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56話

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56話


「アリスからメールがきとる。あやつ、もう文字おぼえたんじゃなー」


「……そういえば、みんな日本語話してるよね?あれ?なんで?」


「……? ああ、そうじゃな、当たり前に話してるから忘れとった。説明しようかの」


むかしむかし、あるところに、新米神様がいました。

新米神様には、推しがいます。すでに存在する世界の一地方に携わった神様です。

地球という星の、日本という国の伝説の神様。

それはもう最推しなのでした。


いずれ新米神様は、自分の世界を創れるようになるまでに出世しました。

そして、決めたのです。

「この世界で使われる発語は、全て日本語にしよう」

言葉を発せる生き物は、全て日本語で話すように。そうお決めになられたのです。

めでたしめでたし。


「そんな感じじゃ。字は国々でちょっとずつ違ったりしたのじゃが、まぁ大元が日本語じゃからな、こっちの文字も覚えやすかったわい」


「はー……なんか、え、神話だよねそれ?そんな感じなんだ……ちょっと親しみやすさありすぎじゃない?」


「ま、世界の8割が主神様の信徒と言われておるし。ワシもレインも、王家ならアリスもそうじゃろうな。親しみやすさを押し出した教本もあるんじゃよ」


「残りの2割はなに?」


「……ワシらは邪神と呼んでおるが、なんというか、我らが主神のおる部署の別部署のモノ……みたいな感じの神の信者での、ちょっと、まあ、複雑なんじゃよ」


「うわ、完全な敵じゃないぶんめんどくさそう……」


「そうなんじゃよな……主神様は大変そうなんじゃよ……まぁワシらで手伝えることなんぞないし、祈ることしかできん」


「そういえば勇者に襲われたとか言ってたけど、それは?」


「んむ、普通の勇者なら我らが主神様の加護をもっておるし、それは『邪悪特攻』やら『邪悪属性無効』やらで、世界の腫瘍たる魔王のみを駆逐するためのものなのじゃが、ワシが斬られかけたのは『魔族特攻』、明らかに魔族を潰す意図があったのじゃ。しかも勇者も正気を失っておった。慈悲深き主神様にはありえないことじゃ」


「うーん、これが物語とかなら、たとえば世界の乗っ取りとか、魔族を滅ぼすなら人類史上主義とか、いろいろありそうね?」


「……言われてみれば、今のところこっちに来てるのは……ワシとレインは人間種ではない強者、アリスは勇者の暴走を止めようとした者、ユイはなんじゃ、まぁ強者かのう。やはり邪神には都合の良くないものばかりか?」


「リンは?」


「キュイ?キュゥ」


「うーむ…………こやつは関係ない、か?ならばワシらもあんまり関係ない?異世界に飛ばすつもりはなかったのかのう?やはり穴の問題か?……まぁよいかそんなことは。なんじゃったか。日本語を話す理由はそういうことじゃな、文法はほぼ同じじゃから覚えやすいし、あとは漢字さえなんとかなればこっちでもやっていけるのじゃ」


「ふぅん。ま、異世界の主神様が日本の神様のファンなのはわかったわ。……アニメとかも好きそうね」


「アニメのう。たしかに、経典には娯楽を楽しむべしと書かれておるし、いわゆるサブカルチャーも好きじゃろうなぁ」


「いっぺん会ってみたいわねぇ」


「……一応、我らの主神じゃぞ?上位存在じゃぞ?」


「だって、神に近いっていう大魔王様がコレだから」


「コレとはなんじゃ!!」

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