73話
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73話
「お店についてきてほしいのです」
「なんじゃやぶからぼうに」
レインがうちに来ている。
どうやら急なお願いがあるらしいが、それがこれか。
「チーズのお店に、ついてきてほしいのです!」
「チーズ……まあよいか。寧もいくかの?」
「いや、私は先約があるから。2人で楽しんでらっしゃい」
というわけで、ふたりで店に向かうことにした。
「ビールなのです!」
「ほう、ビール飲めるんか」
「たまにしか飲まないのです。ワインが1番好きなのです!」
「ワシは……コーラでよいかのう」
まず飲み物を注文し、それからメニューを眺める。
「チーズじゃのう」
「チーズ!なのです!」
店員さんを呼び、注文を済ませる。
本当に、チーズばっかりだ。
「来たのです」
「うお、すごいのう……」
まず1品目として、ベーコンとソーセージが来た。
どっちも大きくジューシーで美味しそうだ。
が、これはこのまま食べるわけではない。
目の前で、ラクレットチーズが焼かれている。
チーズの焼ける音と匂いを感じながら、少し待つ。
ラクレットチーズの焼けた表面を、ベーコンとソーセージのうえから流しかけられる。
「うおお、チーズじゃ」
「すごいのです!チーズの海なのです!」
ベーコンとソーセージが、チーズに埋もれる。
これは凄い。暴力的なまでのビジュアルだ。美味いに決まっている。
「いただきます……うおお、美味い!見たらわかると思うたが食うとさらにクるのう!脂が美味い!」
「ふおお濃いのです!チーズも勿論美味しいのですけど、ソーセージもベーコンもしっかり塩味が強くてチーズとめちゃくちゃ合うようになってるのです!」
「はぁー、ジューシーというかもう脂のジュースじゃの。コーラが進むわい」
「び、ビールが足りないのです!」
やはりチーズは味覚への暴力が凄い。それを再認識させられるような料理だ。
2品目は、ステーキだ。
「これだけで食いたいが」
「ソースがチーズなのです。さっき程ではないのです?」
赤身のステーキだ。
チーズソースと、和風ソースとの2種類ある。
どうやら口直しのような意味が大きいらしい。
「しかしちゃんと美味いのう」
「赤身なのですけど、肉のジューシーさが溢れてくるのです!美味しいのです……!」
やはり肉は最強。わかってはいたが、どこで食べても肉は美味いものだ。
3品目、最後はチーズサラダ。
シャキシャキのレタス、オニオン、パプリカ、トマトに、クルトン、パルメザンチーズ、チーズドレッシングが乗っている。
「さっぱりするのう。チーズも盛りだくさんじゃが、サラダ感を損ねておらん」
「脂をあまり感じないのにチーズの濃厚さがぶつかってるのです!このサラダ大好きなのです!」
チーズドレッシングが良いのだろう、全体がちゃんと纏まっており、クドさや水っぽさはまったく無い。
「んふー、2人からしかこれないところだから、ちょっと様子見していたお店だったのです。やみちゃんと来れてよかったのです!」
「んむ、ワシも美味いもんが食えてよかったわい。またいつでも呼ぶといい」
「はいなのです!次も頼るのです!」
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