スニーキングミッション回想回
話はウェルスタンでサウルス遠征作戦会議が行われた日までさかのぼるよ。
会議が終わって、ナマエさんと二人で歩きながら話してるとき───
「なあ、おもろいこと教えてやるニャ」
「おもろいこと?なんですか?」
「にゃーん」
「魔将石ですね。これが?なに?」
「これを使うと一発で四天王の封印を解除できるニャ」
「へーー。え、もったいなくないですか?ふつうの魔石4億個分用意して、それで解除するんですよね、わざわざそんな超レアな限定アイテム使わなくても…」
「それじゃーおもんないニャ。これ使ってあのリーダー気取りのヒゲ男爵の鼻を明かしてるニャw」
「またそんなくだらないことを…でもまあ不測の事態に備えて解除できる要因を増やすのはいいことかな…ナマエさんがよければいいんじゃないですか」
「ん〜。で、これをぉ…」
ピコーン
《NAMaEさんから魔将石がプレゼントされました。受け取りますか?》
「ん?…えーー魔将石!くれるんですか!?ボクに?!やったぁ!」
「いやちがーうww オマエサンがスルトを復活させるんだニャ。オイラは目立ちすぎるからみんな寄ってきちゃって封印解除どころじゃなくなるニャ。そこで、地味で冴えないオマエサンの出番ニャ。こんなどこの馬のホネかも分からないヤツがしれーっと解除したら、みんなどんな反応するかニャあ?想像しただけで笑えるニャw」
めちゃめちゃディスられてるんですけど。
「はーもーほんと考えることがキッズですね…
あ、じゃあさ、これニルギリに託していいですか?ボクはプルート討伐に加わってるしさっきの会議にも参加したし、そこそこ有名になっちゃってマークされてると思うんで、ニルギリなら正真正銘『だれ??』ってなりますよ」
「なんかちょっと自意識高いニャww
んん〜たしかにおもろそうだけど、ソイツは信用できるのかニャ?」
「はい、ボクは信用してますよ。たしかにお金が絡むと、なんていうんだっけ…がめつい?かんじになりますけど、ボクのことは絶対裏切らないコなんで大丈夫です。ナマエさんがボクを信じてこれを託してくれるっていうなら、ボクはニルギリを信じてこれを託したいです。もし万が一持ち逃げされたら、スルトの魔将石で弁償しますよ」
「真っ直ぐ言うニャぁ。だいたいスルトの魔将石って、気が早すぎるニャw
まーオマエサンがそこまで言うなら乗ってやってもいいニャ。それとオイラは誰のことも信用してないニャ」
「はいはい、とりあえずこの魔将石は受け取っときますね」
「え、あ、待っ…ウン…ところでソイツってつおい?すぐ死なない?」
「いやー…すぐ死にますね。あっという間に死ぬでしょう」
「ダメじゃんwww あそうだニャ、そういうことならもう一個いいモノを渡しとくニャ」
「いいもの?」
「これニャ」てれれれってれー
ウェルスタン出発前──
「おつーニルギリ、ちゃんと来れてえらい」
「やっほー来てやったよー。きのうあんま寝れなかったわ…ほんとまじで、何回考えてもなんであたし?ってしか思わんのだけど」
「理由は、そっちの方がおもろいから、かな。はい魔将石と…こっちが例のやつね」
「これかぁ、『消えるマント』。これもレアアイテムなんだよねぇ…売ったらいくらなんだろ…うへへ…」
「まあボクとの"縁"よりは安いんじゃない?」
「お、金の切れ目が縁の切れ目ってやつだ。分かってるって、ただのじょーだん、あたしもそこまで堕ちてねーよ。でさぁ、これって一度装備して、脱いだら無くなっちゃうんだっけ。いつ着たらいいの?」
「いつでもいいんじゃない?もう着ちゃう?どこにスパイがいるか分かんないしね。あ待って、ボクとのパーティー登録と、それからレイドにも加入してからね。パーティーメンバーには一応ニルギリの存在はわかるようになるらしいよ、見えないけど」
「レイドってなに?」
「これから始まるプレイヤー同士のバトルに参加するよってこと。ほら、このぼや〜んって青くなってるやつ。これに入っとかないと味方の流れ弾食らって死ぬよ」
「うぇー透明なまま死んだら悲惨だなぁ、ただの孤独死じゃん」
「ニルちゃん」
「ん?なに、どしたレビ公」
「今日来てくれて、ほんとありがとね」
「おー、あたり前だろ。あのさぁ前から思ってたけどあんたってなかなかの人たらしだよな」
「?」
スルトダンジョン付近──
(とりあえずこのゆきえとかいう人に付いていったらいいって言われたけど、大丈夫かぁ?…なんかヤバめな魔女みたいな人も合流したし…最初見た時敵かと思ったけど、一緒に移動してるって事は味方だよな。てかどっちも全然しゃべんないのなんなん?気まずいわ。
まあ敵だったとしても認識されてないから攻撃とかはされないと思うけど、それはそれで空気扱いされててつらみ…ボッチだわ〜なんか思ってたほど楽しくねぇな透明人間って。ああーレビンー早く〜…
お、なんか洞窟着いたんだけど。あ!レビン!おお〜い!話しかけたいけどむりか…あ、こっち見てる!ゆきえさんはもういいよね、レビンについていこーっと)
ダンジョン最奥に向かって移動中──
「ナマエさんのその眼って、あのコのこと見えてるの?」
「うむ、バッチリ見えてるニャ。なにもかも丸見えニャw」
(まじで!?もっと早く言えよー!)
「次の部屋か、その次くらいには封印石があると思うから気を引き締めるニャ。敵とか罠とか避けて近づいて、オイラが『いまだニャ!』って合図するからそしたら封印を解くニャ」
(りょ!)
「いいんですか?アルナイルが聞いてるかもですよ」
「だいじょーぶニャ、スタン中に睡眠剤飲ませといたから当分起きないニャw」
マスター・ヨータと対戦中──
「いまだニャ!」
(合図きた!魔将石を使用しますかオッケー!)
ギャアアアーーーンン!!!!!
そして現在──
「というわけなんだニャ!!」
「…まさかこんなどこの馬の骨とも分からんヤツに出し抜かれるとは…」
ふふふ、しめしめ。
つづく




