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【中学突入】転生魔王は寺に生まれる。  作者: 寿明結未(ことぶき・あゆみ)
第三章 魔王様、中学時代をお過ごしになる

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102 魔王様、三人で甘いものを食べつつ同級生に会う。

毎週水曜更新です。

お越し下さり有難う御座います。

本日は4話更新です。

またボチボチ更新していくので、どうぞ応援よろしくお願いします。

新学期に着ていく制服や体操服も何とか間に合いそうで良かったと思いつつ、母たちとは離れてフードコーナーでパフェを食べていた。

我はナッツに生クリーム倍乗せのチョコソース。魔法使いはチョコバナナ。アキラはイチゴだった。



「こう、パフェって贅沢だよな」

「分かります」

「うまぁ」

「しかし目立ってるな俺達」

「三人揃って作務衣ですからね」

「いいじゃん、気楽なんだしさ」

「まぁ、日本の美の集まりだよな、そこの二人は特に」

「アキラもイケメンじゃん?」

「アキラも良い男だと思いますよ。でないと小雪が好きになる筈ないでしょう?」

「そ、そうかな?」



そう言って頬を赤らめるアキラ。

夏休みの間勇者とイチャイチャ出来た事もあり、うっかりキスシーンに出くわした事は2回程ある。

イチャイチャしているようで何よりだ。



「しかし今日は人が多いですねぇ」

「夏休みがもうすぐ終わるからじゃない?」

「ああ、宿題が終わってエンジョイ組ですか」

「俺たちもある意味エンジョイ組だな!」

「否定はしませんが」



そう言ってパフェを食べていると喉が渇いてくる。

折角ここまで来たのだからと、パフェを食べ終わった後は皆それぞれ飲み物を頼んだ。

我はメロンソーダにアイスが乗っているのを頼んだが「まだ甘いのが入るのか」と驚かれたのは何故だろうか。



「私は意外と甘党なのは知っているでしょう?」

「確かに甘党だね。おはぎも好きだし羊羹も好きだし」

「確かに祐一郎は甘党だったな……」

「そういうあなた方も……」

「コーラフロート」

「僕コーヒー。甘い物の後はやっぱり珈琲だよ」

「大人ですね」

「二人共お子様舌だねぇ?」

「いえいえ、アキラは大人舌ですよ。ですよね? 小雪と――」

「わあああああ!!」



思わず我の口を塞ぐアキラ。顔が真っ赤だが面白い。

そのアキラを白けた顔で見つめる魔法使い……この二人の対比が面白い。



「小雪と……? ふーん?」

「いや、その……」

「あーあ。童貞卒業はアキラが先か、祐一郎が先か……どっちにしろ僕は最後だね、相手が居ないんだし?」

「恵の場合、その辺の女子より可愛い顔してるのもあるからなぁ」

「そうなんだよ~~分かる? 僕その辺の女子より可愛いんだよお!」

「それはそれで悩み一種の悩みですね」

「は――……こんな美少女顔に生まれちゃって、僕可哀そう」



そう言ってクネクネする魔法使いには悪いが、周囲の男子の目が釘付けになっている。

もう少し自覚を持った方が良いと我は思った。

その時だった――。



「あれ~? 不登校の二人じゃん?」

「アキラも一緒に? なにしてんだ?」

「不登校じゃないですー。人生を満喫してたんですぅー」

「私も人生を満喫させて貰いました。夏休み明けから学校に登校しますよ」

「マジかよ」

「学校休んでた理由ってなによ」

「人生に彩りが欲しくなりました」

「は? なんだそれ」

「てか、学校に行くメリットが見つからなくなったんだよねー。で、通信教育受けつつ自分たちの好きな事してたの。悪い?」

「いや、悪くはないけど」

「アキラ寂しそうだったぜ?」

「それについては謝罪致しました。アキラを寂しがらせない為にも夏休みが終わったら学校に再登校します」

「僕も一緒に行くから、またよろしくね♡」

「ンン! まぁ、来るなら別にいいんじゃね?」

「お前らが来ないから女子スゲー気が立ってて大変だったんだからな」

「それは申し訳ない事を」

「てかお前らまた背が伸びたり、恵ちゃんは可愛くなったりしてさ~」

「んふふ」

「背丈は伸びましたね。先ほど制服などを寸法測り直して作り直して貰いに行ったばかりです」

「夏休みって男子って変わるよね~」

「恵ちゃんはもっと美少女になってるしさー」

「学校楽しみになった。ちょっと友達にメールしとくわ」

「俺も俺も!」



と、同じクラスの男子に見つかり不登校を馬鹿にされるかと思いきやそうでもなかった。

これには我も少しだけホッとしたが、これが魔法使い効果だろう。

男と言う生き物は美人や美少女に弱い。

本能では男と分かっていても、ついカッコ悪いところなど見せたくないのだろうな。



「てか恵ちゃん女子の制服できてよー」

「えー? 持ってないもん」

「姉貴の借りて来てやろうか?」

「大事なお姉さんの制服、僕が汚しちゃっていい訳?」

「ふっふー! その言い方たまんねー!!」

「やっぱ恵ちゃんはこうでなくちゃなー!」

「「はぁ……」」

「なんだよそこの二人」

「いえ、何でも」



だから彼女が出来ないんですよ。

とは、流石に言える空気ではない。我も命は大事だ。

それに、魔法使い一人を生贄に物事が上手くいくのなら幾らでも使い方はある。

このまま平和な学校生活の為には必要不可欠だ。


その後買い物が終わった母らが戻ってきた為「また学校で」と言って我たちは先に帰ったが、夏休みも残り少ないのだなと思うとそれはそれで嬉しくなる。

何せ夏が過ぎれば秋。

また燻製が出来る季節が巡ってくるのだ。



「夏休み明けが楽しみだな!」

「僕は若干憂鬱だけどねー」

「そうですか? 秋が来ると思うと嬉しいですよ」

「祐一郎はそうだろうね。燻製でしょ?」

「ええ、バーベキューなんかも捨てがたいですね」

「「いいねぇ」」

「色とりどりの秋野菜を串に刺して、肉も大きいのを付けて」

「腹が減る」

「男はやっぱり肉を食べてナンボだよね」

「甘いクレープを食べた後に言うセリフじゃありませんね」

「「確かに」」



そう語り合いつつ各自車に乗り家路についた数日後、アキラは柔道の大会へと向かった。

結果は二位だったがいい成績だ。

頑張ったご褒美に頬にキスを貰うと我にコッソリ教えてくれたが、誰から貰うのかは言うまでもないだろう。

全く、アキラも何だかんだと青春しているのだ。

勇者は元男だが。

そう思うと若干複雑な気分になりつつ、仲良くしている勇者とアキラを見て遠い目をしたのは言うまでもない――。




読んで下さり有難う御座います!

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