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赤ちゃんと神殿攻略

 俺は数時間掛けて、数十体のモンスターを倒した。

 めっちゃ強いぞ!!このユニークスキルバブバブ!!


 これがあるだけで、モンスター討伐も絶好調だ。

 さてと絶好調である、今の俺のステータスでも見てみるか。


 カケル

 レベル15

 体力10/10

 魔力0

 攻撃力0

 防御力0

 素早さ0

 運  0


 ユニークスキル

  バブバブ

 相手を30秒間操ることが出来る


 あれれ??おかしいぞ〜??って某有名な名探偵になっちまったじゃねえか!!

 なぜ……、なぜレベルだけしか変わってないのだ!!


 あんなに頑張ったのに、俺の努力とは一体なんだったんだ……。

 いや、まだ諦めるなカケル!!絶対いつかはこんな赤ちゃんでも最強になれるはずだ!!


 俺は一旦気持ちを切り替える事にした。


 よし!!そろそろ雑魚モンスター狩りも飽きた頃だし、神殿にでもチャレンジしてみるか!!

 俺は思い立ったら吉日という言葉を信じ、すぐさま始まりの街の近くに存在している神殿へと向かった。


 俺が今向かっている神殿って言うのは、このゲームのキーとなる場所の一つだ。

 神殿はこのゲーム内にいくつも存在していて、そのどれもに最強のボスキャラが潜んでいるのだ。

 そして、そのボスキャラとの戦闘に勝つことが出来ればエクストラシリーズの装備がもらえると言う事だ。


 エクストラシリーズとは、最もレア度が高いと言われている装備の事だぜ。



 

 ついたついた!!ここが神殿だ。

 何と言えばいいのだろうか……。

 とても、雰囲気のある建物だ。

 

 見た目は、真っ白な美術館っぽい感じで森の中にポツンと立っている。

 だが、建物自体から出ている威圧的なオーラは中にいるボスキャラの強さを証明しているだろう。


 何だか、ゾクゾクしてきたぜ!!

 やっと骨のある奴と戦えるんだからな。


 俺はすごく心の中でカッコつけているのだけど、見た目はハイハイしている赤ちゃんなんだよな……。

 全然しまらねえな。


 まあいいか、とにかく中へ入ろう!!


 俺はゆっくりと頭で白い扉を押した。

 

 ギーーーーという音が神殿の中に響き渡り、俺はハイハイで中に入った。

 中は、真白な空間が広がっており奥に一つだけ扉があった。


 俺はその扉に向けて、ハイハイで進んだ。


 この扉の向こうに、最強のボスキャラがいるのだろうか。

 俺はゆっくりと頭で扉を押した……。


 またしてもギーーーーという音が真っ暗な部屋に響き渡った。

 俺はゆっくりと真っ暗な部屋に入っていく。


 何かこえええ……。

 そして後ろの扉が、ギーーーーと締まっていった。


 これで逃げ道は無くなったということか。

 負けて死ぬか、勝ってここから生きて出るか。


 これはそう言う戦いって事だな。

 やってやるぜ!!



 ドドドドドドドドドドドド!!


 神殿全体が揺れ始めた。

 ボス様のお出ましってことなのか??


 

 ピカーン!!


 突然激しい光が、この部屋を照らし始めた!!

 

 何だ急に??


 「お前が今回の挑戦者だな??」


 その声の主が光の中から真っ白い羽をはためかせながら、ゆっくりとその姿を見せた。

 

 いかにもボスキャラって感じだな。

 その姿を見た俺は思わずそう思ってしまった。

 

 「私はこの神殿の主をしている、アルカディアだ」


 そのアルカディアと言う天使っぽいボスは、長い金色の長髪で全身真っ白い衣服に身を包んでいた。

 顔はまさしく美少年??いや美女??性別は声や顔では判断出来なかった。


 「バブバブバブ!!」


 俺はアルカディアに、ぶっ倒すと言った。

 アルカディアはキョトンとしていたが、意味は理解してくれた様だ。


 「お前みたいな赤ん坊、一瞬で蹴りがついちゃいそうですね」


 アルカディアは余裕の笑みを浮かべて、右手で持っていた白い美しい剣を構えた。


 俺も、負けじと戦闘態勢をとった。

 だが俺の場合、普段とそこまで変わらないんだけど……。


 「ではいきますよ!!」


 アルカディアがそう言うと、羽の力を利用して一気に俺へ詰め寄ってきた。

 だが俺には、ユニークスキルバブバブがあるのだ。

 アルカディアの失態は、俺を舐めた事だな。


 「バブバブバブ!!」


 俺はバブバブを使った、

 その瞬間アルカディアは、すべての行動を停止した。


 そして俺は、アルカディアに自分自身を刺すように命令した。

 俺の命令を受けたアルカディアは、言われた通りの行動をとった。

 

 アルカディアは何度も何度も自分を刺し続け、最終的に真白だった衣服が真っ赤に染まってしまった。

 そうなったアルカディアは、消滅した。

 

 普通のプレイヤーならかなり苦戦を強いられる敵だっただろう。

 

 お??あれはドロップアイテムじゃん!!

 流石は神殿のボス戦、虹色の宝箱が凄く光っていた。


 何が出るかな、何が出るかな……。


 凄くかっこいい剣だ!!

 これってアルカディアが使っていたやつかな??


 俺は、理の剣をゲットした!!

 だけど赤ちゃんなので武器は持てませーん……。

 なので武器ポケットにしまう事にした。


 そして、レベルが20まで上がった!!

 神殿ってところは良いことしかないな。


 俺はこうして、普通のプレイヤーならなかなか攻略が難しい神殿を一瞬にして攻略したのであった。

 そして一旦、始まりの街へと戻る事にした。








 

 「おいおい聞いたかよ!!何者かがあの天よりの神殿をクリアしたんだってよ!!」

 「はあ!?マジかよそれ!!あんなとこクリア出来る奴いんのかよ!!」

 「俺も知ってるぜ。確か噂だけど新人がやったって話しだ!!」

 「嘘だろ??新人であそこは絶対無理でしょ」


 そんなような噂が、始まりの街では流行り始めていた。

 だがカケルは、そんな噂知る由もなかった……。


 

 


 


 

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