連絡と診察(5)
結局その日、サキ様はほとんど目を覚まさなかった。
二度起きて、水分と食事を取る以外は、行動もしなかった。
「仕事は、大丈夫」
と、意識がもうろうとする中で言っている姿は、見ていられなかった。
残っている人たちに体調不良者は出ず、「とにかく、何か手掛かりが無いかを探します」と、屋敷中を駆け回ったようだが、発見は無かった。ちゃんとそれぞれが動いてくれて助かった。こんな中でも、コックの料理はおいしかった。
ラインは、医者が来てくれたあとに少し眠った。だいぶ体長はよくなったと言っていた。
「飴をなめたからかな」
と冗談も言っていた。私は、いつ来るかわからない電話を待っていると眠れないような気がしたが、俺が見ておくから寝ろと言われ、夜に眠りについた。夜中に何度も目が覚めたが、そのたびに目を閉じ、無理やり眠った。朝の六時になり、起床するとすぐにサキ様の部屋に行った。
「おはよう。眠れた?」
「少し」
ラインは、ソファに座っていた。
「さっき、サキお嬢様が起床されたよ」
「熱は?」
「まだ下がらない。少しパソコンで作業されて、もう今日は平気って」
「お仕事……」
「大丈夫っておっしゃってた。信じよう」
「そうね。電話は?」
「まだ」
「そう」
寝たら? と言ったが、もう大丈夫と彼は首を横に振った。彼の正面のソファに座る。
「カタリーナさんたちから連絡は?」
「いや、特には。食事を持ってきてくれると、さっき電話が入ったよ」
「そう……」
それから、朝食を食べ、私はラインと共にサキ様の傍にいた。
彼女の汗をふき、ただ、ひたすらに着信を待った。
その日の夜、電話の着信音が響いた。




