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私たちが残すべき記憶  作者: 箕宝郷
大陸調査
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切られてしまった見えない糸

 どのぐらい時間がたったのだろううか?目が覚めると私は治療室にいた。

「えっ、なんで僕はここに?」


「糸米!?目が覚めたのね無事で良かった。」


「サリーさんどうして僕はここに?」


「あなたが、伏せなかったからイマルク性物質を吸ってしまったのよ。」


「イマルク性物質?」


「この大陸の毒と言うべきね。もう、何も下調べしないでこの大陸に来たの?」


「サリーさん申し訳ないです。」


「ったく、気を失った時あんたが持ってたものちゃんとあるか確認して。」


「ありがとう、財布に...当時来ていた服...鍵に...携帯がありません。」


「携帯?あぁーあれなら処分したわね。」


私は同意なく勝手にスマートフォンを処分したサリーに堪忍袋の緒が切れてしまい。


「お前、勝手に何してんだ。」


「いや、あんたこそなんで携帯を持って来たのかあたしが聞きたいぐらいだよ。」


「ふざけんな。」


「まぁまぁ、2人とも落ち着いて」


「お父さん」「ヨーゼフさん」


「サリーも丁寧に説明しないと行けないだろ。糸米君にとっては受け入れがたい事かもしれないがここでは木恩製のスマホは禁止なんじゃ。木恩の秘密を守ろうとしている集団に何をされるか分からんからな。君の携帯の着信履歴を見たらその秘密を守る団体からの着信があった。」


「ですが、地元の友人とかに電話は....」


「すまんが、秘密が解明されるまで我慢してくれ」


 その瞬間私の感情は怒りから恐怖になった。木恩の国に帰りたく無くなった。もう誰が私を裏切ったのか分からなくなった。霧浦の警告を無視して連絡を断ち切られたのも無理はない。しかし、私は霧浦に対してどうしても納得できない部分もあった。

 私は美香の事を無条件に信用してしまったが、正しい判断であったのだろうか?美香が警察関係者であるとすればシベリゲムに行くことを必死にとめた事や、秘密について警察に密告したことなど辻褄が合うように見える。美香が裏切りものだとすれば美香が渡航する事を勧めたこの大陸は刑務所のような場所なのだろうか?頭では美香を疑いつつあった。しかし、彼女であるからか?心から疑うことは決してできなかった。不思議なものだ....

いつのころか霧浦が語ってくれたことを思い出した。「信念が正しいとは限らない、むしろ信念が正しい行いを妨害することもあると思うの。利弥君は行動力もあるけど行動する前に考えてほしいなー考えることは君を救ってくれるかもしれないから。」

私は何年も前に言われた言葉が時間差で突き刺さった。


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