初めての海外旅行(4)
ハンバーグを食べている時、私は電話が鳴っている事に気づいた。しかし、大した事はないと考えて私は電話に出なかった。その時、霧浦が電話に気づき私に声をかけた。
「利弥、お前電話なっているぞ。」
「おう、霧浦ありがとう。」
「誰からだろう?ちょっと待ってて」
電話は彼女からであった。
「利弥!何してるの!今、電話大丈夫?」
「おう美香か、そんなに慌ててどうした。」
「利弥、落ち着いて聞いてほしいんだけど、利弥のお父さんが捕まったの。」
「ちょっと、それ本当か?母さんは?母さんから報告あるだろなぁ、おかしいだろ。」
「うん、そうだよね。でも、お母さんも事情聴取があってさっきまで警察署にいたらしいの。急な事で気持ちの整理がついていないから私から急いで電話したのよ。楽しい旅行中電話してごめんなさい。」
「母さんは?母さんは今出られないのか?」
「うん、ちょっと待ってて」
(英子さん...利弥君)
「利弥、あんた。美香さんとの約束を破ったでしょ。だから父さんは捕まったんだよ。」
「約束...あっもしかして、秘密についてもう調べてはいけないという事?」
「そうだよ。あなたが旅行中父さん言っていたのよ。(シベリゲムには行ってはいけない場所がある。利弥そこに向かっているのなら今すぐ止めたいって)」
「母さんその場所は.どこなの?...」
「そこは、アッサ・オリケウム公国の松杉院だよ。そこには、木恩にとって都合の悪い情報を保有してるの。だから、そこに行くと変えられなくなるって言っていたの。」
「えっ、、本当に?」
「うん、警察は匿名の通報で利弥がその秘密を探っているって話してたのよ。だから、父さんが」
「だからって、父さんが捕まるのはおかしいだろ。」
「利弥、あなたの父さんつまり利光さんのひい爺さんはね。いやこれは、電話で話すことじゃないね。ごめんなさい。利弥あなたの判断で帰国するかシベリゲムに留まるか判断しなさい。どちらにせよ危険はあるのだから。またね利弥いつか会えると信じているよ。」
「母さんまたどこかで。」
私は、電話を切って霧浦との食事を再開した。
「利弥どうした。そんなに険しい顔して...」
「霧浦、大変なことが起きたんだ。父さんが捕まったんだ。」
「おまっ、急いで木恩に戻らないとやべーやん。ってかなんで捕まったのか?」
「それが、俺が松杉院に行って国家の秘密に関わっている疑いがあるらしい。」
「なるほど。でもそんなの納得いかないよな。利弥お前は早く木恩に戻れ俺が通報した奴調べてやる。だから利弥は木恩に帰ってくれそうすればお前の母さんにも会えるだろう。」
「うん、木恩に帰られるならそうしたいよ。だけど、一応帰りの便は5日後。で変えることは無理だし、そもそもどうやって、通報者を調べるの?」
「たしかにもうお昼だから、すぐ予約しても乗れて明日13日の夕方の便かなぁ。移動時間もあるしちょっと時間かかるけどそれでもいい?」
「いいよ。んで、通報者はどうやって調べるんだよ。」
「通報者?あぁ、利弥には言ってなかったけど大学でIT関連を学んでいるんだよね。だからちょっとイタズラすれば分かっちゃうのよ。」
「なんだよそれ。気持ち悪いな。でも、ありがとう何から何まで霧浦がいなかったらどうなっていたことか」
「利弥、お前は本当に...」
「どうした?」
「いや、何もかも昔と変わらないなって思ってさ。」
「霧浦、お前もそんなに変わっていないけどな。」
「利弥、お前にだけは言われたくねぇ。」
そうして私は、昼食を済ませて霧浦に急いで飛行機を予約してもらい、空港のある。イラ王国のホテルに泊まった。そして13日になり朝食を済ませ、お土産を買って帰りの支度にとりかかった。帰り際に霧浦が
「お前、昼食べなくていいのかよ。」
「俺、金が無いんだよ許して。」
「別にいいよ。でも海外旅行に行くなら、もう少し予算確保しな。」
「うるさいな、別れ際になってまで説教かよ。」
「まあ、あんまり言わないけど気を付けろよ。」
「霧浦、お前もな。」
「あっ利弥これだけ、言わせて」
「ん?」
「秘密って理由があるから守るものなんだよって事だけ伝えたくてさ。」
「どうしたの急に。」
「いや通報者何となく特定できちゃってまだ確定していないから、あれだけど。」
「なんだよ、霧浦教えろよ。」
「分かった。怒らないでほしい。多分通報したのは、伊新 美香 お前の彼女だ。」
「う、う、嘘だ絶対にそんな事は無い。」
「でも、通話記録にはちゃんと残ってた。多分間違いない。確定次第、証拠データ送るよ。飛行機内で気持ちを整理して一度彼女と話した方がいい。」
「すごい残念だけどありがとう。じゃあ、そろそろ時間だからいくよ。霧浦またな。」
私は、なぜ彼女が通報したのか理由が分からなかった。私と交際して1年がたった今、僕は機内で彼女の行動を思い返すのであった。」
つづく