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※なるべく縦書きでお読み下さい。
三人組が放置した遮光器土偶メカは、彰善があれこれと調査研究を行った後、農村の役場前に運ばれ展示された。左足のみ爆発にて欠損し、まさに東北亀ヶ岡の遮光器土偶そのままである。
これを、“タマキンのブラブラ日本男児Ch.”にて公表したところ、たちまち大勢の見物客が押しかけて大いに賑わった。村の歴史始まって以来の大盛況だ、という。
土偶メカの傍らには屋台が幾つか立ち並び、土偶まんじゅうと土偶焼酎が飛ぶように売れた。駅でも、土偶弁当を売り出そうかと検討中らしい。
さすがに土偶しいたけは全然売れず、すべて近所の道の駅の、特産品売り場へ持ち込んだ。それでも売れなければ、草◯学会員が何とかしてくれるに違いない。
縄文文書を収めた土器は、金作宅を新築するまでの間ということで、某所へと隠した。
動画でもその旨公表したため、県教委にしろ謎三人組にしろ、今更強奪しに来ることはないだろう。一連の騒動は、ひとまず落着かと思われた。
なお、件のブツについては、
――“縄文文書”じゃ発音しにくい。
という苦情が多数あり、皆、いつしか、
――タマキン文書
と呼ぶようになった。




