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神様のイタズラ

作者: 長瀬 俊

「ゆうや、起きなさい」

「うるさいなー」

「あんた学校やめたいの?」

「そんなわけないでしょ」

「もう遅刻だから学校に退学届出すからね」

「わーかったっつーの!」

、、と毎朝1時間目に余裕で間に合う時間に起こされる。これは悪夢だ。普通に起こしてくれればいいのに。僕はシャワーをイライラしながら5分で浴びた。

「朝ごはん何か買って食べなさいよ」

と、からっぽの財布に1000円だけ入れてくれた。

「お母さん今日は18時には帰るから、帰ってきたらシチュー作って食べよっか!いってきまーす」

僕は渋々学校へ行った。学校は家から1時間くらい車で走ったところにある大学だ。専攻は土木。なんで土木なのかわからないけど、大学で学ぶ内容なんか気にせず、キャンパスライフを楽しめそうな雰囲気だけで学校を選んで通っていた。こんな僕にはもちろんやりたいことなんてなく、毎日授業も受けず友達とだらだら朝から夕方まで喋っていた。明るい未来なんて来るのかな。なんか楽しいことないかなー、ってのが僕の口癖だった。

そんなこんなで、僕は当たり前だか、留年した。3年生なのに、1年生と一緒に授業を受ける始末でこれはなかなか辛かった。だけど、家に帰ってから朝喧嘩した母とスーパーに買い物に行き、シチューを食べたら辛いことなんて全て忘れられた。

「留年ってやっぱ辛いよー」

「大丈夫、ゆうやは頭いいから考え過ぎて答えを間違えるところあるから、仕方ない」

って、どんな励まし方?普通怒るでしょ、、と心の中で思いながら、

「まあねー、卒業したらBM買ってあげるからね」

「お母さん楽しみにしてるね!」

なんて会話を毎日してほろ苦いカフェラテのような学生生活をそれなりに楽しんでいた。


僕はどちらかといえば友達も多い方で、よく喋るし、何事も前向きで楽天家だった。気づけばリーダー的な立ち位置にいることが多かった気がする。

ひとつ他の家庭と違うところは、父と母の役割が逆だった。うちでは母が仕事をして、父が家事をする。こらが小さい頃は当たり前だと思っていたが、高校くらいで気づいた。なんで父は働かないのか、昼間は何をしているのか気にもならないくらい、家の中では少し邪魔者扱いをしてしまっていた。兄弟は3つ上の兄がいる。この男は本当にすごい。僕が一生超えられない壁であり、目標である。兄はインディーズのバンドを組んでおり、僕の車ではいつも彼らの曲がリピートされていた。

そんな普通の家族、平凡な日常が僕は好きだった。少し邪魔だけど唐揚げが最高に美味しい父と、毎朝喧嘩してはお互いを励まし合える母と、超えることのできない兄、この4人家族が大好きだった。


僕はついに卒業できることになり、あとは就職。さぁてどうするか。僕の専攻している土木の就職先は土木作業員の現場監督か設計などを主に行うコンサルタントという仕事だった。全然興味がなかった。スーツをビシッと着て仕事をしたかった。留年している僕がそんなわがままを言える立場ではないことは自分でもわかっていた。この就職難の世の中で荒波に飲まれたくもないし、大学卒業してバイトでは意味がない。

んー、なんとなく閃いて公務員という選択肢が浮かんだ。受かればスーツで仕事ができる。それに迷惑かけた母に少しでも恩返しができる。受けよう。僕は公務員一本で就職活動した。これはただ他が嫌だから極めて自分勝手な就職活動だ。受かるわけがない。落ちたら、その時考えよう。

採用試験の1次試験は教養科目、いわば国数理英社の総合問題と専門科目、つまり土木の知識がないと絶対に解けない難問だ。わからない。授業もサボりまくっていた僕には、難し過ぎてわかるわけがなかった。

「そうだ、鉛筆を転がして答えを選ぼう」

ありがたいことにマークシート方式だったため、全て鉛筆転がしで回答した。試験はあっという間に終わってしまい、余った時間はうつ伏せで寝ていた。受かるわけがない。

それなりのに、まさかの1次試験突破。え、これもしかして受かるんじゃない?

さて2次試験。グループディスカッションと小論文、面接だった。僕は正直リーダー気質だったため、こうゆうものは得意だった。

2次試験、、合格。え?

