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ボッチパーティー  作者: 巧レ以
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これからのこと


親善試合が終わって、闘技場の近くで打ち上げ会をすることになったよ。バーニングキャラバンの人達が大きな焚き火を用意したみたい。よくあるキャンプファイヤー的なイメージをしてたんだけど、木の組み方がなんか変わってる、巨大な人間の形してるんですけど。人間が火だるまなんですけど…アートだなー…





「レビンちゃん、初めて親善試合見たのよね、どうだった?」


「そりゃもうめっっちゃテンション上がりましたよ!選手達みんな工夫してて面白かったです、すっごく勉強になりました!そして、そんな頂上決戦で全勝しちゃうなんて、ナマエさんやっぱりすごい人なんですね、口だけじゃないんすね!」


「また失礼なこと言ってるニャ。ん?頂上決戦?はあ??なに言ってるニャ?」


「え?なにがですか?親善試合って各エリアの代表選手が集まる公式戦ですよね、これだけ大きな大会なんだから、頂上決戦でしょ?なにか変ですか?」


「わーお、何も知らないって怖いニャ。ほんとオマエサンってイタい子だニャ。

はぁ…いいかニャ?親善試合は最大で24人しか出られないニャ。しかも盟主に指名されないと出られないニャ。この世界がどんだけ広いか知ってるかニャ?プライムギルドと関わりを持たない猛者はゴロゴロいるニャ。親善試合ってのはエリア内外の交流が目的で、いってみりゃ"おままごと"みたいなもんニャ。こんなのが頂上だのなんだの言ってるなんてお笑いだニャ。井の中の蛙だゲロ!」


「ちょ、語尾っ!ちゃんとキャラ守ってください。もーそんな責めなくてもいいじゃないですかー」


「そーよ、なーちゃん言い過ぎ。もうちょっと丁寧に教えてあげなきゃ。愛が足りないわ愛がっ!

あのね、親善試合以外にも公式戦はあるのよ。レビンちゃん、リンクルーツの"カーニバル"って聞いたことなぁい?出場料さえ払えば誰でも参加できるし、ギルドを越えてパーティーを組むこともできる大会なの。その大会で優勝した者こそが真の覇者って呼ばれるわ。なんといっても賞金額が凄くてね、世界規模のeスポーツ並の大金が優勝者には与えられるのよ。そうまさにビッグドリィームッ!」


「ああ〜カーニバル、なんか聞いたことありますよ。ただの季節行事的なイベントなのかと思ってたんですけど、そんなすごい対戦試合だったんですね。それは知らなかったです。

ナマエさんはそのカーニバルには出たことあるんですよね?何位だったんですか?」


「あん?出たことないニャ」


「え、ないの?なんでですか?」


「べつにー、賞金だの名誉だのには興味ないニャ。まあオイラが出たら優勝間違いなしだけど、優勝したっていろいろと面倒事が増えるだけニャ。だからあえて出ないようにしてるニャ」


「ええ〜〜、なんか負け惜しみにしか聞こえないんですけど。じゃあなんでカーニバルには出ないのに親善試合には出たんですか?」


「んーまあしいていえば参加料がかからなかったからかニャ」


「ケチなネコですねーー」






この時はいつものようにゲラゲラ笑って終わりだったけど、ナマエさんが親善試合に出た本当の理由は別にあったんだ。けど、この時のボクはまだその理由を知りようもなかった。







「はーあぁ、親善試合終わっちゃいましたね。ナマエさん次はどこに行くんですか?」


「さーね、なんでそんなことオマエサンに言わなきゃいけないニャ?」


「えー冷たーー。まさかボクのこと置いていく気ですか?」


「は?まさかついてくる気かニャ?なんで?どうして?」


「そんなぁ!仲間じゃないですかー」


「仲間ならもう他にいるニャ。バーニングキャラバンに入ったらいいニャ。よかったニャ、もうボッチは卒業ニャ。ついでに弟子も卒業ニャ。だからオイラについてくる理由がないニャ」




あれ?このやりとりウェルスタンでもあったぞ。でもあのときと違うのは、このギルドの人達と仲良くなれたことと、昔よりは強くなったってことかな。その上で、まだナマエさんについていく意味は…





ママさんの方をチラッと見る。


ママさんは何も言わない。黙って見つめ返してくれてる。きっとボクがどっちを選んでも尊重してくれるんだろうな。見守る優しさを感じる。




「まあ一晩ゆっくり考えるニャ。そうニャ、今日は気分がいいから特別にこの駄菓子をやるニャ。食べると頭が冴えて考えがまとまる ひみつアイテムニャ。冴えてピカピカニャ。ありがたく受け取るニャ」


「え!ナマエさんがボクに!?なにかの罠ですか?」


「やっぱあげるのやめるニャ」


「冗談ですよーくださいって。わーありがとうございます。ラムネだ、包装のイラストがかわいい。むふふ。いただきまーす。

おおっ、だんだん頭が冴えてき…あれ」



むお?なんだ、目がぼやける。体が動かない。音も遠のいていく。ああーブラックアウトするぅ…










あ、画面が切り替わった。なぜかボクが空を飛んでる。BGMは眠気を誘うオルゴールの音。そして画面の中央になにやらテロップが…




《あなたは今眠っています。自然に起きるか、誰かに起こされるまでお待ちください。いまログアウトすると入眠時にいた場所からは再スタートできませんのでご注意ください》




リンクルーツならではの睡眠演出だー!寝てる間は周りのことが一切分からなくて夢っぽい映像が無作為に流れるよ。


ってのんきに解説してる場合じゃないって!あの駄菓子思いっきり罠じゃねーかナマエぇぇぇーーー!!!



誰か起こしてぇーーー!!!!!








つづく















「ずるい。こういうやり方って正直 腹が立つのよね。ねえ今起こしちゃっていい?おーい」


「オォーイやめるニャ、そんなことするんならオマエサンの口にもこの『グッスリピーラムネ』をブチ込むニャ」


「…はぁ、そうまでしても黙ってひとりで行きたいのね。そしてどうせあなたはこう言うんでしょ、『こいつをよろしく頼む』って」


「グランディス…コイツをよろしく頼むニャ」


「そっくりそのまま言ってんじゃないわよ、なんでこんな時だけ素直なのよ、もう!」


「ヒャッヒャッヒャッwww んじゃ、行くニャ、あとは任せたニャー」


「ちょっとお待ち!ねぇレビンちゃんが目を覚ましたとき、私はなんて説明したらいいの!?ほんと勝手よね!

レビンちゃんならきっと大丈夫よ、信じて本当のことを打ち明けたら?」



「…いや、コイツは何も知らないでこのままがいいんだニャ」



「あなたって人は…ほんと、愛が足りないわね…」






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