36話
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36話
おにぎり。
炊いた米を、手で圧縮して食べやすく形を整えた食べ物。
三角、俵型、ボール型、形は色々あるが、共通しているのは『食べやすい』ということ。
そして、大事なのは、具だ。
おにぎりの中には、具を詰め込むことができる。
その具だが、これが問題なのだ。
「一番は梅干しかの?」
「明太子じゃない?」
「いや、昆布も良いのう」
「あ、ツナマヨも美味しいのよね」
大魔王様と寧、絶賛買い物中である。
8月も下旬、暑さもややマシな日が増えてきたので、そろそろピクニックでも行こうかという話になった。
ピクニック。お弁当なんかをもって、どこか自然の豊かなところに遊びに行くのだ。
今回はいちごがイチオシの場所に連れて行ってくれるらしいので、お弁当の中身を分担してつくる事になった。いちごは肉系のおかず担当、大魔王様はおにぎり担当、寧はそれ以外の魚や野菜などのおかず担当だ。飲み物は各自好きなものを、である。
「気を衒ったものも置いておきたいのう。なんぞ……ないかのう?」
「うーん、おにぎりってなんでもいけそうよね。天かすに麺つゆとごま油で、悪魔のなんとか、って言うのもあるし」
「悪魔の……まぁ大魔王と悪魔はちょいと違うが、それもアリかの」
「あとは……まあ、ごはんに合えば全部合うわよね」
「うーむ、皆の度肝を抜きたいが、美味いものでないといかんのじゃ。そして美味いものは大抵すでに開発されておる……開発を生業にしとるものは、この時代は大変じゃろうなぁ……」
「そうねえ、大抵はもうあるもんね。あ、ナス安い……」
「焼きナスもいいのう……」
「焼きナスおにぎり、多分聞いた事ないかも」
「む、それでいくのじゃ!新開発じゃあ!」
「ああ、焼きおにぎりも食べたいなあ」
「明日が楽しみじゃのう」
余談ではあるが、焼きナスおにぎりはすでにネット上にはいくつもレシピがある。美味しそう。
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