緑のアレ
シードルさんがふおっと宙に浮いて、ピチューンって指からビームを出した!あぶなっ!3人とも避けたけど、その隙にシードルさんは外に飛び出して空高く上昇した。
「ヤッコサンやる気だニャ、よし、いっちょ胸を貸してやれニャ!」
「…ん?貸してやれって言いました?誰が?…えボク!?」
「いよっ!大センセー、ん待ってましたニャっ!」
「そんなおだててもダメですよ、てかおだてフレーズが昭和っ!
ナマエさんが挑発したんでしょー?ナマエさんが行ってくださいよ!」
「いやいやここはまず下っぱから行くもんニャ、オマエサンが負けたらそのあとオイラが出てやるニャ。ほらはやく、お客サンが待ってるニャ」
ひぃぃー光線が降り注ぐぅー!
「分かりました!行けばいいんでしょー行けばっ!」
くっそーあの白ネコ、おぼえてろよ!
ボクだって飛べるんだもんね。そんじょそこらのウィザードには負けないぞ。
あ、そういえばご挨拶が遅れまして…
「こんにちは!ボクはレビンです。お相手よろしくお願いします」
抜剣っ!
「オヤ、そんなに死にたいのなら、その願い今すぐ叶えてあげるヨ!」
来る!指からビーム!
…くあーあぶねー!発動速度も弾速も速い!これでもし高威力だったらかなり厄介だな、絶対当たりたくない。ってか杖もないのにそんな高性能な魔法が連発できるもんかな?とりあえずこの距離を保ってたらなんとか避けられるけど、剣が届くまで近づくのは厳しいか。
ならば遠距離攻撃だっ!
ひゅぅぅ〜ピーードドォン!
あー花火がビームに撃ち落とされた。んー有効な手が思いつかないな。とりあえず足を止めずに逃げ回りながらチャンスを待つか。
「ホッホッ…すばしこいコト、なかなかやるネ」
わ、緑のゴーレムが2体出てきた!え、空飛んでる!?
…あれ、あのキューブを組み合わせたようなフォルムと解像度の低いモザイク模様、既視感があるな…あえて名前は出さないけど、ボクが知ってるアレなら絶対近づいちゃダメだ。あー嫌な予感…あれを操って浮かせてるってことは…ほらもーこっち来てるよー!ひぃぃ〜逃げても逃げても追いかけてくるー来ないでぇ〜!!
ん?こいつらなら魔法でやっつけられるんじゃね?よし、逃げながら連続花火だ!あー減速するーやべー!
ひゅ〜〜ズドォォンンッッ!!
ぎゃーー大爆発した!やっぱりそうだ、自爆型のゴーレムだわーやだな〜!はーでも倒せたからちょっとは楽に…
ってあれ?シードルさんの周りをキューブのカクカクした いろんな動物のゴーレムが飛び回ってる。まるで巨大なハリケーンに動物が飛ばされてるみたい…なんだこの光景、怖すぎる。
いやいやちょっと待って、動物の数おかしくね!?テイマーが一度に召喚できるのは2体までだよね!?何体いるんだ?数えられない…おいおいどんだけ召喚してんだよ!またチートかよーくそーうらやましい…
「どうしたってワタシをやっつけることはできないヨ。さあ、人形におなり!」
四方八方からゴーレム達が突進してくる!負けるもんか!全部かわしてやる!
「うぉぉぉぉぉー!!!」
目で追えないほどの速さじゃないし、動きは直線的で単調だから かわせる!けどギリギリだ、いつまでもつか…
お、シードルさんさっきから止まってるじゃん。これだけのゴーレムを操ってるんだから他がおろそかになっちゃうよね。チャンス!ゴーレムの影に隠れながら接近してやる!
ピューーン!
指ビームか!これもかわす!
げっ!ビームがゴーレムに当たって反射して、次々と周りのゴーレムを経由してビームが軌道を変えながら襲ってくる!ビームの跳弾!?よけ…
「ぎゃあっ!」
っつぅーー!やられた!こんなんむりでしょ!うわっ!当たったところが徐々に石化してる!追加効果付きか!やばい、死ぬ…
いやだ、死にたくない……ッ!
「……〈エクスカリバー〉」
ズアァ…!
飛び出てる目をさらに大きくするシードルさん。近くにいた牛のゴーレムがボクに向かって突進してくる。その前に腕を振り下ろすんだ。どっちが速いか、さきに当てた方の勝ちだ。
どちらもほぼ同時。時間が引き延ばされるような感覚。あーゴーレムが来る…間に合え…!
「はいしゅーりょーー!おつかれさんニャー!」
ナマエさんの声がするかしないかってタイミングで、ボクの剣の太刀筋がガクッと逸れてシードルさんの真横を通過した。振り下ろしてる最中、刀身に横から何かが当たったような…?そしてゴーレムの方もボクの体にぶつかる前に砕けた。いったい何が…
あ、下で靱負さんが弓を持ってる。もしかしてあの瞬間に二人の攻撃を弓矢で止めたの!?すごい芸当!人間技じゃないって!さっすが裏ボスだなーまじパねぇ!
あ、やば、石化が止まらない…人形っていうか石像になりそう…
「ナマエさーん助けてぇー…」
「えー石化回復薬もってないのかニャー?まったく、準備不足だニャ、あのマジックバッグは飾りかニャ?しょーがないニャ、ハイ、この駄菓子をやるニャ。ツケにしとくニャ」
「ありがとうございます。あのマジックバッグは今のところ飾る気すらしないゴミ袋です。
あー助かっ…え、これ駄菓子ですか?なにこのピンクの板、どうしろと…」
「かたぬき知らないのかニャ?針とかでここの溝を掘ってきれいに型がぬけたらお金がもらえるっていう遊びニャ」
「いま遊びって言いました?駄菓子どこ行ったんすか。てか石化どうすんのこれ…」
「なんのつもりだい!勝負はまだついちゃいないヨ!さあかかっておいで!」
「あーもういいニャ、オマエサンの強さはよく分かったニャ。で?そっちは戦ってみてどうだったかニャ?戦力としてどーよ、ハイ」
「ボク?あ、はい、とっても強かったです。あの魔法教えてほしいって思いました。戦力として、シードルさんが一緒に戦ってくれたらめちゃくちゃ心強いです」
「ん〜んそうだニャそうだニャ。で、それってつまり、一緒に?パーティーをぉぉ?」
「一緒にパーティーを組みましょうシードルさん!って全部言わされてるぅー!!」
つづく




