赤ちゃんとココネ
ランキングがじわじわと上がってました!!
皆さんのおかげです!!
これからも沢山の人に読んでもらえる様に頑張ります!!
はぁ、みんなどこに行ったんだ??
俺のスピードが遅すぎて、一斉に飛び出して行った他のプレイヤー達を見失ってしまった。
それに適当に進んで来たせいで、ここがどこなのかも全くわからなかった。
周りを見渡す限り、岩しかないようだけど……。
これは困ったなぁ。
とにかく進むしかないか……。
俺はハイハイで地道に進んでいった。
もう結構、進んだよなぁ。
そろそろこの岩エリアから、抜け出したいんだけど……。
今頃みんなは、オーガと戦ってるんだろうな。
あれって確か、100体限定って言ってた気が……。
それってまずいじゃん!!さっさとオーガを倒さないと決闘トーナメントに出場できなくなるじゃん!!
急げ急げ急げ!!
俺は一度も手を止めずに、ハイハイをし続けた。
だがやはり赤ちゃん、すぐに限界は近づいて来た。
「あれ??何だか困ってるみたいだね」
疲れ果てて寝ていると、どこかで聞いた様な声が聞こえてきた。
「私だよ、始まりの街でさっき会ったでしょ??」
あ!!そうだ、あのおっさんとバトルしてたあの子か。
「バブバブバブ」
あの時はどうもと言いたかった。
「ハハハハ、本当に赤ちゃん言葉しか話せないんだね。私の名前はココネ、あなたは??言葉が話せないならメモで教えて」
メモ??メニューでそう言うサービスを探した。
俺はメモサービスを使い、空中のパネルに自分の名前と年齢を書いた。
するとココネがそれを見て、少し笑った。
「どうして、高校生の君が赤ちゃんの姿なんてしてるの??」
そりゃあ気になるよな。
変な奴だとも思われてるよな。
だけど、激レアアバターともバレたくないし……。
俺は空中のパネルに、趣味ですと書いた。
「趣味??変わった人なのね。でも君は悪い人ではないみたいね」
俺は、どうして??と空中のパネルに返答を書いた。
「だって君は、赤ちゃんのアバターを使っているもの。普通悪い人は、赤ちゃんなんて使いにくそうなアバターは絶対使わないわ」
それは言えてるかも……。
「グハハハ!!そこの女と赤ん坊!!この俺を探してるんじゃないのか??」
俺たちは一瞬で感じ取っただろう。
そこに現れたモンスターの強大なる威圧感を……。
「こいつってまさか、オーガ??」
俺はすぐに、間違いないと空中のパネルに書いた。
その凶悪そうな鬼の容姿、右手には立派に装飾された金棒。
どこをとってもオーガで間違いはないだろう。
「グハハハ!!さあどっちから俺と戦うんだ??それとも二人まとめて相手をしてやろうか??」
どうする??この子にオーガを倒されちゃうと困るしな。
本当は俺が一人でやりたいんだけど……。
「見て分からないの??この子は赤ちゃんよ!!私が相手をするに決まってるじゃない!!」
嘘でしょこの女!!いらない気遣いなんですけど!!
せめて二人でって言ってよーーーー!!
「グハハハ!!威勢の良い女だな。そういう女は嫌いじゃねえぜ!!」
そう言ってオーガがココネへ向けて、右手に持っていた立派な金棒を構えた。
「私はあんたみたいなブサイク面、大っ嫌いだけど??」
ココネもそう言いながら、オーガへ向けて戦闘態勢をとった。
完全に放置された俺は、只々観戦することになるのであった……。