〈呑深苦 富入留〉
お、遮那さんからイケメンスマイルが消えた。目を見開いてる。
ちらっとこっちを見た。こっちっていうかマスター・ヨータさんを見てるね。けどヨータさんは見つめ返したまま動かない。
遮那さんもなにか言うわけでもなく、今度は黒焦げになったBKさんの方を向いた。そしてそっちに走り出した!復活させる気か!
すかさずナマエさんが追いかける!あ!BKさん動き出した!やっぱ生きてたかーそうはさせるか!〈セイブザセイバー〉いけぇっ!!
ドドドォン!!
よっしゃ、足止めしたぞ!
ナマエさんが追いついて…あーもう見るからにこれから大技出しますよーって雰囲気、右手にハンパなくオーラが集中してる…!
「〈あ、ちょっといいかニャ?提案があるんだけど〉」
どぉーーーーーん!!!!!!!
ちょ?え、え…?なんか話しかけてたけどなにあれ…
しかも左手で殴ったでしょ、右手めっちゃ光ってたのに…もうめちゃくちゃ…
あらー…遮那さんが昇天していくよ…そしてなぜかBKさんもいっしょに天に昇っていく…なんでこのタイミングで死んでるんだか…
「ナマエさん、あの、今のは…」
「なに?ああーあっちのヒョロいのが死ぬとデカいのも一緒に死ぬシステムらしいニャ、というかアイツを倒さないとデカいのはいつまでも死なないニャ。命を預ける的な?」
「いやそうじゃなくて!なんか話しかけてましたよね?なにを言いたかったんですか?すごい気になるんですけど」
「ニャー特に意味はないニャ、今のは〈あ、ちょっといいかニャ?提案があるんだけど〉っていうスキル名ニャw」
「…はぁぁぁぁぁ!!?なんて…なんてバカみたいなスキル…ふざけすぎでしょ」
「ギャハハハハハハwwww わりとみんな騙されてくれるんでめっちゃウケるニャww」
遮那さん…かわいそすぎる…ご冥福をお祈りします…
あ、でもまあなんにせよ、勝ったんだよ、ね?やった…んー素直に喜べない…
「あ、で、そっちはジジイと何話してたニャ?口説かれてた?」
「くどぉ?!いやいやそういうのじゃないです、ただ普通にお話…あれ?あれって口説かれてたのかな、怯者に引き込もうとしてました?」
「やれやれ、あの二人では敵わなんだか。さーてそれじゃまぁ…やろうかね」
あ、スルーされた。なんて都合のいい耳。
おあ、コロシアムから元の寺院に戻った。例のアイテムの効果が切れたんだね。そしてなにかの薬とかお菓子を狂ったように爆食いするナマエさん。お、オーバードーズ…めっちゃ回復してなにかのバフもめっちゃついたよ。
からの〈陰スタンス〉発動。ナマエさんが黒いオーラに包まれたよ。眼だけは金色に輝いてる。スピード重視の構えだ、臨戦態勢ですね。
「あのーナマエさん」
「黙るニャ、目を離すな、とにかく逃げろ」
え。
ナマエさんいつもと雰囲気違う。空気重…めっちゃピリピリしてる…
目を離すな ね、マスター・ヨー
近
「飛べ!!!」
ひゃああああああ~~~~~~~~~~!!!!うわ、空!最高スピード出しちゃった。ヨータさんがいきなり目の前にいたよぉぉぉこえええ~~生きた心地がしなかったよぉ〜…遮那さんの比じゃないくらい死を間近に感じた…すっごいドキドキしてる…!
これこれ~、ほんとに攻撃の瞬間が見えないんだよね。消えたと思ったら次の瞬間には攻撃対象が吹っ飛んでるやつ。よくかわせたなボク…
ヨータさんがまた消えた!ナマエさんも消えた!うわーーな、なにも見えない…バトル漫画でよくある演出!いや待って、よく見ると、ナマエさんが消えたところにヨータさんが現れてる。鬼ごっこかな?たぶんナマエさん逃げるので精いっぱいなんだ。もしくは逃げに徹して隙をうかがってるのかな。勝つために、まずは死なないこと、ですね。
これは…ボクが介入しないと勝負つかないやつかな。このまま続けててもジリ貧だよね。そう!ボクこそが切り札!見ててもしょうがないしちょっといってみよう!あ、その前に〈セイブザセイバー〉防御モード展開。よし!
ナマエさんが消えたところに現れるなら…ここ!
ブン!
外した―!今いたのになぁ。惜しかったーはい逃げまーす。
「んー速いのぉ。凡そウィザードのスピードじゃねぇな。初見だったらやられてたかもな~。それも魔将石の力かの?」
「あーそうです。なんと光の速さで飛べるんですよ!」
「言っちゃうんだww かっかっか!全然にぎやかし要因じゃねえことは分かった。警戒してやらにゃあのう」
「ニャ~~、切り札の切り方がヘタクソ」
「いいんですよ別に。隙ができるのを待ってたっていつになるか分からないし…てか相手はマスターですからね、そうそう隙なんて見せないでしょ。それなら隙を作りにいけばいいじゃないですか。ボクも光速で飛び回るんでちょっとずつ追い詰めていきましょう」
「「なまいき~」」
ハモるのやめて、仲良しか。
つづく




