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異世界の我が家へ

グダグダになるかもしれません。よろしくお願いします。

あの後、とりあえず城から出てみたものの……ここ、どこだ?

入口の方までしか見ていなかったので自分が今どこにいるのか全くわからない。完全に迷子状態である。

っていうかさすが国なだけあって広い、広い。道はいろんな方向に伸びているし、建物はひしめき合ってるし、遠くの方には何やら橋みたいなものまで見える。

どうやらこの国全体を把握するには相当な時間がかかりそうである。まぁ、散歩する時には困らないかな。落ち着いたらちょっとずついろんな所を歩き回ってみようと思った。


それと出てきてすぐに思ったのだが、さすが昼時と言っていただけに先程のまで静かだった街並みは息を潜め外は人で溢れかえり所々から色んな生活音が聞こえてきた。どこかでは何かを洗っているような音が、またどこかでは料理でもしているのか何かを焼くような音が聞こえてくる。

おお、これはこれは皆さんおはようございます。そう心の中で挨拶をしておく。

すれ違う人達は皆様々で忙しそうに走っている人、女の人同士で世間話をしている人、それから走り回ってる子供達なんかもいた。その中には先程、城で見かけたあの鎧の兵士たちも混ざって歩いていた。

とりあえず、王宮とは反対方向に直進していくことにして歩き出した。まぁ、気楽に行くさ。


王宮から出て少し進んできたのだが……うーん、やっぱり気になる。俺は多分普通に歩いているだけなのだが、やっぱりこの格好なんかも相まってなのか色んなところから視線を感じる。

いつもなら注目すらされたことないからものすごく違和感を感じる。どうしよう、このままでは散歩どころではないぞ。

そう思っていた時だった、向こうの方から数人小さい子供達が走ってきた。そのまま俺の横を子供達は通り過ぎようとしたのだがそのうちの一人男の子がつまずいてしまい勢いよく転んでしまった。うわ、痛そう……。


「うぅ~……ぐすっ、うわあああああん!!」


「あぁ~……」


泣き出しちゃったよ。どうしよう、やっぱりこの場合は俺が起こしてやったほうがいいよな。でも、俺あんまり子供って得意じゃないんだよなぁ~。


「お、おい大丈夫か?」


とりあえず、脇腹あたりを軽く掴んで起き上がらせてやる。あ~あ……膝を思い切りすりむいちゃってるな。血まで出ちゃってるし。


「ひっく……ぐすっ……痛いよぉ~……」

 

はっ、そうだ! こんな時こそ俺の力があるじゃないか。あれをこいつに使ってやれば。


「す、少し待ってろ! 今治してやるから」


えーと……確かファリアを治した時はどうしたんだっけ? まず、何かこう右手をかざしてそれから、それから……何か言ったよな。何だっけえーと……あ、そうだ!


「レイズ!!」


確かこれだったはず! すると俺の右腕がうっすらと青色に光り始めた。どうやら正解だったらしい。

男の子が怪我した部分の膝が黄色い光に包まれその光は一瞬で男の子の体の中に消えていった。

すると、あら不思議。先程まで痛々しくすりむけていた膝の傷は跡形も無く消え去っていた。

よかった、上手くいったようだ。


「ふぐっ……あれ? 痛くなくなった」


さっきまで泣いていた男の子も痛みが引いたことで泣き止んでくれた。どうやら自分から痛みが消えたことに驚いているようだ。そりゃそうか。


「大丈夫か? もうどこも痛くないか?」


念のために聞いてみたが男の子はうん、大丈夫と何事もなかったかのような感じで答えた。


「お、お兄ちゃんが治してくれたの?」


「うん? あぁまぁな」


そう答えると男の子は何故か黄色い目をキラキラさせた。な、何だ?


「も、もしかして……お兄ちゃん、魔法使えるの?」


魔法? 何ともファンタジーちっくな単語が出てきたな。でもそういえば、さっきゼオラさんがそんなこと言ってな。魔術師だっけか? やっぱりこの世界にはそういう存在があるんだろうか。


「まぁ似たようなもんならな」


自分でもよく分かってないので断言はできないがそういうのに近いものではあるだろ。変に考えるのも面倒くさいので俺は曖昧な答えを返した。

しかし、彼はそれを俺が魔法が使えるという捉え方をしたらしく


「すごい!! お兄ちゃん、魔法使いさんなんだ!!」


と大きな声で叫んだ。その瞬間俺は驚くべきものを見た。

彼の頭のてっぺん付近の髪の毛がもこっと盛り上がったかと思うとそこからピョコっと二つまるで犬の耳のようなものが生えてきたのである。しかも、すこし先のほうが垂れた何とも可愛らしい耳だ。それがピコピコと動いている。


「…………え?」


そ、そういえばクーエルと行く世界を決めるときに言ってたっけ。多種族が住んでるって。ってことはもしかしてこの子は人間じゃない?

