第一話「ゾンビ世界の嫁になる」
20XX年、人類は謎のウイルスによりゾンビ化した。
テレビではその解説を行っていてゾンビに噛まれたら感染してゾンビになるというのだった。
また、シェルターなどもなく、避難場所もないという。
とにかく安全な場所にいてください、ただそれだけであった。
×〇市、ごく普通の一軒家であるそこの家にはある少女がシャッターを下ろし、窓ガラスが割れそうな場所には板をはめていった。
「……っ、よし。これで大丈夫でしょ」
8月の真夏の炎天下により思考より体力が奪われる。
「暑い。でも、対策だけは何とかしておかないと」
ウァァァァァアァァァァ。
「やばい、音で気づかれたかな」
急いで家の中に入り鍵を閉める。
低くてうめく声が外から聞こえる。
「早くどこかに行って」
がたんがたんと玄関に体当たりする音が何度も聞こえ、だんだんと遠のく。
「行ったかな?」
少女は安心し、テレビを再び付け情報を得ろうとする。
現在、この家には女の子一人であった。
両親はというと、この騒ぎが起きる前仕事場から帰ってこない。
多分もう生きてる可能性はないだろう、そう思いあきらめてた。
「お母さん、お父さん、私この家を守るね!」
リビングの棚に置いてあった両親の写真を見てそう強気込んだ。
そして、ソファに座り込み、ぱたんと横になった。
「暑いー」
エアコンを付けたくてたまらなかったが、故障していたので付けられない。
業者にお願いしたくてもゾンビ世界じゃ業者も生きてるか分からない。
困ったと悩んでると玄関のチャイムが鳴った。