表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/78

38話

よろしくおねがいします。

38話


「ピクニック、楽しかったのじゃ……」


「楽しかったねぇ、秋にもいきたいかも」


「紅葉狩りじゃぁ……」


「溶けてるわね……」


3人でピクニックに行った翌日、大魔王様は溶けていた。

楽しかった日の記憶が鮮烈なうちは、だいたいこうやってロスで溶けるのだ。


「今日はもうなんもせん。全部明日やるのじゃ」


「まあ、やることないし……買い物も明日かなぁ」


「ピクニック……お弁当美味しかったのじゃあ……」


「おにぎりつくってあげるから、テレビでも見ときなさいな」


「助かるのじゃ……」


台所に行った寧をソファから見送り、リモコンでテレビをつける。

ニュース、バラエティ、色々やっているが、どれも別に興味がそそられるものではない。


「なんぞないかのう」


チャンネルを切り替えていると、ひとつ、面白そうな番組があった。


「ほこてん……歩行者天国?仮装パーティかのう?ほお、いろいろおるなぁ……魔物の仮装なんぞもあるんか。なんの意味があるんじゃ?ほお、騎士やら魔術師の仮装も…………ありゃ?」


ほこてんを眺めていた大魔王様。

ひとつ、とてつもなく気になる人物を発見。


「いやいや、他人の空似ってやつじゃ。おるわけない。あやつは転移どころか魔法も使えんかった。……おるわけ、ない、事もないのか、ワシがおるんじゃから……いやいや」


ほこてんで、見覚えのある顔を見た。

前の世界の、屋敷の使用人。

魔族でありながら、魔族の特徴をなにももっていない、魔法も使えない、不思議な子。

研究対象として、そして屋敷の非魔法衛兵として雇った、戦争孤児。


「ユイ……いや、違う。あやつは……いやでもあの雰囲気は……」


テレビの向こうでは、カメラを向けられた『ユイ』が、満面の笑みでダブルピースをしていた。

★5評価やブックマークなど、どうぞよろしくおねがいします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