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"番人"に連れてこられたのは、小さな階段だった。
「ここならば、うまく繋がる」
「分かった」
レイラは頷くと、杖を構える。
「………」
ふわり、と、彼女を風が包む。その風は徐々に強くなっていき、やがて耐え切れなくなったディアナは瞳を閉じた。
そして、一際強い風が吹き抜け――、
「できた」
ディアナが目を開けると、階段の下には、見慣れた通りが見えた。
「ここ、うちの近所…」
「じゃ、行こうか」
レイラに手招かれ、ディアナは足を踏み出した。
「ありがとう、レイラ」
階段の下に着いてから、ディアナは隣にいるレイラに礼を言う。
「いえいえー」
「"番人"さんも」
階段を見上げてそう言うと、"番人"は首を振った。
「もともとはこちらの不手際であったからな。こちらこそ、迷惑をかけた」
「本当にね」
レイラに冷たく言われ、"番人"は縮こまる。
「でも、楽しかった」
「良かった。また遊びに来る気ある?」
レイラが何気なく発した言葉に、ディアナは目を見開いた。