決意
前回のあらすじ…
チンピラにからまれてたらナマエさんが介入してきたよ。ナマエさんやっぱめちゃ強い。
「ダッハッハッハッハwwww 冗談だニャ。あーうけるww」
「もーたちが悪い。そういうとこほんと嫌いです。
あ、でも、助けていただいたのは、ありがとうございました」
「フン、べつに助けてないニャ。歩いてただけニャ」
「ところでそのーナマエさん、いまお時間あったりします?」
「あん?見たら分かるニャ。超忙しいニャ」
「いや見たところ全然ヒマそうですけどね。
どうっすかね、よかったらちゃちゃっとクエストにでも、ご一緒に…」
「イヤだニャ。だってオマエサン弱いし」
「ガーーン!そんなはっきり言わなくても…。あーまた断られたぁ〜」
「あーもーすぐ泣く〜。泣き虫はキライだニャ。
弱いくせになんでそんなにがんばるニャ?意味ないニャ。そこらへんにいる誰でも倒せる魔物を適当に狩って冒険者ごっこやってたらいいニャ」
なんかトゲのある言い方だな。ヤな感じ。
「はあ?がんばる意味がないって、それ本気で言ってます?
ボクはただちゃんとゲームをプレイしたいだけですよ。いまはたしかにヘタだし弱いけど、やればやるほどうまくなって強くなっていくんです。それってめっちゃ楽しいじゃないですか!いけませんか!?ゲームってそういうもんですよね?」
「んじゃー別にこのゲームじゃなくていいニャ。こんなMMOとかじゃなくても他にもっと楽しくてPKとかイジメのないゲームはいくらでもあるニャ」
なんかボクを排除しようとしてる?冗談じゃないよ!てか話するときはこっち向いて話せや。
「ほかのゲームなんて知りません、ボクは今リンクルーツにハマってるんです。リンクルーツってほんとにすごいです、スキルも武器も服も、家もイベントもダンジョンも、自分で考えたものがゲームの世界で再現されるんですよ。ここには自由と夢があります。ここにいる人たちはみんな個性的で、いきいきしてて、キラキラしてます」
「さっきのチンピラもキラキラ?」
「いやさっきのチンピラなんてまじですごいです!リアル世界でチンピラになれない人たちが見事にチンピラのロールをこなしてました。最初怖かったし、なんでわざわざチンピラやってんの?って思いましたけど、ほんとにいきいきしてて楽しそうで、あの人たちは進んでチンピラになったんです。
そう、これですよ!このかんじ、わかります?別にチンピラになりたいってわけじゃなくて…レビンになりたいんですよ私は!!」
「……」
お、黙った。勝ったな。
「私」
「へ?」
「レビンになりたいですわたし〜って、いきなりキャラ忘れてるニャ」
「あ、ま、マネしないでください!」
「話戻すけど、魔法剣士は弱いニャ。誰もパーティーなんて組んでくれないニャ」
「ああーそうかー、そうでした。どうしよっかな、パーティー組まないと強くなれないけど、強くないとパーティー組んでもらえないのか…ええ〜?どうしよ〜!んんー…」
ほんとにそうかな?
なんか違和感があるんだけど。
ナマエさん…
「あ」
「ん?」
「ナマエさんって、どうしてそんなに強いんですか?」
「そりゃー、天才だからだニャ」
「ボクとパーティーを組んでください。そしてパーティーを組まなくても強くなる方法を教えてください」
「ん?なんか矛盾してない?」
「ナマエさんってたぶん最初からずっとその性格ですよね?だからずっとボッチだったと思うんですけど、でも強いじゃないですか。べつにパーティーなんか組まなくても強くなれるんですよ。前も言いましたけどわざわざパーティー組むために自分を曲げるのはいやなんです。ボクがボクであるために、ひとりでも生きていける力がほしいんです。だからその方法を教えてください!お願いしますぅ〜」
「だあぁひっつくなぁー鬱陶しいニャー!それとドサクサにまぎれてモフモフするのやめるニャ〜」
「ドラ猫め!その人から離れろ!」
つづく