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これがピレアムアの本当の姿か

今一度、確認の意味も込めてこの物語の趣旨を書いておこうと思います。

この物語は生きてるものならどんなものでも治せる力を手に入れた主人公が、ほのぼのしたりのんびりしたり時には事件に巻き込まれたり、でも結局なんやかんやでほのぼのしたりのんびりしたりだらだらしたりする、主人公とその他大勢のなんやかんやで進むなんやかんやのお話です。


「なんやかんやってなん……」


「なんやかんやはなんやかんやです!!」


魔法陣に謎の十字架を突き刺した状態で、今までにない体の奥から何かが流れ出していくような感覚に俺は困惑していた。もしかしてこれがセルツからもらった魔力の力ってやつなのか? なんだか一向におさまりそうにないんだが……。というか、それよりも光が眩しすぎて周りがどうなってるんだか全然わからねぇ!! これ成功してるの? 状況が把握できないからものすごく不安なんですけど!


「ジアート!!」


そう思っていた時、後方からイホームの声が聞こえてきた。


「イホーム! これどうなってるんだ!? 上手くいってるのか?」


「ジアートのいる場所から凄まじい魔力が溢れ出してるのは分かるけど、なんにも見えなくてどうなってるのか私にも分からないよ!!」


俺のいる場所から魔力が溢れ出してるってことはやっぱり、この感覚は俺の思ってた通りのことなのか。ってかそれよりもイホームにも状況が分かってないのか。ますます不安になってきたんだが。


「主、聞こえているか?」


そんな時、今度はセルツの声が聞こえてきた。


「セルツ!! どうした、なんかあったのか?」


「いや、主が力の効果がでているのか心配そうにしているようだったから、今の状況を伝えてやろうと思ってな」


伝えてやろうと思ってって……え? まさかセルツにはわかるのか今の状況が。というか声の感じからしてすごい余裕そうだし……このくらいの眩しさは彼女にとってはそれのうちに入らないってことなんだろうか。いや、もうセルツがいれば大抵のことは解決できるなホント。


「お、おう。どうなってんだセルツ。あの入ってきた奴らはなんとかなってるのか?」


「あぁ、どうやら結界とやらに触れていた獣共は全て主の魔力に包まれて、瞬時に浄化されているようだ。それと、先程できていたあの亀裂からもこの魔力が溢れ出しているみたいでな。恐らく外部の森の一部的な範囲にも主の力が働いてると思う。私の力を分け与えたとはいえここまで強大な力を発揮するとは、流石は我が主だな」


「そ、そうなのか?」


そう言われても別に俺はこの力をコントロールできているわけではなく、只々どうしようもない出来ないので流れに身を任せる形で力を放出しているようなものだ。簡単に例えると蛇口の壊れた水道状態ってとこか? 別に害のあるものじゃない筈だからそこまで過剰に心配することもないのかもしれないが、国外に溢れ出しているこの力の作用がどこまで広がってしまうのか、俺は気になってしょうがなかったのでセルツに確認をしてみた。


「なぁ、セルツ! この魔力の放出っていつになったら終わるんだ?」


「そうだな、そろそろ収まりだすはずだが……主よ、何か体に変化はないか?」


そう言われましても……眩しくてよく見えないんですが。俺は目をひたすら凝らしながら自分の体を確認してみる。その時、俺は自分に起きているある変化に気がついた。よく見てみれば、さっきまであんなにパンパンに膨らんでいた俺のいびつに変化した右腕が先程よりも小さくなってきている気がする。これがセルツの言っている変化ってやつか? あ、そういえばあの謎の感覚もだんだん薄れていっているような気がするな。


「ぴぃいいいい!!」


「うえ? ピィタぬぐぅわ!!」


びっ、びっくりした。ピィタの奴いきなり後ろから飛びついてきやがった。そういやなんか大人しかったもんな。まぁセルツが抱っこしててくれたからなんだけど。にしてもこんな状況でも俺のとこ来るんだなコイツは。


