家族会議
「父さん、無事かな心配だな。疑いが晴れるといいけど。」
「利弥、シベリゲムで何してたの?母さん利弥がシベリゲムに行くって言った時ちょっと心配していたの。償田大統領事件が起きた影響で政情が不安定になっている中で行って大丈夫かな?ってね。」
「ごめん、シベリゲムにはただの旅行で行った訳じゃないんだ」
「えっ、利弥君どうゆう事?」
「興味本位で国家の秘密を調査していたんだ。でも、そのせいで父さんは...」
「そう...利光さんは秘密に関わった家族として逮捕されたのね。落ち込んでいる暇はないわ。父さんが帰って来るまで収入が無くなるからこれからの事を考えなくちゃ。」
「利弥君、英子さん。ここからの話を聞くのはまずいので私は失礼します。」
「その前にごめん母さん。ちょっと美香にどうしても聞きたいことがあるんだ。ちょっと2人にさせてくれないか?」
「利弥いいよ。伊新さんここまで話に付き合ってくれてありがとうね。」
私と美香は別の部屋に移動した。
「利弥君、どうしたの?」
「あのさ、美香。その...」
「大丈夫?言いづらかったら無理しなくてもいいよ。」
「美香、僕が国家の秘密について調べていること警察に密告した?」
「えっ、ごめん何のこと?」
「僕の友人が言っていたんだ。美香が通報したから父さんが逮捕されたって。」
「利弥君、信じてほしい。私、そんな事していないよ。」
「僕だって美香の事信じたいよ。でも、送信記録も見せられたし、僕が国家秘密を調べていることを知っているのは美香しかいないんだよ。」
「酷いよ利弥君。私、やっていないって言ってるじゃん。なんでそんなに疑うの?そんな卑怯な事しないし...そんな事するくらいなら別れるしお願い信じてお願い。」
美香は泣きながら私に訴えていた。確かに美香の性格を考えると密告をするとは思えない。しかし、シベリゲム旅行を最後まで止めていたのは美香であった。美香はとても正義心の強い人であった。私が国家の秘密を暴こうとする行為がどうしても許せずに密告したのかもしれない。それでも美香を信じたい気持ちもある。私は複雑な気持ちでいっぱいだった。
「伊新さん。どうしたの?」
美香の鳴き声が聞こえたのか。母が部屋に入ってきた。
「ちょっと彼女を泣かせるなんて最低。利弥、ちょっとここから出なさい。」
久しぶりに母に叱られた。母は美香を見送ったのち私の元に来た。
「どんなことがあっても絶対に女の子を泣かせたり傷つけたりしたら人間として失格だからね。」
「どうもすみませんでした。」
「ったく、伊新さんにも謝りなさいよ。」
「さっきの話の続きだけど、母さん利弥にこれ以上辛い思いさせたくないからお金の心配とか気にせずに今まで通り生活していいからね。」
「母さんばかり負担かける事なんて出来ないよ。僕もバイトのシフト増やすよ。」
「利弥、ごめんね。」
「あっ、もうこんな時間。私、夕飯の支度するね。」
「母さん僕も手伝うよ。」
続く
ここまでご拝読感謝申し上げます。
いよいよ次回で「義心と疑心」最終回となりました。
最終回投稿時にもお伝えしますが、新章初投稿はカクヨムにて連載中である「過去編」と進捗を合わせるため少し間を開けて投稿いたしますのでよろしくお願いします。




