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レアスピーシーズ

執筆が……進まないよ(泣)

結局、その後もこいつは大人しく俺の後をついてきた。

何度か急にダッシュしてみたり、木の陰に隠れてみたりをしたのだがどれも無駄だった。俺以外の物にも興味が無いようで必ず付いてくる。

正直これ以上何をやっても無駄な気がしたので諦めて、付いてくるのを気にしないことにした。

ちなみに、気になったのでコイツが何て生き物なのかあの図鑑で調べてみたのだが、解説どころか絵すらどこにも載っていなかった。この辺の生き物じゃないのかな?


「まぁ、いいか。とりあえず、残りのエポナ草をさっさと見つけないと」


俺は再び草むらの中をキョロキョロと見回す。しかし、エポナ草らしき影がなかなか見当たらない。あと三つだけなのに、ここにきて見つからなくなるのは勘弁してほしい。


「うーん……ん? お、何だ、どうした?」


草むらの中を目を凝らして見ていたとき、急に後ろから付いてきていただけのコイツが俺の近くまで寄ってきていた。そして、手に持っていた麻袋に顔を近づけるとクンクンと匂いを嗅ぎ始めた。


「何やってんだ? おまえ」


この袋の中身が気になるのかな。そう思っていた時だった。急に袋から顔を離すとコイツは突然草むらの中に駆け出した。そして少し進むと、こちらに振り返りジーッと俺のことを見つめだした。


「何がしたいんだよ」


俺もジーッと見つめ返すと、


「アヴッ!! アヴッ!!」


とこちらに向かって吠えてきた。

ひょっとして……俺に付いて来てくれって言ってるのかあいつ。さっきからその場に座り込んで動かないし、もしかしたらそういうことなのかな。

試しにあいつがいる場所まで近づいて行ってみる。すると、またあいつは草むらの中に進んで行った。

どうやら俺の考えは合っていたらしい。あいつが何を考えているのかよく分からないが、とりあえずついて行ってみるか。俺はあいつの後を追って草むらの中に入っていった。



少しして、あいつはある場所から俺が近づいても動かないようになった。

何だ? どうしたんだこいつ。

その場所まで近づいていくと、そこには俺の探しているあのエポナ草が数本生えている場所があった。


「おお!! エポナ草!」


こんなところに生えてたのかよ。しかも、俺の探していた本数以上に生えてるしこれで目標は達成できそうだ。


「もしかしてお前、俺をエポナ草のあるところまで案内してくれたのか?」


「アヴッ! アヴッ!」


何て言っているのかは分からないが、多分そうだったのだろう。俺は何だかコイツのことが急に可愛く見えてきて思わず頭の辺りをワシャワシャと撫で回してしまった。


「よしよしよしよし、ありがとうな」


嫌がる素振りを見せず、むしろコイツは気持ちよさそうに目を細めて俺に撫で回されていた。

か、可愛い……かも。それにこの毛並み、ものすごく手触りが良くサラサラしていてかつモフモフしている。エポナ草といいこいつといい全くふわふわ天国だな。俺は少しの間この感触を楽しんでいた。




「よし、とりあえず後は街に戻るだけだな」


エポナ草を採取した後、俺は再び元の場所まで戻り森に入ってきた時と同じ整備された道を辿っていた。このまままっすぐ行けばすぐに森から出ることができる。出ることはできるのだが……チラッと後ろを見る。


