ナマエ vs シュナウツァー 後編
はー実況疲れたからやめよー。
ナマエさんが真の実力を発揮できないって、いったいどういうことなんだろ…
「なーちゃんのジョブがなんなのか、レビンちゃん知ってるかしら?」
「駄菓子屋さん、ですよね」
「そうね、ま、本当は薬師なんだけどね。ただ回復アイテムを作るだけじゃなくて、薬の効果で自分のステータスを上げたり相手にバッドステータスを与えたりしながら戦うスタイルなの、なーちゃんが本気の時はね。でもこの親善試合ではアイテムを使用することができないでしょ?持ち味が封印されてるのよねー久々に見たかったわぁ〜」
「そういうことだったんですか。そういえばシュナウツァーさんもナイトのスキルだけで戦ってる気がするんですけど、ジョブは戦闘に不向きなものなんですか?」
「シュナさんは"パラディン"だから、ジョブはヒーラーよ。でも一対一で、しかもなーちゃんを相手にしている時はなおさらヒーラーのスキルを出しにくいでしょうね。魔法って発動までに時間がかかるでしょ?なかなか隙を作れないでしょうねー。
ジョブの事も大事だけど、もうひとつ気にしなきゃいけないポイントがあるの。さっきもいったけどアイテムを持ち込めないから、この試合のきもは『MPの削り合い』といえるわ。MPがなくなったらどうなるのか、レビンちゃんだったら痛いほど分かるでしょ」
そう、ボクはMPがほとんどゼロになって、回復手段もないから勝てなかったんだ。もともとMPの少ないナイトは魔法とかそうそう使えないんだろうな。けどMPをケチってても優位にはならないし、そこの駆け引きが重要なのか。
「でもなるべくMPがなくならないようにいろいろ対策してるみたい。シュナさんが持ってる盾、MPの自動回復術が付与されてるそうよ。モンクにはMPがなくなった後、MPの代わりにHPを消費することでスキルを使えるようにする〈代謝活性〉っていうスキルがあるの。もちろん限界はあるけど、なかなかMP切れを起こさなくなるでしょうね」
「へぇーすごい、詳しいんですねママさん」
「アッハッハッハッ、まぁねー、伊達に長いこと盟主やってないからね」
盟主、盟主か…そういう表現もあるのか。今度から使おー。
なんて話してる間もふたりの戦いは続いてるよ。
ものすごい激しい戦闘なんだけど、速すぎて実況とか追いつかないよ正直。しかも長い…。よく集中が途切れないなー観てるこっちが疲れてくるよ。
なんとなく分かってきたけど、攻撃力はほぼ互角で、防御のシュナウツァーさんと回避のナマエさんっていう構図だ。ナマエさんはけっこういい攻撃を入れてるけどあんまり効いてないみたい、少しずつ削っていく作戦だ。シュナウツァーさんの攻撃はほとんど避けられてるけどデカいのを一撃入れて大きくダメージを与えるのが狙いだよね。このままの調子でいけばナマエさんの粘り勝ちだけど、ちょっとでも気を緩めて剣が当たれば一気に形勢が逆転するってことか、ふむふむ…。
「そもそもなんでシュナさんシングルスにしたのか不思議なのよねー。ソロよりはパーティーで輝く人なのに。もしかして、なーちゃんが今回出場することを知ってたのかしら?」
「あーそうかも。ウェルスタンを出る時、シュナウツァーさんとちょっと揉めたんですけど、そのときナマエさんが親善試合のこと匂わせてたんですよね。あーそうか、シュナウツァーさんあのときは無罪放免にしておいて、この試合で叩きのめそうと考えたんだ。意外と血の気が多いんですね閣下って…」
お、その閣下が剣を納めて〈ヒール〉のモーション。さっきまで攻めてたけど、さすがに回復しないとLPがやばいのかな。ナマエさんがチャンスとばかりに襲いかかる!わっ!〈抜刀斬〉!?シュナウツァーさんが魔法をキャンセルしてカウンターをくらわせた!もしかしてヒールを囮にして誘ったの?!やるな〜にくいねー。
うわ、今度は一気にナマエさんがピンチに。恐れていたことが起きてしまったよ。どうするナマエさん…
ナマエさんが後ずさりしてシュナウツァーさんから距離を取る。回復かな?
いや、様子が違うな…全身が青いオーラに包まれる。そして腰だめに両手を構えた。
ビロリン…
聞き覚えのある効果音と共に両掌の間の空間に青白い"氣"が溜まる…
え、待って、これは…
「〈か…!」
おいおいウソでしょ!?みんな大好き超有名なマンガのあの必殺技なの!?
「め…!」
やっぱりアレだ間違いない!シュナウツァーさんも焦ってる!ヒーラーのバリア魔法を唱えて迎えう
「波〉ーーーーーーーっ!!!」
かめ波ぁぁぁぁぁーーーー!!!!?
いや 二文字ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーー!!!!!!!
ドーーーーン!!
あぁ、被弾した…
土煙でよく見えないけど、シュナウツァーさんどうなったかな…
あれ?
ナマエさんが、シュナウツァーさんの
首を…絞めてる…
ドサッ…
『K.O.!ウィナー イズ…ナマエーー!!』
ええーーーーーーーー…
つづく




