本番まで
「ちょっと、糸米君。昨日私の事からかったでしょ。」
「いや、そんなからかってないよ。」
「じゃあなんで、無言電話なってしたの?」
「えっ、俺そんなことしていないよ?」
「嘘つかないで、ちゃんと履歴残ってるから。」
美香からスマホ画面を見せられると、確かに2分ほど通話履歴が残っていた。(えっ、そんな記憶ないなー)と思いながら自分のスマホでも確認すると確かに自分から美香に電話かけていた。多分半分寝ていてウトウトしている状態で通話ボタンを押したのだと思う。なんてことをしてしまったんだ。俺は
「伊新さん、これは誤解だよ信じて。間違えたんだって。」
「間違って押しちゃったのは分かるけど、謝って欲しかったなー」
「うう、伊新さんごめんなさい。」
この日は元気が出なかった。家庭の件といい。美香を怒らせた件といい。私は、いいバイト先がないか相談しに行ってた。
「お前がバイト先の相談するなんて珍しいな。」
「いやーちょっと家庭の事情があって。お願いしますよ鈴佐先輩。」
「はぁ、俺はな大学入ってからの4年間ずっと同じところでバイトしてるんだよ。だから、あんまわかんねーや。ごめんな力になれずに。」
「大丈夫です。逆にすみませんでした。」
「あっ、あいつなら詳しいんじゃない?」
「えっ誰っすか?」
「冷玖須。あいつ、遊びまくって金遣い荒いけど金に困っている様子ないからな。」
「えー冷玖須先輩ですか?正直めんどくさく無いですか?」
「あれ?どこかで...あぁ文化祭実行委員でか。まぁあいつはそうゆう所あるからな。でも一回聞いてみた方がいいよ。意外と話しやすいからさぁ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
私は乗り気ではなかったが、とりあえずいいアドバイスが聞けると思い冷玖須先輩に相談することにした。冷玖須先輩は屯って何か話していたが割り込んで話しかけた。
「すみません。冷玖須先輩。」
「ちょっごめんな。呼ばれたわ。おう、なんだい?確か名前は...」
「糸米です。」
「あぁ、実行委員の。んでどうした?」
「あのー先輩いいバイト先教えてもらえないですかね?」
「おい、おい、急にどうした?そんなん自分で調べろよ(笑)」
「そうなんですけど、家庭の事情でちょっと高収入バイトを、探さなくてはいけなくて。」
「あぁ、そうゆう事ね。分かった。力仕事は大丈夫?」
「はい、大丈夫です。」
「よし、それじゃ今の俺のバイト先紹介するよ。ちょっとキツイけど時給高いからさぁ」
「ありがとうございます。」
「んでさぁ、お前には感謝してるよ。」
「冷玖須先輩こそ急にどうしたんですか?」
「いや、伊新お前と関わるようになってから人間ぽくなったというか?愛嬌無くて、つまんない伊新にそんな一面があったなんて俺見直したよ。」
「冷玖須先輩あんなにいじめてたのにですか?」
「おい、もういじめないからやめてくれよ。」
「んまぁ、先輩ってツンデレってことですね。」
「それお前に一番言われたくない言葉だから。」
冷玖須先輩にも優しい所があるのだと感じた。そろそろお昼の時間なので、昼食を取ろうと食堂に向かった。
続く




