43話
よろしくおねがいします。
43話
「今日もありがとね!コメントも盛り上がってよかった〜!」
「こちらこそ、美味しいもの食べさせてもらってのう。ありがとうの」
「うんうん、美味しかったよね〜!!お父さんにも言っておくね!」
無事にコラボ配信がおわり、夕方時。
ふたりは後片付けをしながら、のんびりと雑談をしていた。
「そういえばリンちゃんは元気?」
「んむ、いつも通りじゃな。最近は魔力を食う量も増えてきた気がするのじゃ」
「うんうん、元気そうでなにより。それで、ちょっと相談というか、話があるんだけど……」
「ん、なんじゃ改まって」
「……とりあえず、見てくれないかな?倉庫にあるんだけど」
「んむ、参ろうかの」
いちご宅の庭の端にある、車が2台は入りそうな大きな倉庫。
その中に立ち入り……大魔王様は、絶句した。
「嘘じゃろ」
「こ、これってさ、そういうことなのかな」
「ラビリンスワームじゃ……これは……どないすりゃええんじゃ……?とりあえずレインにも連絡しとくれ」
「ん、今朝連絡して、多分そろそろ来ると思うんだけど」
「ここには入っとらんよな?」
「うん、さすがにね……そんなにおおごとになりそう……?」
「うーん、半々じゃな。世界が変わるか、なにもないか、じゃ……いやしかし、嫌な想像ほどよくあたるのう……」
倉庫の半分ほどを占領する、入口の盛り上がった大きな洞穴。
穴の向こうは漆黒で、先になにがあるかまったく見通せない。
異世界では、富と名声、そして血と絶望の象徴だった、世界最大の神造生物、ラビリンスワーム。
いわゆる迷宮ダンジョンが、こちらの世界にやってきたのである。
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