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26話

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26話


翌朝。


「ではな、また明日にでも家にお邪魔させてもらうからの」


「うん、相談乗ってくれてありがとう!!猪突猛進、これからもがんばります!」


「スピード違反で捕まらんようにな〜」


いちごを玄関で見送り、家に1人。

大魔王様は、なんとなく、寂しい気持ちを抱いていた。


「……ま、最近ずっと誰かとおったからのぉ」


今日一日くらいは1人でのんびりと、静かな時間を過ごしてもいいだろう。と、そう考えている。


「積み本を消化するか、切り抜き動画をつくるか……暑いよって外はでたくないのう」


外は依然酷暑。食材はいくらかあるので、買い物も急がなくて良い。


「ひとまずアイスを食おう。アイスじゃアイス」


大魔王様、まずは腹ごしらえから始めることにしたようだ。


アイスを食べてひと段落、次にする事を迷っている大魔王様。

腹ごなしに魔法の研究をすることにしたようだ。


「うーむ、日常で役に立つ魔法じゃな……日常の不便……不便……なにかあるかのう」


不便に思ったという記憶は多々あるが、いざなにが不便だったか思い出せと言われると、なかなか思い出せない。いや、絶対なにかあるのだけれど……と、数十分悩む羽目になった大魔王様。


「暑さ対策に寒さ対策、荷物の重量対策、調理の補助、衣服やらの汚れの除去……大抵は対策したからのう、あとなにがあるんじゃ」


またさらに数十分、腹ごなしにはじゅうぶんすぎる時間悩み続ける大魔王様。

……そこに、ひとつの影が落ちる。


「……ん?なんじゃあの黒いのは…………ッ!!虫じゃ!虫……Gじゃ!うわぁぁあ!ジェット、ジェットはどこじゃ!台所じゃ、あ……通れん……どうすれば……魔法じゃ!魔法を編むのじゃ……!!室内で使えて、家に被害を出さず、虫のみを始末する……それも形を崩さぬように刈り取れる魔法……!ジェットを参考に、編みだせ、殺虫成分は難しいじゃろ、火は当然ダメ、冷気か?強い冷気をいっきにぶつける!家にも被害はないじゃろ!よし……詠唱じゃな、なんじゃ……なんでもええか!震えを止めた空気をこれくらい用意して正面に放て!エターナルフォースブリザード!!」


「やったのじゃ……!?」


カサカサ…………


「なんで生きてるんじゃ!!!!!!!」


ピョン

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