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「一般家庭……これが?」
遠慮しつつも、土鍋に入ったお粥を完食し、お腹いっぱい! 満たされた私は、暇になり【探険】をする事にした。
抜き足、差し足、忍び足。キョロキョロと辺りを見渡し、歩く。
廊下の壁にはいろんな絵画が飾られ、玄関に設置された靴箱には綺麗に咲き誇る花が飾られた花瓶が置かれている。
少し行くと、広い部屋に出た。約10畳の和室で、中央に7人くらいが座れる大きなお膳があった。
その左、壁側には……。
「何……これ?」
壁側にある物。それはガラス張りされた黒い箱型の置物。
「おっきい箱。何に使うのかしら?」
コンコンっと、ガラス張りされたところを叩いてみる。次にペタリと耳をつけてみる。
じー。じー。じー。
何も……聞こえない?
う~ん? と思いつつ耳をつけたままにしていると、いきなり……
『なんでやね~んっ』
と、大音声が私の耳を貫いた。
「ひゃっ……!?」