「ぴぃいい!! ぴぃいいいいい!!」


「分かった、ピィタ分かったから落ち着け! 今ちょっと大変なんだから」


俺の頭の上でグリグリするな。地味に、地味に痛いからそれ。


「ご主人様! ご無事ですか?」


俺がピィタの地味な攻撃? に悶絶していると光の中からフラウの声も聞こえてきた。


「フラウ! あぁこっちはなんとか大丈夫だ。皆いるってことは全員無事だな」


はぁー……皆の声を聞いたらなんだか安心しちまったな。張り詰めっぱなしだった緊張の糸がほぐれ、体の力が少しだけ抜けた。その瞬間、それが原因になったのか周囲を包み込んでいた光が瞬く間に薄れ始める。それと同時に俺の右腕からも光が消え始め、赤黒く光っていたウロコのようなものもポロポロと剥がれていった。あの青い十字架もどんどん小さくなり、次第にその姿は完全に消滅した。


「魔力の流れが……急激に収まってる」


「どうやら終わったようだな」


あれほど眩かった光がほとんど消えかかると、周りの景色が俺の視界に広がっていく。そこには俺達がこの国にやってきた時のあの死にかけているかのような国の姿はなく、それとは真逆の壮観で素晴らしい街並みが広がっていた。


「はぁ~……これがピレアムアの本当の姿か」


瑞々しい花々が所狭しと咲き誇り、色とりどりな植物たちが街並みを鮮やかに色付けている。寂れていた路地や建物もカラフルな花や植物に彩られ、一種のアートのようなものを見ている気分になる。所々にはえていた枯れてしまった木々も綺麗な緑の葉や紅い葉を生き返ったことを強調するかのように広げ、その生命の輝きを力強く強調していた。まさに自然と共生しているといった感じだろうか。本当にさっきとは別の場所にいるみたいだ。街が息を吹き返したってところだろうか。それにしたってこんなに変わるもんかね?


「あっ、そういやあの動物達は?」


結界を破って来たあの動物達は一体どこに行ったのだろうか? 俺はキョロキョロと辺りを見回すがそれらしき影はどこにも見当たらない。


「奴らならもう自分の縄張りの場所にでも帰っていったんじゃないか」


そんな俺の姿を見てセルツがそう言ってきた。それならいいんだが……皆、正気を取り戻せたのかな。


「そうだね、元々ピレアムアの住人と森の動物達っていうのは友好的な関係にあるはずだから、向こうの敵意がなくなりさえすればあちらから危害は加えようとはしないはずよ」


「そうなのか。まぁそれならいいんだけどな」


様子を見る限りこれはうまくいったって事だよな。さっきまで何も見えてなかったからいまいち実感がわかないんだが。


「なんとか、なったんだよな?」


「うん。なんとか、なったんじゃないかな?」


俺の疑問系に更に疑問形で返しちゃいますか!? できればそこは、はっきりと肯定してもらいたいんですけど!


「皆様! ご無事ですか!!」


その声に振り返ってみると、そこにはこちらに向かって走ってくるヒナルク国王とリアさんの姿があった。リアさんは先程のドレスを着て走っているためか、少し動きがぎこちない。


「ヒナルク様、リア様。こちらは全員無事です。ジアートの力がうまく作用したようであの作戦はなんとか成功したと思われます」


「そ、そうですか。よかった……突然私達の周囲が光に包まれて何も見えなくなってしまって、何か起こったのではないかと心配になって駆けつけたんです。でも、皆さんにお怪我が無いようで安心しました」


そうか、やっぱり城の中にもあの光は広がっていたのか。そりゃ突然そんなことが起きれば何事かと思うよな。まぁ俺もここまですごいことになるとは思ってなかったんだけど。


「あ、ヒ、ヒナルク様!! 見てください、街が!」


息を整えていたリアさんがどうやら街の変化に気がついたようで、目を見開きながら興奮気味にヒナルク王子に話しかけた。そこで彼も街の様子がガラリと変わったことに気がつき、驚きの声をあげた。


