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生まれて初めてというほど混乱したディアナは、ぼんやりと窓の外を眺めていた。魚達がいなくなった後も、通りは黒い影(本体は見当たらない)や、綿の塊のような物体が通って行く。
やがて彼女は、溜め息をついて家主に向き直った。
「ようするに、違う世界なんですね、ここは」
「あなたの街と重なり合ってるから、完全に違う場所ってわけじゃないけどね。…ああ、それから、どんなに遅くても日暮れまでには帰せるから」
一番気にしていたことが分かり、とりあえず力が抜けたディアナは、勧められた椅子に座った。
「どうすれば帰れますか?」
「"番人"達に言って、道を繋げるんだ。そいつらが、"道"が繋がらないように見張ってるんだけど…」
どうやら、先程文句をつけていた相手は、その"番人"達らしい。
「その"番人"さん達に会えばいいんですか?」
「あいつらに"さん"なんて付けなくていいよ。会いに行くのは、雨が上がったらね。今は条件が悪い」