「やっぱりお前は付いてくるのね……」


相変わらずこの謎の動物君は後を付いてきていた。このまま森を抜ければ勝手にどこかに行ってくれるかな。そうすれば全て解決なんだけど。

そう思いながら、俺は森の出口の場所まで来てしまった。そこで俺は後ろを振り返り


「さてと、じゃあお前とはここでお別れだな。色々ありがとよ、助かったぜ」


そう告げて俺はそのまま森から出て行った。さて、どうなるかね……。

とりあえず最初は振り返らずにそのまま前だけを見て歩いていく。そして、ある程度森から離れたかなという場所で俺は思いっきり後ろを振り向いた。するとそこには、


「アヴッ!!」


「…………」


うん、まぁそうですよね。付いてきちゃいますよねー。もう、可愛い奴だなコイツはよしよしよしよしよし……。


「じゃなくて、やっぱりお前は付いてくるのね。森に帰らなくていいのか?」


そう聞いてみるも伝わるはずもなく、こいつは可愛らしく首をちょこっとだけ傾げてみせた。いや、むしろ俺がその仕草をするべきなんだが。


「はぁ~……しょうがない。付いてきちゃうもんは付いてきちゃうんだもんな。とにかくヒルグラウンドまで戻って、どうすればいいか確認してみるか」


もうそれしか思いつかないっす。という訳で、とりあえず俺は街に戻って色々報告することにした。



そして街に無事到着。したはいいものの……


「やだ、何あの生き物」


「ねぇねぇ、お母さん。あの変なの何?」


「よその国の生き物じゃないかい?」


ざわざわ、がやがや。


「…………」


街に入ってから周りの人の視線が痛いです。しかも、人間だけじゃなくてほかの種族の方々も注目してくるのでちょっと怖いです。ちょっとそこの目が一つしかない方、ガン見しないでくれると助かるんですけど。超怖いです。

そんなのお構いなしにコイツは尻尾を振りながらテクテクと後を付いてくる。全く気楽なもんだ。


そんなこんなで何とかヒルグランドまで辿りついた。はぁ~……体力的にというよりも精神的に疲れたよ。扉を開けて中に入るとこいつも後から一緒に中に入ってきた。ここ動物とか入っても大丈夫な場所なのかな。

そう心配しながらカウンターまで向かうと、中で談笑していた人達が全員こちらの方を注目してきた。

うおお!! 皆さんこちらを見ていらっしゃる。さっさとここから脱出したいという思いからか、自然と足取りが早足になる。どうして俺がこんな目に……。

受付のカウンターに着くと俺はエストニアさんをキョロキョロと探した。あれ? どこにもいない。

そう思っていると、カウンターの奥にある扉が開き誰かが出てきた。

そこから出てきたのは、一人の女の人だった。褐色の肌に背中まで伸びた黒くて艶のある黒髪。キリッとした目元に、筋の通った鼻、全てが綺麗に整えられた顔立ちだ。背もすらりと高く、スタイルは抜群である。いわゆる出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいるというところだろうか。

そんな超絶美人な女性であったが、俺はある部分で彼女が人間ではないのだということが分かった。

それは、耳である。普通の人間ではまず無いであろうというほど耳が後ろに尖っていたのだ。頭の後ろ側まで伸びたその耳は、なんとも特徴的な形をしていた。

そんな女性の後ろから続いてエストニアさんが扉から出てきた。


「あ、荒崎さん。戻ってきてたんですね」


「はい、今さっき戻ってきました」


そう言うとあの黒髪の女性はこちらを軽く一瞥した。何というか独特のオーラがあって少し威圧感がある。


「それじゃあ、エストニア。例の仕事の件よろしく頼んだぞ」


「わかったわ、それじゃあね」


そう短く言葉を交わすと彼女は俺の横を颯爽とすり抜けていってしまった。うーん……何なんだろうあの人。


「あのー、ところで荒崎さん」


彼女の後ろ姿を見ていたらエストニアさんに不意に話しかけられた。


「は、はい。何でしょう」


すると、エストニアさんは俺の後ろを指差して


「この子は一体どうしたんでしょうか?」


「あ、いや……そのー」


何て説明しようか考えて俺はあたふたしてしまった。全く本当になんでこんな目に……


「アヴッ!」


アヴッ! じゃねぇよ。

結局ここまでの経緯を説明するので少し時間がかかってしまった。エストニアさんも特に何か注意をするわけでもなくとりあえず納得してくれたようでよかった。

とりあえず一安心である。





しかしこの時、俺は気づいていなかった。後ろのテーブルに座っていた数人の男がコイツのことをじっと睨みつけていたことに。






という訳で今回もグダグダでした。少し短いかもしれませんがご勘弁を……

それにしても、このサイトに投稿されている他の方々の面白い小説を読んでいると自分の小説って大丈夫なのかな? と不安になると共に少し心が折れそうになります。そんなこんなで最近少しネガティブ気味な作者でした。

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