遠征準備①
ニルギリ、なんかよく分かんないけど納得したみたいで、その日はバイバイしたよ。それからまたインしなくなっちゃったけど大丈夫かな、四天王討伐ちゃんと来るのかなー?
そして何日か後、ついにスキルが無事完成したよ。さっそくナマエさんに見てもらおう。
「はい、というわけで、新しく創ったスキルはこんなかんじなんですけど…ど、どうですか?」
「うむ、これひとりで考えたのかニャ?」
「はい、まあ一部他の人のスキルとかを参考にしたりしましたけど、誰かと相談は全然してないですよ。ボク一人で考えました」
「へー、まあいいんじゃないかニャ」
「え、それだけですか」
「それだけ??なにを期待してるのかニャ?いいって言ってやってんだから十分ニャ、調子乗ったらダメニャ。だいたい全体的にネーミングセンスがダサいニャ」
「ぐっ、やっぱだめかぁー。でもかっこいい名前が強いとは限らないですからね、しょせん飾りですよ」
「あーでもまあひとつだけ、『グラビティーメレー』は、なかなかいいニャ、うん」
「お?いいですか?ありがとーごさいますっ。やったね」
「まだ魔石って残ってるニャ?」
「はいまあ、残ってますけど…」
「ほーほーそれはなによりニャ。それじゃあもう一個創っちゃおうニャ!」
「創るって、スキルを?またいつものひらめきですかぁ?ナマエさんのアイデアって独特っていうか正直微妙だからなぁ、あんま期待できないんすよねぇ…」
「ニャんだとっ!まあそう言わずにきくニャ、イマイチパッとしないオマエサンをパッとさせるとっておきのアイデアニャ。絶対ソンはさせないニャー」
「まじっすか!パッとさせてもらえるんですか!?ああーパッとしたい!がぜん興味が出てきましたよ!教えてくださいそのパッとするアイデアを!」
「なにそのパッと欲ww」
ナマエさん発案のパッとしちゃうスキルも言われた通り創って、それからとにかく必死でレベリングをがんばったよ。新しく創ったスキルを使いこなせるように来る日も来る日も実践練習、地味につらい…でもおかげでいい感じに仕上がってきたよ。
そんなある日、クエストを終えて街に戻ってきたら事件が起きてたんだ。このウェルスタンにバーニングキャラバンの人達が来てるらしい。えー何事かな?
「ママさん!みんなも…どうしたんですか?急に」
「あら、レビンちゃん元気ぃー?いやーまさかウェルスタンで再会するなんてねー」
「ボクたちもうすぐ南エリアに遠征するのに、なんでこっち来ちゃったんですか?なにかあったとか?」
「うん、それがね、じつは…プライムの座を奪われちゃったの、『EMERAGOLDO』に」
「えええ?!そんなっ!奪われたって…何者なんですか?そのエメラゴルドって」
「昔は『Casual Innocence』、略して"Casino"って呼ばれてたギルドでね、聞いたことないかしら?南エリアで一番栄えてる街『バージュ』で、その名の通り裏カジノをやってる連中よ。運営に何度も処罰されてるんだけどその都度名前や場所を変えて懲りずに続けててね、ほんと困った奴らなのよー。
いま、勇者勢がかなり勢力を伸ばしてきてるじゃない?もともと魔王討伐には否定的だったんだけど、ついに本腰を入れて勇者勢を潰そうとしてきたの。それで私達もやられちゃったってわけよ。サウルスにいられなくなったからこっちに来ちゃったわ、よろしくぅーガッハッハッ!」
「えーそうなんですか、それは大変でしたね…でもママさん達だってそうとう強いのに、みんなを押しのけるなんてやばいですね」
「んー、もともとEMERAGOLDOは非戦闘系のギルドだから正規のギルメンは全然強くないんだけど、そこのギルドマスター、アルナイルはリアルでもすんごい資産家でね、カネにモノをいわせてあらゆる手段で戦力を調達してきたのよ。
そうそう、その戦力について、みんなに聞いてもらいたい話があるの。シュナさんのところに行かなくちゃ」
「あ、それならちょうど今日の夜、えーっと、ブリーフィングとかいう作戦会議があるんですよ。他の人も集まるし、そこでお話したらいいかもです」
夜になって、アイボリーフォレストの宮殿にみんなが集まったよ。みんなっていってもシュナウツァーさんにエリクシルさん、ママ・グランディスと大きなギルドのギルマスが数人、それとナマエさんっていうほんとにリーダーや幹部クラスの人達ばかり。こんな会議にボクが出席していいのかな?誰だお前空気読めやって思われてそう…
「よぉーしみんなよく集まってくれたニャー。最初の議題はみんな気になってるアレについて…そう!『遠足のお菓子どうする』問題ニャ!これはもー朝までかかるから覚悟するニャ!」
「お前が仕切るな!遠足だと?ふざけたことをぬかすな。しかも遅れてきた分際で、分を弁えろ!
さて、まずはグランディス殿、報告を」
「ええ、皆さん聞いてるかもしれないけど…EMERAGOLDOが攻めてきてサウルスが乗っ取られてしまったの。力及ばず、本当に不甲斐ないわ、ごめんなさい。奴らは強力な助っ人を用意してたの。その筆頭が『Thunder Lance ESP』よ」
つづく