そうポカーンとその耳を見つめていた時、後ろの方からジャン、どうしたのー? と先程までこの子と一緒にいた子供たちが呼んでいるのが聞こえた。


「あ、今行くーー!! じゃあ、お兄ちゃんありがとう! バイバイ!!」


「お、おうバイバイ……」


元気よく走って行った男の子の頭には未だにあの犬耳のようなものがピコピコと動いていた。


「すげぇ……」


これが異世界ってやつですか。もしかしたらまだ見ていないだけで他にも色んな種族がいるのかもしれないな。うーん……早く慣れなければ。




その後も、色々見ながらしばらく直進してみたのだが一向に国の入口が見えてこない。もうかれこれ数十分は歩いているはずなのだが。

この距離を俺を担いだ状態で走りきったあの鎧の人はマジでバケモンだな。もしかしたらあの人も人間じゃなかったのかもしれない。今度もし会ったらちょっと確認してみよう。まぁ、あんまり会いたくはないけど……。

それにしても、ここに来るまででも結構色んな変わったものを見たな。建物やらもそうなのだがそれ以前にすれ違う人たちの方だ。

人間はともかく、下半身が馬のようになっている女の人や背中からいくつも腕が生えてる男の人。俺の膝くらいまでしか身長の無いおばあさんのような人もいれば、俺の二倍以上もあろうかという身長の女の人が普通に歩いているのも見た。


それらを見るたびに驚いていちいち道の端の方に避けたりしながら歩いてたもんだから、周りの人は怪しそうな人間を見るような視線を俺に向けてきた。だってしょうがないじゃん!! まだ慣れてないんだもん! 急に出てこられたりしたら誰だってビビるわ!!

そんなこんなで色々とあったおかげで俺の体力はただ歩いているだけなのにどんどん消費されていった。だめだこのままだと家に着く前に倒れちゃうかも。さっさと家を見つけてとっとと休みたい。

俺の頭の中はいつの間にかそれだけでいっぱいになりその思いだけが俺を突き動かしていた。



そこから更に進んでいくと、ぽっかりと開けたまるで広場のような場所に出てきた。おお、急に道が開けたぞ。

そこには今まで通ってきた街中よりも人がたくさん集まっていて、とても活気に満ち溢れていた。よく見てみればどうやら屋台のようなものがたくさん並ぶように出来ていて、そこで色々なものを売っているようだ。

もしかしたら市場みたいなものかな? 出来ることなら俺も少し覗いてみたいが今はそれよりも……家だ。

それに何かを買う手段も持ってないしな。というわけで今日はスルーして行くことにした。




そこから更にしばらく歩くと、ようやく見覚えのある光景が目の前に見えてきた。

あの、でかい風車は入ってすぐのところで見えたものだ。やっと、やっとここまでついたか。あと少しで入口につくぞ。

その風車を通り過ぎ、更に数分歩くと待ち望んでいた光景が見えてきた。


「つ、ついた……」


はぁ~よかった。全くどんだけ広いんだよここは。


「さてと、それでこれからどっちに向かえばいいんだ?」


ポケットからあの手紙を取り出し、再びにらめっこをする。問題はここからだ、この地図を俺は読み解かなければならんのだから。

相変わらず酷い絵だな。でもこれだけが手がかりなのだからしっかり考えないといけない。

そこで今一度よく見てみるともう一つだけ地図の隅の方に何か絵が小さく書かれていることに気がついた。


「これは……なんだ?」


枝分かれした下に伸びるように描かれたいくつもの線とその線の上の方でぐるぐるぐると適当に書かれた塊。

……何かもう狂気すら感じるんだが。一体これは何だろうか? 

とりあえず、外に出てみてこの絵に当てはまりそうなものをキョロキョロと探してみた。何かないか? 見回してみたが見えるのはひたすら続く草原と遠くの方に一本だけ生えた木だけだ。


「ん? 木?」


もう一度地図を見返してみる。この絵……上の方のワシャワシャが茂った葉っぱだと考えてみよう。それからこの下に枝分かれして伸びている線は……根っこ? として考えてみる。

そう見てみればこの絵、木っぽく見えなくもないような気もする。

……ちょっと行ってみるか。俺は試しにその木のある場所まで歩いてみることにした。


少しして草原の中を進んでいくとその木のある場所までたどり着いた。ふむ、入口からここまではそこまで離れてなかったな。

その木に手をついてその先を見てみるとそこには、山ほど高くはないが、なだらかに土が盛り上がっている丘のようになっている場所が見えた。

もしかして、丘ってあれのことか? 俺はそうであることを信じてさらにそこから進んでみることにした。

ゆったりと登っていく坂道をどんどん進んでいくと頂上についた。そこから少し先に何か建物のようなものが建てられている。いかにも不自然な場所に建てられているそれはこんな大自然の場所では違和感しか放っていなかった。


「もしかして、あれか?」


近づいてみるとそれは少し大きめの平屋のようなもので、どうやら木で出来ているようだった。

扉があったので近づいてみるとそこには立札のようなものがかけられておりそれに‘荒崎の家’と書かれていた。


「あった……これだ!」


これがこれから俺が住む家……。平屋なんだ……。何で、日本風……?。

そう思いながらも俺はその扉につけられていたノブを回し中に入ってみることにした。

話が進んでねぇーーー!!orz……。12月18日、本文修正しました。

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