赤ちゃんと緊急イベント開始
今日は出来る限り更新していきたいと思います。
「よっしゃ!!今日は緊急イベントがあるらしいからな、気合入れていくぞ!!」
俺はイベントまでの時間を、レベル上げに使う事にした。
イベントまでは後二時間、この二時間で出来る限りのレベルを上げたいところだ。
俺は昨日と同様、ハイハイで近くの森へと向かった。
さあ、どんどん倒してレベルを上げるぞ!!
俺は他のプレイヤーがいないエリアまで移動した。
この辺りなら大丈夫そうだな、俺はモンスターが現れるまでこの場所で待つ事にしたのだが……。
……。
……。
……。
何故だか、どれだけ待ってもモンスターが現れないのだ。
どうなってんだ??この場所は安全地帯にでもなってるのか??
俺は軽く周りを調べてみた。
すると、木で出来た看板が置いてあったのだ。
ニタの森、安全エリア。
予想通り、ここはモンスターが現れない休憩所だった。
はぁ、こんな場所で一時間も費やしてしまった……。
仕方ない、始まりの街に戻る時間を考えたらすぐに森を出た方が良さそうだ。
結局俺は何の収穫もないまま、始まりの街へと戻った。
うわ!!何だこの人の数は!!
昨日とは比べ物にならないほどのプレイヤー達が、この始まりの街の中心部分に集まっていた。
これ全員、緊急イベント待ちってわけか……。
「よう、そこの赤ん坊」
突然、ガラガラのおっさん声が後ろから聞こえた。
「バブ??」
俺は何??と言いたかった。
「ギャハハハハ!!バブ??だってよ!!みんな聞いたかよ」
俺の言葉にツボったみたいで、見た目清潔感ゼロのおっさんが大爆笑をかました。
それは周りにいた人も巻き込み、俺はみんなの笑い者となった。
「あなた達!!どうしてこんな赤ちゃんをいじめるの!!」
急に入ってきたのは、黒髪ショートがよく似合う気の強そうな女性だった。
「何だよ嬢ちゃん??俺たちの楽しいムードを邪魔すんなよ」
「楽しいムードですって??いい大人が寄ってたかって赤ちゃんをいじめてるだけでしょ!!」
おいおい、どうしてこうなった??
何だか俺のことで揉め始めたぞ……。
【はーい!!みなさーーーーん!!注目してくださーーーーい!!】
そんな空気の中、どこからか元気な女性の声がした。
【今皆さんの頭上には、大きなモニターが出ているはずです。そのモニターを使って、これからのイベントについて説明をしていきたいとおもいまーーーーす!!】
そうか、もうそんな時間か。
でもよかったー。
これであの人たちも一旦落ち着くだろ。
【それでは今回のイベント、決闘トーナメントってことはみんな知っていますかね??その決闘トーナメントの出場者数が今回100名となっています。その100名を決める為のイベントを今日はみんなにやって欲しいのです!!】
「オオオオオ!!」
「やってやるぜーーーー!!」
武闘派っぽいプレイヤー達が、歓声を上げていた。
【次は今日行う、イベント内容でーーーーす!!今日行うのは、最強のオーガ討伐です!!このゲーム内のありとあらゆるバトルエリアに最強のオーガが100体出現します。そのオーガを倒すと、決闘トーナメントの出場チケットがドロップされますのでそれを入手してください。それが今回の緊急イベントです!!」
最強のオーガ討伐か……。
何だか、ゾクゾクしてきたな。
【それでは皆さん、頑張ってくださーーーーい!!イベントスタートです!!】
その合図と共に、始まりの街にいたプレイヤー達が一斉にバトルエリアへと走っていく。
俺も出遅れてはいけないと、必死に全速力ハイハイで後に続く。
「じゃあな赤ん坊。お前はせいぜいこの街でママのおっぱいでも吸ってろ」
さっきの清潔感ゼロじじいが、俺へ嫌味を言いながら街の外へと走って行った。
絶対いつかはぶっ殺してやる……。
俺はそう思いながら、最強のオーガ討伐へと向かうのであった。
是非皆さんのご感想などをお聞かせください。