「これは……まさか、これもジアート様が?」


「えっと、はい。その、別段意図したわけでもないんですが力の効果が広範囲に作用したみたいでこうなりました」


「すごい……なにもかもが元通りになってる」


「あぁ、ということは大聖樹様も?」


二人が上を見上げる。俺達も同様に大聖樹を見上げてみると、あの枯れ木のように元気のなくなった大木ではなく、神秘的な黄色い輝きを放ちながら遥か上空へと伸びていく大聖樹の姿がそこにはあった。


すげぇ……こんなに立派な姿を本当はしてたんだなこの木。いやでもなんかここに来たばかりの頃とは何もかもが全然違うものになっちまったからか、ここが本当にピレアムアなのかと若干疑いたくなってくるな。そんなドッキリ番組みたいなことあるわけないと思うけど。


「ジアート様、大聖樹様まで治してくださったのですか!?」


「え、あぁまぁはい。恐らくそうでしょうね」


俺がそう答えるとヒナルク国王とリアさんの俺を見る目がキラキラと輝き始めた。うわぁ……すげぇ反応してるよ。そして、おもむろにまたもやヒナルク王子に手をギュッと握られてた。


「ジアート様、一つ提案があるのですが……このまま我が国の魔術師になっていただけませんか?」


「へ?」


「もちろんタダでとは言いません。身の回りのお世話は私共が全てさせていただきますし、この国の施設は全て使い放題に……」


「ヒ、ヒナルク様! 落ち着いてください!! 突然何を言い出してるんですか!?」


俺が困惑の表情でヒナルク国王に迫られていると、横からリアさんが慌てて止めにはいってくれた。そのおかげかヒナルク王子もトリップ状態から復帰し、はっ! となって俺の手を離してくれた。


「も、申し訳ありません! 私としたことが我を忘れてしまい……」


「い、いや大丈夫です。気にしてないですから」


いや、正直最後までその条件を掲示されたら俺の心がなびいていた可能性もありそうなものすごいことを口走っていたような気がするが、とりあえず今は聞かなかったことにしておこう。一時の感情にすぐに流されるのはよくないことだよな。うん。


「それにしても、大聖樹様まで治してしまうなんて、本当に凄まじいお力なんですね」


「ふん、当たり前だ。主の力にかかればこんなこと他愛もない」


「ぴぃいいいいいい!!」


だからなんでお前らが得意げなんだっつうの。まぁ、今回はセルツの力も借りてるわけだから俺だけの成果じゃないんだけどな。あんな数滴、血を飲み込んだだけであれほどのことができるようになるんだ。

俺はそう思いながら元通りになった自分の右手をまじまじと見つめる。でも、できればこんなことは今回限りにしてほしいよな。あんな自分の体が異質のものえと姿を変えていく瞬間なんて、冷静に考えてみれば恐怖以外の何者でもないのだから。今後もそんなことが起きるのはホント勘弁願いたい。


まぁとはいえ、セルツのおかげもあって皆助かったんだしお礼くらいはちゃんと言っておくか。俺は彼女に近づくとポンポンと肩を叩きこちらに振り向かせた。


「ん? どうした主よ」


「いや、その……ありがとうな、俺に力を貸してくれて」


俺が耳元でぼそっとそう言うとセルツは一瞬ぽかんとした顔をしていたが、すぐに表情を朗らかに崩すと俺に笑顔を向けてきた。


「礼などいいのだぞ主よ。我も主が自分のことを信じてくれて嬉しかったぞ」


そんな彼女の笑顔と言葉に俺は少しだけ、ほんの少しだけだがドキッとしてしまうのであった。

うまく書けなくてダラダラし、ほのぼのが書きたい今日この頃。

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