て人とも呼んで欲しいですね」



そんな事を会話しつつも、牛乳を一本使って丸ごとカスピ海ヨーグルトを作るのもいい。

健康な身体があってこそ、健康な心が育つものだ。

早寝早起き大事。

例え我のようにショートスリーパーでも。



「しっかし、クリスマスに火鉢欲しいって言うとは思わなかったなぁ」

「私ですか? 冬の台所って意外と冷えるんですよ」

「だからって普通なら電気ストーブ選ぶだろう?」

「火鉢の方が趣があります。私好みです」

「で、誕生日には新しい作務衣買って貰うんだろう?」

「作務衣って高いんですよね……安いのだと草臥れるのが早いですのでお勧めしません」

「確かに僕たち成長期だけども……」

「何とかなりそうな場合は裁縫セットで手縫いで何とでもしますけどね」

「「女子力高いなぁ」」



こうして問題なく一年が過ぎて行こうとしている。

今年は干し柿も作れたし、良い感じに食べれるようになるのが楽しみだ。

今度の土日は我専用エリアとなった家族専用の庭を綺麗にしよう。

色々手入れをして綺麗にし、また色んな事に挑戦したい。



「……網焼きで魚を焼いたり貝を焼いたりして食べたいですねぇ」

「春休みの楽しみで来たな!!」

「海鮮バーベキューか! いいね!!」

「魚屋に行っていいのがあれば仕入れましょう。思い出作りは必須です」



家族からもお金を貰い、お酒の肴にして貰いつつ作ろう。

運ぶのは勇者と魔法使いだ。

海鮮バーベキューと言えばきっと廊下で酒盛りも始まりそうだが……それはそれでまたよし。

我たちはジュースで乾杯だ。



しかし此処で魚屋から【思わぬモノ】を貰い、我ですら苦戦する事になるのは――この時思いもしてなかったのである。




読んで下さり有難う御座います!

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★完結★転生箱庭師は引き籠り人生を送りたい

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→連載中。

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