真冬のショート・ホラー小説劇場 第2話 「お人形が呼んでいる」 short short horror story of mid winter
short short horror story of mid winter
私は幼児の時、、多分、、、5~6歳ころでしょうか?
とある町の外れに住んでいたことがありました。
そこは町はずれのひなびた一角でして、そこに古いお家があったのです。
その家はたしか?古い洋館でして昭和初期の建築でしょうか?
そこにわたしの父母があるきっかけで借りて住むことになったようです。?
多分その洋館の所有者が海外転勤?だったのかもしれません?
そこは、、、様々な
お人形がなぜか廊下とか出窓とかにいっぱい飾ってあったのです
この洋館の所有者が人形好きで集めたのだそうです。?
フランス人形や古い日本人形とか
民族人形もあったかと思います。
随分いつくしんで集められたようです。
両親はそこを安く借りて、、仮住まいにしたのでしょう。?
なぜ安かったかはずっとのちになって知ったのですが、、
安い賃料ですが「人形だけは絶対いじらないでくれ」、、という要望でやすかったの
だったそうです?
まあ遠い遠い幼児記憶を掘り起こして書いていますので
内容については、「疑問符付き」だということをお察しください。
さて
そんなドールハウス?で幼い私が体験した不思議なことを今日は、おはなし、したいと思います。
わたしには、、、ひっこしてしばらくすると、、、
昼間からどこからか人形のさざめきが聞こえてきたのです。
子供だった私にはよく聞こえました。
人形たちは実にいろんなことをおしゃべりしていたのです。
私が人形とおしゃべりしていると両親は心配そうに私を見つめて
だれとおはなししてるの?って聞くのです。
「もちろんお人形とだよ」って私が言うと、
両親は全く聞こえないというのです。、
純真な私には聞こえたのでしょう。
お人形はこんなことを言って誘うのです。
「ねえ、こっち来て遊ばない.つまんないだろう」
「ううん、いいよ。僕はここでお勉強してるから」
「そうかい、君はいい子のようだね、僕たちは君には悪さはしないから安心してね」
夜になると、、人形たちはその魂を人形から遊離させて自由に宵闇に遊ぶのでした。?
「ねえ遊ぼうよ、面白いよ、」
「いいよ、僕は眠たいから、、」
「そうかい、つまんないなあ、
あ? でも僕たちのとこに来ちゃうともう二度と戻れないから、、、、
来ない方がいいかもね」
こうして僕とお人形さんたちとの奇妙なやり取りが続いたのですが大人は全く見えもしないし聞こえもしないようでした。
そのころから私が良くうわごとを言ったり
なんだか酷く痩せてきてしまったり、、、、、
私自身も毎日が夢遊病状態でして、、ふらついたりして、、
半病人みたいになってしまったのです。
でも数か月したくらいの頃、ある日両親のお友達で霊感があるという人(女性)が、、なぜか?遊びに?来て
家に入るなり
「どうしたのよ、ここは」
といってへたりこんで、座り込んでしまったのです。
「ああ、頭がくらくらする。ひどいわね、この家は。ぼっちゃん大丈夫?奴らは子供が大好きだから、真っ先に持ってゆくわよ」などと喚くのです。
さすがに両親もびっくりしてしまって
実は、、、これこれでこの子が変なことをつぶやいたり、、だれもいないのにだれか?と会話してたりとか不可思議なことが多いといったのです。
そしてげっそりやせた僕を見て、危険を感じたようでしたね
その女性は部屋にある人形たちをしげしげと見て「この人形たちはただ遊んでほしかっただけみたいね。邪気はないみたい、でも
それが人間の子にとっては死ぬってことだから困りものよ、人形の世界はすなわち死の世界ですものね」
「すぐ引っ越しなさい。出ないとこの子やがて病死するわよ」 などといったようです?
それを聞いた
驚いた両親はすぐ引っ越したのです。
次の家は汚い長屋みたいな貸家でしたが
その後私はまた元気になり太って来たのでした。
あれから何十年?
あの家まだあるんでしょうか?
でも幼かったし場所も全く覚えてないし、、両親は既に故人だし、
どこだか全くわからないんですよ。
両親が生前、私がこれこれこういうドールハウス?に住んでたよね?
、、って、、一回だけ、聞いたことがあったんですが
「え?お前なに言ってるの、そんな家全く知らないよ」って言われてしまったんですよ。
おそらく、しらばっくれたんでしょうね?
で、、、重ねて聞くと、。
ずっと前は汚い長屋みたいなところに住んでいて、、それから今のこの家を新築して、すんだっていうんですよ
「間違いない?」って聞くと
絶対そんな人形の家になんかすんだことないよっていうんです。
まじまじと両親の顔を見ても、うそついてる雰囲気がないんですよ
私は幼い時から空想癖があって、、、幼かったし記憶はあやふやだし、、、
このお話も、大人目線で、、幼児記憶を反芻して,加飾??して書き綴ってるわけでして、、
まあその辺も、、事実かどうかも、、微妙といえば微妙ですけどね。
だから?、もしかしたら、、この思い出って私の「妄想記憶」だという可能性もぬぐいきれないんですよ。。
でも?一体
真相はどっち??なのでしょうか、
たしかに記憶はあるんです
でも、
いまとなっては全くわからないし
両親はすでにいないし、、
その洋館の場所も全く不明だし、、
第一それが今もあるかどうかですよね?
全てが、、確かめようがないのです、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
終わり