閃きの連鎖
微動だにしない靱負、絶叫するレビン、そして爆笑するナマエ。
はい、カオスでーす。
「はっ!いやいやいや、このゲームでNPCってエンプだけですよね、ヒトの姿のコンピューターなんていないで…
いや待って、もし例外があるとしたら、それって…」
こういうのって他のゲームでもよくあるパターンだ、序盤に出会ったモブキャラが実は、みたいな…
ああ間違いない、これまでの謎がいま、ひとつの答えを導き出す…!
「分かりましたナマエさん。この人…
たぶん裏ボスですよ」
「…ッ!
ギャハハハハハハッwwwww いやマジニャ、こいつ絶対裏ボスだわ、アハハハハハww」
どやっ!正体みやぶったぞフンス!誰もまだ見つけていない、このゲーム最大の敵の正体をあばいてしまったわーネットで拡散しちゃおっかな。
あ、でも、もし今イベントが始まったら絶対勝てないな。どうしよ…
「名前は」
しゃべった!!ふつうにしゃべれるじゃん!
きれいな声…優しいような、無機質なような、裏ボスっぽい声だ。
「レビン、です」
さっき自己紹介したでしょ、何この時差。
「あーそれは…」
「ん?ナマエさんなんか言いかけました?」
「いやぁ?なんでもないニャ」
なにヘラヘラしてんの?気になるな…
おや、靱負さんがなにか差し出してる、手紙かな?
見てもいいですか、失礼します…。
あ、武器の図案だ!はやっ!もうできたの?
武器名『レビン』
「いやごめんなさいごめんなさいちがいますそうじゃなくてこれちょっとなかったことにしてもらえますかすいません!」
「ブハハハハハwwwww じ、自分の武器に、自分の名前つけとるww いやウン、全然いいと思うヨホッw」
「違うって!いま聞かれたのは新しく作る武器の名前を知りたかったんですね?ワンチャンください!もっかい考えますちゃんとした名前を!」
「我が愛剣『レビン』の錆にしてくれる…
ブフッww」
「えーっとねぇ、どんなのがいいかなぁ、あーなんも考えてなかった。ボク名前考えるの苦手なんですよねぇ。靱負さん、なにかいいアイデアないですか?」
…あ、ダメだまた無反応だ。目が死んでる。こっち見てるようで全然焦点があってないよ。
「なんかこういう剣が欲しいっていうイメージとかないのかニャ?案出してって丸投げしてもそりゃ無理な話だニャ」
「イメージですか、あー、魔法剣士なので、武器攻撃力だけじゃなくて魔力も上がるといいなー。それとなるべく軽いと助かります、ウィザードは重たいもの装備できないんで。刀身の幅は細みのものが好きで、いま持ってる、こういうレイピアみたいなデザインで」
「ひらめいたニャ!テーマは一寸法師ニャ。背がちっちゃくて、髪も金太郎みたいなオマエサンとピッタリニャ。ゆえに、新しい剣は針の剣なのニャ!あとはお椀の舟に乗れば完ペキニャ」
「和風ぅ!!全然イメージが違いますよ!だいたい一寸法師は金太郎カットじゃなくてポニーテールみたいな髪型でしょ、金太郎と一寸法師がごっちゃになってますって。てか誰が金太郎カットだよっ!それと移動手段がお椀ってめっちゃシュール…」
「針」
靱負さんが発言した!インスピレーション降りてきたかな?まさか武器名が針じゃないよねそれだけはやめて…
あぁ、新しい図案ができたみたい。針じゃありませんように針じゃありませんように…ツッコミの準備しなきゃ…
武器名『針水晶』
「うわああああかっこいい!!!なにこれ!ルチルクォーツですって!すごぉぉーい!まじで最高じゃないですか!?見てくださいこれ!」
透明な刀身の中に金色の細い筋がいくつも入ってる。なんじゃこりゃーどうなってんだ?この人天才かよっ!完全に予想外だ良い意味で。
「へー、水晶の剣だニャ。宝石系って加工しにくいからメインの素材としてあんまり使われないけど、いろんな効果があるから魔法との相性はいいニャ。さすがゆっきー、いい仕事だニャ」
いろんな効果ですって?あ、魔力アップ付いてる、やった。それとなぜか雷属性も付いてる。まいっか。いや全然いいぞっ。
「いやーありがとうございます。気に入りました、最高です。では、これでお願いしまーす。はあ〜楽しみだなぁ〜」
「あぁん?オイオイ、これだけ極上の武器が、まさかタダで出てくると思ってんのかニャ?」
「ハイ思ってましたタダで出してよ」
つづく