さて、最後は最終面接だった。内容はもし受かったら何で通いますか?受かったらこの会社で働きますか?と、明日にでも来てくれ的な面接だった。僕は帰り道にガッツポーズをした。間違いない。

結果発表は最近定番のネットで受験番号を閲覧するタイプ。パソコンを開く時には、さすがに手が震えた。

「あった。わぁーーー。受かったー!」

僕は一人でソファの上で飛び跳ねた。学校の先生に報告しなきゃと思い、学校へ向かっていたら母から電話がかかってきた。車をコンビニへ停めて電話した。

「もしもーし、母さんどうした?」

僕はシラを切るように言った。

「何言ってんの!今日は合格発表の日でしょ!どうだったの?」

「あのねー、ごめん母さん。」

「はぁー、そっか!また次頑張れば、、」

「なんちゃって!受かったよー!」

「え、ほんとにほんと?」

「ほんとだってば!来年から公務員だよ!すごいでしょ?」

「うん、すごいね!じゃ、母さん仕事戻るね。」

「はーい、また帰ったらお祝いしてね!」

、、母は電話の向こうで泣いていた。バーカ。あんたのおかげで受かったんだよ。胸がキューってなった。


社会人になった僕は母にすぐBMを買える訳もなく、必死に仕事を覚えた。いやー、社会人ってこんなに辛いのか。やる事が多すぎるし、訳の分からない飲み会は多いし、体が持つのか心配だった。そんなストレスから僕は母に犬が欲しいと言った。

「家の中で買える犬が欲しい!母さんも娘が欲しいって言ってたでしょ?だからメスのダックスとかどうかな?」

「公務員受かったから、仕方ない!いいよ!」

「やったーーー!」

それから数日で我が家にメスのミニチュアダックス※ナナが来た!可愛い。食べちゃいたいくらい可愛い。その日から毎晩ご飯を食べてからナナの散歩に行くことになった。その時初めて父が働かない理由がわかった。

「父さん散歩行くよ!」

「父さん歩けないからやめとく」

「はぁ?なにそれ!歩けないって何?」

、、そう、父は若い頃に病気になり歩くことが難しいみたいだった。

「じゃあ自転車は?」

「自転車なら少しくらい大丈夫!」

ってことで、自転車の父と母と僕で毎晩365日雨の日も雪の日も散歩に行った。兄はライブとか忙しいらしく散歩はたまに参加していた。毎日こんなことがあったとか、どーでもいい話をして散歩をして、ストレスなんて無かった。最高の人生だった。母はある日こんなことを言っていた。

「お母さん、欲しいもの全部手に入れちゃった。」

「まだBM買ってないよ?」

「いい車より、お父さんとゆうやとお兄ちゃんとナナがいれば他になーんにもいらない。」

「ふーん、変なのー!」

僕も同じ気持ちだった。心が優しい気持ちで満たされていた。


社会人2年目の冬の朝、、母が倒れた。

「母さん!母さん!」

家の中には僕しかいなかったので、急いで車に乗せて市内の1番大きい病院へ向かった。母は気を失っていたけど、病院に着いたら目を覚ましていた。頭が痛いらしい。

診察結果はくも膜下出血。脳の動脈が破裂して出血しているらしい。

僕は急いで父さんとお兄ちゃんに電話した。

1時間くらいしたらみんな来てくれた。僕は安心した。母は今から緊急手術を行う。なんだか訳がわからないが、これは過労の母を少し休ませろという神様のお告げだと思った。手術は14時間かかった。気がついたら夜中だった。手術後はICU、つまり集中治療室に親族だけ入れてもらえた。母の姿を見た僕は言葉を失った。頭に包帯ぐるぐる巻きで、呼吸の管が喉に刺さっていた。

「先生、なおるんですよね?」

と、兄が言った。

「この病気は本人の生命力というか、そうゆうものが作用するため、完全に治るかどうかはわかりません。」

「まあ、あんな元気な母さんならすぐ治るでしょ!」

僕はみんなを励ました。治ると信じていたから。


それから、僕は毎週土日にお見舞いに行った。毎週毎週行った。母さんはずっと寝たきりだった。なんだこれ。何が幸せな人生だ。家に母さんがいないだけで、僕はだんだん笑わなくなっていった。父も、兄も。僕は友達との飲み会とか全部断って、全ての空いた時間を病院にあてた。会社でも笑わなくなっていった。辛い。本当に辛いのは母さんなのに、。


そんな生活が5年続いた。ある日病院から、

「もしもし、北野さんですか?すぐに病院へ来てください!」

「どうしたんですか?」

「お母さんの容態が急変して、心臓が止まりかけています。」

僕と父と兄で120キロのスピードで病院へ車を飛ばした。僕らの前にいた母は心臓マッサージをされていて、30分心臓が止まったままとのことだった。僕は思った。神様、あなたはこの太陽のような母を殺すのですか?想いは届かず、2時31分、母はこの世を去りました。涙なんて一滴も流れない。目の前の真実を受け入れられなかった。

