第二話「お邪魔します」
玄関のチャイムが鳴り両親が帰ってきたのかと少女は急いで玄関の前に立つ。
だが、ゾンビかもしれない、そう恐怖と期待が入り混じる中、少女は不安と戦っていた。
「お父さん?お母さん?」
「………」
無言だ、やはりゾンビなのだろうか。
そう思い少女は玄関から離れようとすると声が聞こえた。
「私はゾンビだ、君を救いに来た」
「え?」
どういうことだろうと少女は考えた。
ゾンビが助けに来る?しかも私って一人称だから女の子?いやいや、ゾンビに意識がある?
あまりの暑さに疲れてるのかなと少女は思い離れようとすると突然お風呂場からガラスが割れたような音が聞こえた。
お風呂場は小窓になっておりそこだけはシャッターとか付いていない。
しまったと思い少女は急いでお風呂場へと走る。
「やばい、やばいやばい」
以前に掃除をしワックスをかけた廊下を走り少女は曲がり角を曲がりお風呂場へと到着するとそこには窓が割れガラスが粉々になってた浴槽へと出くわした。
その音に気付いたのか、外にいたゾンビたちが集中してこちらへ向かってくる。
「何とかして塞がないと!!」
だが、割れた小窓の下はガラスが散乱していてすぐに塞ぐことは出来ない。
靴を履いたとしても怪我をしそうだ。
どうしようと困っていると浴槽の奥にうずくまってた影が動き立ち上がると少女の目の前に悲劇が起こった。
黒髪のロングヘア、腕に刻み込まれてる大きな傷跡、汗でベタベタになった髪の毛。
これはまさしくゾンビだと思うと少女は命の危険を感じた。
「やばい」
「あぁぁぁあ、うぅぅぅぅ」
外からゾンビたちの声が聞こえ小窓に集中して寄ってきていた。
「どうしよう、どうしよう」
もう終わりだと少女は思うと突然女の子の声が聞こえた。
「早く!!そこにあるお風呂の蓋を渡して!あとガムテープも!」
「えっ」
「早く!!」
突然目の前にいるゾンビらしい女の子にそう言われ少女は戸惑った。
だが、少女は状況を察知し、すぐさまお風呂の蓋を渡す。
ガムテープも廊下に置いてある固定電話の近くにあったのでそれも渡した。
「ありがとう、ちょっと待っててね」
そうゾンビらしい女の子が言うと先程渡したお風呂の蓋は小窓に塞がりガムテープも周囲に張り付けていく。
時折、外でゾンビのうめき声が聞こえ、ドンドンと塞いだ小窓にタックしていた。
「このまま保てれば良いけど。ねぇ、接着剤とかない?強力のやつ」
「…確かあったと思うけど」
「それ持ってきて!」
「う、うん」
少女はお風呂場から離れ接着剤はどこにあるか考えた。
確かあそこだと思い急いで向かう。
二階にあるお父さんの部屋に入ると少女は引き出しから接着剤を見つけた。
すると横に黒い鉛のように重い物を見つけ少女は手に取った。
前回の更新からだいぶ経ってしまいましたが頑張って書いてみました。
これからこの作品も書いていけたらいいなーと思ってます。
それでは。