表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/78

35話

よろしくおねがいします。

35話


「キュイ」


「お、もう飯の時間かの。おいで、好きなだけ食うのじゃ」


「キュイ!」


トゥルーカーバンクルのリンは、毎日、大魔王様から魔力を食っている。

通常のカーバンクルは果物や野菜、たまに自分の額にあるものと同じ宝石を食すのだが、トゥルーカーバンクルの額の宝石は『純魔石』、つまり魔力の純粋な塊。そして、その純魔石は、込められた魔力の性質で、石の内部に渦巻く色が変わる。


「やはり紫と黒になりよるなぁ。たまにはレインのも食わせんと、綺麗な色にはならんのう」


「私は黒も好きだけどね。純白の毛並みに、漆黒の目と宝石、かっこよくない?」


「寧が言うならよいかの……」


「キュイ」


トゥルーカーバンクルの生態は、わかっていないものが多い。なにせほぼ伝説の生物なのだ。エルダードラゴンや神話生物並だと思ってもいいほど。大魔王様たちが最初の飼育者ということでほぼ間違い無いだろう。


まず、食性は、先程の通り、魔力。

トゥルーカーバンクルがそうなのかはわからないが、少なくともリンは大食らいで、毎食ごとに大魔王様の魔力の1割をもっていく。これは、前の世界で言うところの、普遍的な宮廷魔導師5人の全魔力分程度だ。多少の差異はあるが、中々の量だと言って問題無い。


続いて、行動について。

カーバンクルは寝るが、リンは寝ない。

毛が抜けることもないし、体が汚れる事も無い。排泄もしない、水を飲むこともない。

風呂はたまに、寧とはいっている。単純に気持ちいいのだろう。

そもそも、生物としての成り立ちが違うのだ。


向こうの世界には、2種類の生物がいる。

『神造生物』と『自然生物』だ。

『神造生物』は、その名の通り、神が創造した生物。自然に依らない、むしろ自然を造り操るような生物。フェアリーやトゥルードラゴンがそうだ。

『自然生物』は、その神造生物から生み出されたものや、神造生物を取り巻く環境から発生した生き物。こちらは、我々の知る生物に近い。

ちなみに人間は、神造生物派と自然生物派がいる。大魔王様は、魔族、エルフ、人間、全て自然生物派で、大元は伝説のエクスマキナと言われるものではないか……と考察している。


話が逸れたが、カーバンクルは自然生物、トゥルーカーバンクルは神造生物だ。


そして、神造生物は、造られた『理由』があるという。

トゥルードラゴンは天候の制御、フェアリーは自然の調律、など。

では、トゥルーカーバンクルは?この子達は、如何なる理由で生み出されたのか。


「……かわいいが必要じゃったんじゃろうなぁ」


「キュイ?」

★5評価やブックマークなど、どうぞよろしくおねがいします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