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ボッチパーティー  作者: 巧レ以
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最終章(ファイナルシーズン)


うわあーー!ほったてレストランが大混乱!もうみんな食事どころじゃない、攻めてきた魔精の群れを駆逐し始めたよ!うわうわうわ忙しい!どこ向いても敵だらけ!強くはないけど痛っ!くぅー多勢に無勢だ!倒しても倒してもきりがないよー!



「みんな!神殿へ!神殿に避難してー!!」



声でか、ママさんだ!そっか神殿!不可侵の聖域だ、あそこなら敵は入らないはず!逃げろ〜!




はぁ…はぁ…


あーやばかった、まるで嵐みたいだったな、ひどい目にあったよ…

いちおぅここにいたら無事っぽいけど…んー、出られないじゃん。どうすんのこれ…


ネコの人でも見とこ。じーー。



「なに?にらめっこかニャ?むーん」


「違います。なんかボクの方から毎回毎回どうしましょうかーって聞いちゃってるんで、たまにはナマエさん発信でなんか言ってほしいなーって思って」


「それほとんど『どうしましょうか』って言ってるようなもんニャw

たまには自分の意見を言ったらいいニャ、オマエサンはどうしたらいいと思うかニャ?」


「ボクですか?そうですね、そりゃまあここでじっとしてたってラチがあかないので、思い切って飛び出して魔王城目指すしかないんじゃないでしょうかっ!」


「お、良いこというニャ!よーしいってらっしゃいニャ、お土産よろしくニャww」


「でたそのパターン!えーナマエさん行かないんですか〜?」


「今日はもうヤクが切れたニャ。いろいろ準備して後日行くニャ。あ、オマエサンは気にせず特攻したらいいニャ、止めないニャ」


「ヤクって…回復薬とか強化薬でしょ。ナマエさんが行かないんならボクも行かないですよ。正直今日はもう疲れたし、やっぱり後日にしましょう。ね、おふたりも、今日は解散しましょう」


「ワタシゃ自分の城に帰るヨ。こんな人間だらけのところじゃ落ち着かないったらありゃしない!魔精くらい蹴散らしてやるサ、フン!」



行っちゃった…



さて、ボクらは神殿に軟禁されちゃったかんじなんだけど…まあ、実は神殿ってわりとなんでもあるからそこまで不自由しないんだよね。

エンプちゃんがうろうろしてるから話しかけたら食べ物とかくれるし、奥には共同の簡易工房もあるし。個室とかベッドはないから衣食住の住だけないけど、お風呂とかトイレっていう概念もないし、問題なくゲームできるんじゃないかなあらシードルさんだ。



「…うう…」


あー半泣きロリちゃん…よしよししたい…

神殿の出入り口じゃなくて、後ろから現れたってことは…やられちゃったんですね。



「お、おかえりなさいシードルさん…大変でしたね。大事なものは落としてないですか?」


「うん、平気。魔将石はちゃんと持ってる」



デスペナルティでね、死んだらアイテムとか資源とか失くしたりレベルが下がったりするよ。



「最初の方は大丈夫だったの。魔王城に近づいたら強いのに囲まれて…」



いくらひとりとはいえシードルさんが数分でやられるなんて、やば…

今日のところは神殿で大人しくしてた方がいいみたいですね。









それから数日が経ったよ。


SNSの情報だと、おそらく全プレイヤーが神殿に拠点を移したみたいだよ。街とか橋とか畑は魔物や魔人にめちゃくちゃにされたらしい。

バトル好きな冒険者たちは神殿とフィールドを細かく往復してどんどんレベル上げて魔石を貯めてる一方で、異世界バーチャル生活をまったり楽しんでる人たちはこのゲームを辞めていってるんだって。

なんかもう魔王を倒すとか倒さない以前に、環境が変わりすぎて以前の『リンクルーツ』からかけ離れちゃったなぁ。ゆとりがなくなって、殺伐としてるかんじ…

最後の四天王を倒したところで今までの生活は変わらないでしょってみんな思ってただろうし…この展開は予想外でした。なんか…若干後ろめたさが…




「なにその顔、いまさらビビってんのかニャ?だっさーオマエサンの覚悟はその程度かニャ、これだからお子ちゃまは」


「ナマエさん」


「どうする〜?やめるぅ〜?ww」


「いやいやいややめるわけないでしょ!もうこうなっちゃった以上やるしかないでしょ!ヤる一択でしょ!!」


「逆ギレかニャw やる気があるなら結構だニャ。

で、準備はできてるかニャ?」


「準備…ひとまず回復アイテムはいっぱい用意しましたよ。ほかになにがいるかはわからないんで、とりあえず出たとこ勝負ですよね。困ったことがあったら引き返して必要なものを準備するかんじで。トライアンドエラーってやつですよね。なにせ誰も攻略したことがないんですもんねー魔王なんて。どんなかんじなんでしょうね」


「ハイハイハイ落ち着くニャ鼻息ボフボフいってるニャw

んじゃま、行くかニャ?」


「え?他の人は?今日まさか2人で行くんですか!?」


「いやいやw 行くのはオマエサンひと」

「…」


「あ、なんだ靱負さんいるじゃないですか、気がつかなかった。いるんならいるって言ってくださいよ。靱負さんこんにちは!」


「…」スッ


「ちょいとアンタ達、まさかワタシ抜きで出発する気じゃないだろうねぇ?まったく…」


「おーシードルさん!来てくれてよかったー!いっしょに行きましょう!」


「え、マジで今から行くの?」


「ちょっと!!ナマエさんがビビってどうするんですか?!行くでしょ!行く流れでしょ!」


「べつにビビってないニャ。オイラはいつでも全然いいんだけど、え、みんなヒマなの?今日やろうって約束してないのに、時間とかだいじょぶそうかニャ?」


「明日休みなんで大丈夫です!それに今日は様子見だけだと思ってるんで、たぶんそんなに長時間かかんないですよね。ぱぱっと行ってさくっと戻ってきましょう!」


「…」親指ぐっ


「ワタシゃいつでもいいヨ。こんなとこさっさとオサラバしたいからネ」


「あっそ。おけーじゃー出発ニャあ〜」






つづく







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