表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
謎が一緒にご来店  作者: 吉野 慶
3/8

サラダにドレッシングはお付けしますか? 3

「何かって、何かあったんですか?」

「いや、そうじゃないけどさ…。何ていうか、その、不思議だなぁ、と」

そう答えるが、あまりに歯切れが悪い。

「気になることがあるなら言ってくださいよ。こっちだって気になります」

「そうかもしれないけど…。でもよくわからないし」

そこまでうやむやにされるとこっちだって気になってしまう。何をそんなに気にしているのだろうか。

宮下がこうなったのは客人が来てからだ。その客人とは俺のクラスメイトで、もっと言うなら彼女の友達だ。そもそも宮下はあの客人たちとは被らずに卒業したのだから、知り合いというわけでもないだろう。

「どうしたんですか、2人とも」

なんだか怖い顔をしていましたよ、と高谷が不安そうにしている。

いけない、宮下につられて考え込んでしまった。

「い、いえ、何でもありません。平和だなと思っていただけです」

「そうですね。けど、平和に越したことはありませんよね」

「ははは」

そうだ、つい暇で余計な頭が働いただけだろう。忙しくなれば宮下だってもとに戻るはずだ。


だが、そんな期待はすぐに崩れていった。


「すいませーん」

みると、声の主は越野だった。

「はーい、ただ今お伺いします」

高谷が小走りでテーブルに向かった。

何だろう、追加のオーダーだろうか。

だが、どうやらそうではないらしい。しばらく越野たちと話していた高谷だったが、次の瞬間、深々と頭を下げていた。

「大変申し訳ありません。すぐにお取り換えいたします」

険しい顔で高谷が戻ってくる。その手には白い小皿。

…サラダか?

「何かあったの、高谷」

「どうしたんですか、高谷さん」

「あ、宮下さん、須藤さん。これ…」

高谷は困った顔で白い小皿をこちらに向けた。

それを見て、俺と宮下は状況を理解した。


白い小皿の中。均等にドレッシングをかけられたサラダの上に、5cmほどの黒髪が入っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