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私たちが残すべき記憶  作者: 箕宝郷
義心と疑心(ぎしんとぎしん)
10/30

祭恋5

 グループワークのお題は各学部の出し物の候補を決める事だった。ある3年生の先輩の意見により班のメンバーは同じ学年で構成された。これは、同じ班内に先輩がいると班内で話が進まなくなるのではないかとの懸念があったからだった。グループワークが開始されて40分ほどが経過した後、各班の意見がまとまったところで、第二回の実行委員会は終了した。実行委員会の片付け作業中、美香はずっと下を向いていた。

 片付けが終わった後。私は、宝ケさんと太晴に「あのーちょっと、伊新さんと話したいことがあるので、2人にしてもらっていいですか?」と言った。宝ケさんは何かに気づいた様子で「ふーん、分かった。糸米君、伊新さんにずっと何か言いたそうにしてたもんね。いいよ。」と返した。太晴は不思議そうにしながら「分かったよ、ただお前いくら伊新さんが嫌いだからと言っていじめちゃダメだからな。」と言って宝ケ と屑南の二人は部屋を出て行った。

 美香はとて不思議そうな様子で「糸米さん。珍しいですねどうかしたのですか?」と言ってきた。私は冷玖須先輩の話をすると美香は傷つくのではないかと心配していた。しかし、当時私は美香のことをそんなに良く思っていなかったので、別にストレートに美香に言って傷ついても問題ないと思い私は美香に話した。

「あの、伊新さん。演劇部の先輩の事なんですけどちょっと気になってたことがありまして今話しても大丈夫ですか?」


「うん、いいけど」


「あの、文化祭実行委員の冷玖須先輩の件なんですけど、ちょっと気になったことがあったのです。冷玖須先輩は、伊新さんと演劇部に入っていると思うんですけど実行委員会終了後に他の演劇部の先輩の会話が耳に入ってきてしまったのです。その内容が伊新さんを文化祭実行委員長にして忙しくさせることで、演劇部から追い出そうとしてたんです。私その件以降冷玖須先輩のことが許せなくて伊新さんに報告しました。」

私はついに、冷玖須先輩のことについて話してしまった。緊張していたこともあり、美香と目を向けて話すことができなかった。でも、美香は少し呆れた様子で「そんな事は知ってますよ。私もそこまで鈍感ではないので...でも、大丈夫です。自分で何とかしますから、ほっといてください。」と美香は返事をした。

私は思わず「伊新さん。何で強がるんだよ。冷玖珠先輩が許せないそれだけなんだよ。お前を心配してるわけじゃなくて、冷玖珠先輩に痛い目を見せたいから実行委員じゃないけど仕事を協力したいだけなんだよ分かる?」

とキレながら強がっている。伊新さんに怒ってしまった。美香は泣いてしまい、つい私も「ごめんなさい、伊新さんつい怒ってしまった。と謝ったが、美香は

「うん、ありがとう。正直、糸米さんがこんな言葉聞けると思ってなくて嬉しかったよ。」


「いえ、こちらこそちょっと言いすぎてしまいました。でも、実行委員の仕事少し手伝いしてもいいですか?」


「うん、もちろんいいよ」


「おっ、んじゃ、次の委員会から手伝うよ今日はもう遅いし帰りますか」


「糸米君。今日はありがとね」


 私は美香の意外にも強がってしまう一面があることに気づいた。そして糸米君って呼ばれた時にほんわり胸が暖かくなるのを感じた。


続く


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