第六章 君がくれた勇気
ブラック企業で心を擦り減らしていた佐倉悠人。ある夜、ビルの屋上から転落した彼が目覚めたのは、争いのない穏やかな異世界だった。失った光を取り戻す、心温まる再生の物語
僕は、しばらくその場に立ち尽くしていた。
光がいた場所を、ただじっと見つめていた。
「光……」
声が、震える。
涙が、止まらなかった。
またいなくなってしまった。
また、一人になってしまった。
でも。
「君はもう、一人じゃないよ」
光の言葉が、頭の中で響く。
そうだ。
僕には、エリーゼさんがいる。村の人たちがいる。
この世界で出会った、大切な人たちがいる。
「悠人!」
遠くから、エリーゼさんの声が聞こえた。
「無事だったの!? 心配したのよ!」
息を切らしながら、エリーゼさんが駆けてくる。
その後ろには、村の人たちもいた。
「よかった……本当によかった」
エリーゼさんが、僕を抱きしめた。
「ごめんなさい、心配かけて」
「もう、無茶しちゃダメよ」
エリーゼさんは、涙ぐみながら笑った。
村の人たちも、口々に声をかけてくれる。
「無事でよかった」
「心配したぞ」
「これからは気をつけろよ」
その温かさに、僕の胸がじんわりと温かくなった。
光が言った通りだ。
僕は、もう一人じゃない。
こんなにも、僕を心配してくれる人たちがいる。
「ありがとうございます」
僕は、心からそう言った。
そして、ふと空を見上げた。
青い空が、どこまでも広がっている。
光はもう、姿は見えない。
でも、きっとそこにいる。
ずっと、僕を見守ってくれている。
「光、見ててね」
僕は心の中で、そう語りかけた。
「僕、ちゃんと生きていくから。笑って、前を向いて生きていくから」
風が、優しく頬を撫でた。
まるで、光が答えてくれたみたいに。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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畠山ゆな




