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51話

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51話


「ところでやみちゃん、アリスちゃんってね、デザートつくるのがものすっごく上手だったの!」


「ふむ?第1王女様がデザート作りとな……?」


王族といえば侍女やらなんやらに全てを用意されるもので、物作りなどしないのでは?と大魔王様は思っているのだが。


「刺繍、料理、お菓子作りに紅茶の淹れ方、上流階級の嗜みですわよ?わたくしはお菓子作りが一番得意でしたの!」


「んーむ、ワシの知っとる価値観は別の国なのか、古いのか……偏見は良くないのう」


「で!そのデザートをちょうど冷やしてるところだから、やみちゃんも一緒にどうかなって!そのうち配信とか動画にもしようと思うんだよね!」


「そういうことならしっかり味あわせてもらおうかの。楽しみじゃ」


「本日は、いちごのタルトですわよ!こちらの世界のレシピを勉強してる最中ですの。わたくしの知ってるものとは、砂糖から違うんですの、毎日のお勉強が楽しいですわ〜!」


「あまりにも芸術的で綺麗だから、配信でもみんなに見せてあげたくて!もし当分帰らないなら、いちごの出す予定のお店にもメニュー並べられないかな〜って……ね!」


「そこまで賞賛するとは……はようもってくるがよい、気になって仕方がない」


「んじゃ、一旦まっててね!」


「おまたせ!切り分けずにもってきたから、各自好きなように取り分けてね」


「うお……芸術じゃ……いちごが模様になっておる。バランスが美しいのう……ナパージュの加減も絶妙で、液体感無くほどよい透明感が感じられるのじゃ。タルト生地の焼き加減もなんとまあ色が良い……凄いのう」


「お褒めに預かり光栄の極みでございますわ。家主であられるいちご様の名を冠する果物、その目利きから全力で制作させていただきましたの!わたくし史上、最高傑作でございますわ〜!」


「うんうん、制作中から横で見てたけど、ほんっとに手際もよくて!機器類も一回教えたらすぐ使えるようになるし、凄いんだよ!」


「見目も好い、頭も良いとはのう。王族は皆そうなのか?しかしまあ、肉料理のいちごの元に菓子作りの者がやってくるとは、ほんに良い巡り合わせじゃのう。では、いただこうかの」


「いちごもまだ味見もしてないからね!気になる〜!」


「わたくしも、確実に美味な自信はございますが……いざ、実食ですわ〜!」


パクリ。

モグモグ。


「美味いのじゃー!!」


「おいし〜〜!!」


「美味しいですわ〜!!」

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