6ぷに(ぷに助福袋)
ぷに助は毎年1月3日に近所のスーパーの一角を借りて、自作のぷに助福袋を販売している。
値段は一袋、3000円。
中身はぷに助の私物がほとんどで、年々そのバリエーションが増えてきている。
去年の当たりは、ぷに助が高校時代に片思いをしていた子の盗撮写真だった。
運よく手に入れた女性はその場に泣き崩れ、ぷに助の顔を何度も何度も平手打ちしたという。
そのため今年のぷに助福袋に対する期待値は例年よりも遥かに高く、スーパーの前には1月2日の深夜から列ができ始めていた。
「押さないでください!押さないでください!」
はっぴにハチマキ、メガホンを手に叫ぶスーパーの店長さん。
行列が長すぎるため、ご近所さんの迷惑を考えて、急きょ開店を一時間早めたのだ。
それもこれも、全てはぷに助福袋の人気がゆえ。
開店と同時にぷに助福袋は飛ぶように売れ、30分後には用意した2000個が完売した。
ぷに助は一息つく間もなく、用意していた台の上に上がる。
「では、最初の人からどうぞ」
着ていた服を脱ぎ捨て、全裸になるぷに助。
その前に福袋を買った人々が列を作り始めた。
「うっ、うっ、うっ、うっ」
人々が代わる代わるぷに助の腹を殴っていく。
何を隠そう、今年の当たりはぷに助のお腹を殴れる券。
それを用意した2000個のぷに助福袋の内、半分の1000個に入れておいた。
去年は当たりが一つしか用意できなかったために、外れた皆に悲しい思いをさせてしまった。
今年は多くの人に笑顔になって貰おうという、ぷに助なりの心遣いだ。
「うっ、・・・うっ、・・・うっ」
最後の一人が殴り終えた頃には、ぷに助のお腹は内出血で真っ黒に染まっていた。
「大丈夫ですか、ぷに助さん」
「店長さん・・・、ええ、平気です。だってこれは」
ぷに助、腹部、黒なのだから。
この日記、何ぷにですか?
「赦し屋とひこじろう」、「未成年委員会による日本の壊し方」という二つの作品を書いているので、よかったらそっちも読んでみてください