サウルス攻防戦②
これまでのふりかえり…
このゲーム、『リンクルーツ』は変わった要素があって、
・全ての魔物(敵キャラ)は魔王( ラスボス)から生まれる
・魔王は復活しない。つまり誰かが魔王を攻略すると、それ以降ラスボスイベントが発生しなくなる(らしい)
・魔王が死ぬ→魔物が発生しなくなる→魔石が手に入らなくなる→武具やスキルを作成、強化できなくなる→バトル要素終了
っていうプレイヤーが"終わらせることができる"オンラインゲームだよ。当然終わってほしくない人が大半だったんだけど、ナマエさんがいろんな人を巻き込んで、魔王を倒したいって人達が集まってきた。そういう人達のことを通称『勇者勢』っていうよ、ボクもそっち派。だってラスボス倒したいじゃん、ゲームなんだし。
魔王イベント発生のカギを握る最後の魔王軍四天王の討伐に向けて侵攻中なんだけど、魔王討伐反対派の『怯者勢』が行手をはばんできた。
天下分け目の大合戦、ただいま絶賛開戦中〜。
うわわわわやべぇー死ぬーーー!!!どど、どうしよ、飛んで逃げ…
「おーい、こっちだニャー」
あっ、ナマエさん!そうか神殿!神殿は不可侵の聖域だから壊れないよね。ひぃぃー逃げろー!
ドオオオオンッッ!!!!
どぅわーすっごい衝撃!揺れる揺れる!あー危なかったぁ〜。みんな大丈夫かな、ちゃんと逃げたかな…うちのパーティーはみんないるね、よしよし。
「これって、サスピリオルムさんのスキル〈インドラ〉ですよね。どうしたんだろ、怯者側に寝返ったのかな…それとも怯者の誰かにスキルを売ったんでしょうか?」
「さーニャー、けど撃ってくるタイミングがドンにしてはヘタクソニャ。神殿の近くであんな大技使うのはいい手とは言えないニャ。とにかくあのクソデカパンチを使ってくる敵がいるってのは分かったから、ソイツ見つけてぶっとばしたらいいだけニャ」
ぶっとばす…簡単にいいますけど、もしドンが寝返ってたらやばいな、あの人プレイヤーを操って同士討ちさせてくるからなー、どうやって攻略しよう…
おおおおおお…
ん、なんか聞こえる。風の音…?いや、人の声、雄叫び!?
うおおおおおおおおおおお!!!
なんか物騒な人達が全速力で神殿の方に向かってきてる!うわめっちゃ数多い!こわっ!
「いくぞ!私に続けっ!!」
先陣を切るシュナウツァー閣下!なんて勇ましい!〈インドラ〉直後の敵部隊強襲でちょっとパニックだったけど、シュナウツァーさんの勇姿を見せられて味方のみんなもすぐに臨戦体制を整えた。
「さぁ〜て、いっちょ暴れてやるかニャ」
ナマエさんも前に出る!お、今日はボーウ=マイ持ってるー。ナマエさんがたまに装備する鬼強い棒。ひさびさに見たな。
敵に向かって空高くジャーンプ!棒を振りかざして〜…キーック!いや棒の意味ッ!!掲げた棒のやり場のなさよ。と思ったら今度はちゃんと棒をゴンゴン振り回して敵をガンガン吹き飛ばしてる。ガードの上からでもお構いなしに叩き潰してるよ。あれは棒術じゃないな、野球のバットのスイングかな。いや、片手で振ってるわあの人。野球じゃなくてテニスでした。いやまって、あの手首の返しは卓球かも…意味わかんないね。
おや、ナマエさん武器をしまって今度は超人的なジャンピングスープレックスで大勢の敵の真っ只中に飛び込んだ!襲いかかる敵をものともせず、つかんでは投げつかんでは投げ…ネコっていうより、もはやゴリラ。暴れゴリラ。これは手がつけられない!
一方シュナウツァーさんの方も負けてない、群がる敵を大剣でなぎ払う。矢とか飛んでくるけど盾と鎧で傷ひとつつかないし。ふたりとも無双状態!つえーー!!
空中では敵味方のウィザードと空飛ぶテイマー達が激しく戦ってる。飛び交う魔法が派手ー!うひょー弾幕まぶしーー!
あ、下の方で靱負さんが人間無骨を構えて、あんな遠くにいる敵ウィザードに向かって大型の矢をばんばん放ってる。んー?よく見たら矢じゃないぞ、剣とか槍とか斧まで射出してる。あれたぶん自分で作った武器を投擲武器にして放ってるんだろうな。単発式の"靱負の剣製"ってかんじか…あれ混ざった?
びゅーーん…ズバッ!よっ、ナイススナイプ!投擲武器って消耗品なだけに威力が高く設定されてるから、防御力の低いウィザードは瞬殺ですね、次々と撃破していくよ。
あれ?シードルさんがいない…あいた。あれれ、すっぴんじゃん!珍しいこと!魔法で出したと思われる石の壁の裏に隠れてるけど、え、ふつうに地面に降り立ってる。飛んでないと危ないよー。なになに!なにが始まるの!?
むむ、なにか小さなものを手のひらの上に召喚した。よく見えないけど、小さなヘビみたい…あ、ヘビって!うおおーみるみる大きくなる!
でっか!ほぼ電車サイズ!体の作りが、ぶっとい円筒型のボディと自由に動く関節が何個も何個も連結してるかんじ。そうほぼ電車!電車が鎌首をもたげてるみたい!こうきたか〜!
びたーんびたーん!って巨大ヘビのおもちゃが体を叩きつけてる。あ、火炎も吐いてる。あのヘビ火を吐くんだ、巨大怪獣じゃん。今度はお腹だけ伸ばしたり引っこめたりして衝突させたり、ごろごろとのたうち回ったりして、大勢の敵をすり潰していく…あんなのの下敷きになったらひとたまりもないよね。それにしても延々と体が出現し続けてるけどどうなってんだろ、無限に伸びるヘビなのかな?たぶん魔将石の力だなこりゃ。
おわ、ヘビのしっぽの方にシードルさんがいることがバレた!完全自律型の従魔じゃなくてシードルさんがしっぽをふりふりして操ってたのがバレたー!敵がシードルさんの方になだれ込む!やばい!
ドーン!
え?あははは、落とし穴がww さすが土属性魔法使い、トラップを用意してたんですね。自分をエサにして敵を誘ってたのかな。なかなかえげつなくてすき。
はー面白いなー。靱負さんもシードルさんもちゃんとパワーアップしててすばらしい!楽しくなってきたぞ。んん、楽しんでいる場合じゃ ないよねーーーーー高みの見物やっべ!!!!!
つづく