自分の家の家族のお葬式、、え?こんな辛いことある?まだ母は59歳だよ?神様を恨んだ。辛い気持ちを隠しながら、僕らは惰性で諸々の作業を乗り切った。


母が亡くなってから、1ヶ月後くらいに兄が当時付き合っていた彼女と婚約し、家から出ていった。兄にとって、気持ちを切り替えるためのタイミングだったのだろうか。それから、家では少し邪魔者な父と僕と中年になったナナの3人暮らしが始まった。

「ゆうや、話がある。」

「なーにー?」僕は冷たく答えた。

「お母さんがいないからお金がない。」

「はぁ?そんなこと言われても俺もないし。」

「少し貸してほしい。」

「自分は働かずに息子からお金をとろうなんて、最低だよね。父さんは母さんいないとダメダメだね。」

僕は嫌味を交えて父を攻撃した。それから3日間父とは顔も合わせたくなかったので、無視し続けた。

歩けなくても60歳でも働ける場所、、タクシーだ!

僕は久しぶりに父に話しかけた。

「父さん、タクシーの仕事したら?」

「でも、タクシーの運転手はお客さんが誰が乗るかわかんないから、危ないって母さんが言ってたから、、」

「そんなこと言ってたらこの家が困るよ!金がいるなら働きなさい!自分のケツくらい拭けないとダサいよ?」

「わかった、今度面接行ってくる。」

あの頃の楽しい家族像の面影なんてどこにも無く、お金に困った借金まみれの会話もない家族に変わっていた。

それから父はタクシーの運転手をすることになった。今まで家事しかしていない父に仕事なんて出来るのだろうか?僕は不安だったが、あえて彼の進化を見守った。

あっという間に2年が過ぎた。僕は父との不慣れな生活が板につき、それなりに慣れて父とも普通の仲になっていた。というよりは、僕自身が少し大人になり、父に対して優しくしなきゃと思うようになっていた。


そんな生活が続く中、夏のある日、僕はとっても不思議な夢を見た。


母がとっても楽しそうに知らない人たちと食事をしながらフラフープをしたり、ピアノを弾いたりしていた。びっくりしたのは、あの倒れた日と同じ服を着ていたことだった。とっても暖かい空気が流れるその場所が何なのかわからないが、目が冷める直前に耳元にかすかにお婆ちゃんの声で、

「人生は100年。いつ死んでも100年。余った時間は天国で過ごすんだよ」

と、聴こえた。

変な夢だった。僕は天国を見ていた、、?

寒気がしたけど、また毎日の平凡な父との日常が始まる。父はこの2年で15キロも痩せた。ガリガリになっていた。なんだかあの夢を見てから、父に少し優しく出来るようになっていた。毎日僕は家事を全部やり、父のために大盛りのご飯を作ってラップしておくようになった。父とは毎日、

「ご飯ありがと!行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

のメールだけを交わした。


そして、また2ヶ月後くらいかな?あの日の夢を見た。そこには、あの時と同じように食事をしてフラフープをしてピアノを弾く母がいた。その姿を見ながら僕は何度も母に呼びかけるが、届くわけがないくらい離れていることに気づいた。こんなに近くに見えるのに、そこにはいないのか、そう思った。その時、小さい男の子が僕のズボンを引っ張りながら僕に向かってこう言った。

「お兄ちゃん、ここの人じゃないね。まだ生きてるもん。僕は6歳の頃病気で亡くなったんだ。」

「え、じゃあやっぱりここは天国なの?」

「天国ってなぁに?わかんないけど、6歳の姿のまま僕はここに50年くらいいるよ。」

「50年?どうゆうこと?」

「なんかね、生きていた歳と、ここにいる時間を足して100になったら、また生き返るんだって!」

「じゃあ、100歳超えても生きてる人は?」

「んー、わかんないけど、生きるってのは命を落とす以外にいろいろあるからね。」

「どうゆうこと?」

「全てを手に入れた時、それが生きてる世界で最後の瞬間らしいよ」

「、、、?」

そう言って、小さい子供はみんなのところへ走っていった。そして、僕も目が冷めた。


これはまさか、夢の中で天国と繋がってる?僕はなんとなくそんなことを思いながら、また平凡な父との日常が始まる。

この夢の事をその日のうちに忘れてしまう。だから父に話そうにも話せない。だが、夢の中では一連の流れのように思い出せた。

こうして、僕は2ヶ月に1回くらいのペースで母の夢を見るようになった。毎回同じように小さい男の子がズボンを引っ張りながら僕にはなしかけた。

「お兄ちゃん、ここの人じゃないね。」

「そうだよ、お兄ちゃんはまだ生きてるからね。そういえば、この前、全てを手に入れた時が最後って言ってたけど、君はその若さで何を手に入れたの?」

「僕は生まれた時からずっと体が弱くて、ほとんど寝たきりだったんだ。だけど、お父さんもお母さんも僕のために全力で尽くしてくれた。それを6年間経験して、僕はこれ以上幸せなことはないって、そう思ったんだって、神様が言ってた!」

