Twilight
「オォーイ、そりゃああんまりじゃない?いくらなんでもタダはナメすぎニャ。図々しいがすぎるニャ。誠意って…なにかニャ?」
「そ、そうですね、さすがにちょっと調子のってました、すいません。
でも、ボクがビンボーなの知ってますよねナマエさん。いくらなのか分かりませんけどこんなお高そうなもの、払えるわけないじゃないですか。わざわざイジワルしにここに連れてきたんですか!?」
「まあ待つニャ、心構えの話だニャ。実際これを作るかどうか、値段をいくらにするか決めるのは外野じゃなくて作る人ニャ」
「そうか、ですよね。
靱負さん、ボクあんまりお金持ってないんで全然足りないかもですけど、その代わりなにかボクにできることはないですか?なんでもやり…いや〜なんでもはできないですけど、なんか雑務とか、お手伝いとかなら喜んでやりますんで」
「歯切れが悪いニャ。そこはなんでもやりますからってビシッと言うところニャ」
「えーいやです、なに要求されるか分かんないじゃないですかーこわいこわい」
「だからそういうとこだニャ」
わ、靱負さんが動き出した。靱負さんがなんかちょっとでも動くとびくっとしちゃうな、オブジェが動いた感ある。
玄関の方に向かってる。立ち止まってこっちを少し見た。あ、出てった。
「ついてこいってことですよね」
「だニャ」
向かった先は街道から離れた小さな洞窟。振り返って中を進むよう促す靱負さん。あれ、いつの間にか黒いお面つけてる。裏ボスみが増してるな…
え、ダンジョンでしょここ、なにこわい、なにかの試練…?いやいや、剣を作ってもらうためだよね、やってやりますよ!
どこまで行くんだろ、ボクが先頭で、靱負さんとナマエさんがついてきてて、とりあえず道なりに進んでますけど…なんでボク先頭なの?靱負さん前を歩いてくんないかなー不安だよー…
まあ今のところそんなに強い敵はいないからいいけど。これくらいならひとりでも倒せますよ、お役に立ててますか?見ててくださいね靱負さん!
えどこへ行くんですか靱負さぁん!見て!がんばってるボクを!おいてかないで!なんかしゃべって!
あそんな上の方にある狭い穴に!?あんなところに道があるなんて、誰も気づかないだろうな…秘密のルートかな。
おお、なんか空気が違うところに出たよ、マナがちょっと濃いのかな。
あっ、あそこクリスタルが生えてる!わーい拾っとこ。うわーここってクリスタルの鉱脈なのかな?すごい、ファンタジーってかんじ!ということはここで剣の素材を集めろってことなんですね靱負さん!
あ、あのクリスタルおっきいー、いただき…
どぅわ動いた!?魔物なの!?よく見るとでっかいカニだ、体がクリスタルでできてる!
「ほあーすごいニャ、ここはジュエルシェルの巣だニャ。乱獲したら大金持ちニャ」
ほあーまじですか!レビン、いっきまーすヒャッハーー!
ガチィィン!
固ったぁー!全然刃が通らない。なら魔法だ!えーっと、何が効くんだろう、とりあえず〈ファイアワーク〉だ!
ヒュゥゥゥ〜ドォォン!
お、クリスタルがちょっと砕けた。剣よりはいけるな。よぉーし連続花火ぃー!
やったー倒したぁー!けど、クリスタルがバラバラなんですけど…
「あんまり衝撃を加えるとクリスタルの価値が下がるニャ。もっとこう鋭く、急所を狙う感じでいくニャ」
「それを先に言ってくださいよぉー!ひーんもったいない…」
ガラガラ…ドドォーン
でた!天井の岩からジュエルシェルがあらわれた!さっきのよりでかい!
ん?なんか金の毛が生えてない?あ!ルチルクォーツじゃん!
「お目当ての水晶持ちニャ。はぁー二匹目で当たりだなんて引きが良すぎてつまらんニャ」
よっしゃキターーー!!
衝撃を加えず、内部だけにダメージね…なら雷だ!〈スパーク〉!
バチィッ!
あれれ?全然聞いてなくない?
「水晶に電気は効かないニャ」
「まじかぁーどうしよ〜!」
やっべ距離とらなきゃ、ああー洞窟せまい!あんなでかいのから逃げらんないよアーやめてやられるーッ!
バキィッ!!
え!?なに?あ、靱負さんが弓で応戦してる。カニの脚を貫いた。つよっ!
でも起き上がったカニが靱負さんに向かってる!靱負さん動かない!なにしてんの逃げて!
むむっ?よく見えないけどカニの周りを何かが飛んでる…
ギギギィン!!
一瞬で見事にブツ切りにされるジュエルシェル。ルチルクォーツは無傷のまま切り出されてるけど、ちょっと待って…あれってまさか……
「トワイライト…?」
つづく




