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ディアナは、しばらく考えた後、訊ねた。
「あの、今なんて?」
「あなた、しばらく帰れないかも。"道"を繋げ直さないといけないから」
「意味、分かんないんですけど…」
「だよねー」
少女は苦笑すると、座っていた椅子から立ち上がる。
「ちょっと来て」
「??」
ディアナが側に寄ると、少女は窓の外を指差した。
「あれを見て」
「あれって、…え、あれ、なんですか!?」
「何に見える?」
「魚…」
「うん、魚だよ」
2人の視線の先では――、小さな魚達が空中を泳いでいた。
「なんで空中を泳げるんですか…?」
「雨だから。それに、この国はもともと水の気が強いからね」
「私、あんなの見たことないですよ!?」
「うん、だって、ここはあなたが知ってる街じゃない。あなたは、本来繋がってない"道"を通って迷い込んじゃったんだよ」