「か、神様?どこにいるの?話せるの?」

「話せるよ?神様があっちの世界の総理大臣みたいな人だから!この世界に来た時に、亡くなった理由と新しい名前をつけてくれる。その名前が生まれ変わってから、つけられる名前なんだって!」

「そうなんだ、なんか、すごいね。ねぇ、君、あそこでピアノを弾いている人わかる?」

「わかるよ!あの人は毎日怒ったり笑ったり無邪気な人だね!僕のほうが先輩なのに、朝から喧嘩ふっかけてくるんだ!けど大好きな人!」

「ふふふ、そっか、いい人なんだね!」

「うん、あの人が来てからみんなが明るくなったんだよ」

そう言って男の子は走っていってしまった。と、同時に僕は目を覚ましたら、信じられないくらいの涙が枕を濡らしていた。


僕は夢で起きている事を忘れないうちにノートに書き留めるようになった。後で見返すと、こんなこと誰かに話しても笑われるだけだしなーとか考えて、自分だけの秘密にしていた。まぁ夢の話だし。

僕は父に聞いてみた。

「父さん、父さんが欲しいものって何?」

「ん?急にどうした?」

「いや、なんか安いものなら買ってあげようかなって思ってさ!」

「欲しいもの、、、父さんはお兄ちゃんとゆうやが生まれた時点で全てが手に入ったよ?」と当たり前の顔で言った。僕は何故だか、涙が止まらなかった。父に対して、あんなに冷たくしてきたのに、なんでそんなことそんな顔で言えるの。僕はとにかくランニングでもしながら心の整理をしていた。

親ってなんだろう。家族ってなんだろう。

はっきり言って、その日までこの世の中の主人公は自分だと思っていた。

違った。

この世の中の主人公は、父と母だと思った。その二人を幸せにするために、僕はと兄は生まれてきたんだ。そう思うようになった。


父に真剣な顔で話してみた。

「父さん、こんな夢って信じる?」とノートを見せながら全て話した。すると父は、

「信じるもなにも、みんな知ってることだよ?」

「え?え、、?」

「その夢を見るようになるには神様のルールがあるんだよ」

「神様のルール?」

「そう、その人の一番大切な人が亡くなってから1年間神様は人生100年説の話を夢の中で教えてくれるんだよ」

「父さんはいつ見たの?」

「父さんも父さんのお母さんが亡くなった時に見たよ」

「そうなんだね、、、」みんな同じ経験をしていた。辛いとか寂しいとか父は一言も言わなかったけど、辛い経験をしていた。

「じゃあなんで父さんはまだ生きてるの?」変な質問だったかもしれないが父は完璧な答えを持っていた。

「父さんにとって、お兄ちゃんとゆうやが幸せだって思える瞬間がまだ来てないからかな。」

僕は言葉を失った。幸せか、、そんなことここ最近は考えたことなかった。父はずっとそのことだけを考えていた、、?その時考えていたことが確信に変わった。

全てを手に入れたものだけが天国という場所に行くことが出来る。この世界はそんな幻に包まれた下積み時代のようなものなんだと。人はその世の中で辛いだの寂しいだの嘆いてばかりで、楽しいことを最高の幸せと感じることを出来ないままでいる。もちろん幸せの度量は人によって違う。この日から僕の考え方は180度と言っていいくらい変わった気がした。


「父さん、起きて!朝だよ!」炊きたてのご飯と目玉焼きとウインナーを用意した。

「ありがと、ゆうやの作るご飯は最高だね!おかわり!」

「でしょ!さぁ、今日もタクシー頑張ってね!みんなを幸せなところへ運んであげて!」

「まかせて!父さんを誰だと思ってるの!」

「世界で最高のお父さんだよ!」照れながら父の顔を見ずに言った。

「ゆうやー!大好き!行ってきます!」

「気をつけてね、行ってらっしゃい!」



この世界にはまだまだ知らないことがたくさんあって、嫌になることが多い世の中なのかもしれない。でもね、全てがきっと神様のルールで決まっていて、誰も不幸にならないように出来てるんだと思う。神様に最高の幸せをみんなで見せつけたいとは思いませんか?そしたら天国は人がいっぱいになって神様困っちゃうと思いませんか?そんなイタズラを思いついたので、僕は父をこれから全力で尽くしたいと思います。

全て神様が思い描く幸せを超えてみせる。絶対に後悔しないように、生かされたこの世界で輝いてみせる。


いつかきっと天国で母と再会し、またあの時のように恋をしてください。そんなことを願って、今日も父に炊きたてのご飯を用意します。

「早く帰ってきてね!」

「はーい」



おわり

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