第9話 神様の頼み
試し切りの結果、この剣の性能はすさまじいという事がわかった。だが、神様になぜか怒らている。
「お主は馬鹿か!試し切りだと言っていたではないか。」
「はい、そうですが?」
「なのになぜ殺した?」
(あれ?殺しちゃだめだったの?)
訳が分からずキョトンとしていると、神様が説明し始めた。
「今お主が殺した魔物はこの森のボス的存在だったのだ。それを殺したということは、森の魔物の活動が活発になるということだ。どれほどの被害が出る事か。」
「ボス?あれがですか?」
「そうだ。」
(あの程度でボス級か。)
「勘違いするでないぞ。」
「え?」
「ボスとは言っても上位種ではない。まだ上がいる。それと、あれが弱かったのではなく、お主がおかしいのだ。よく覚えておけ。」
「おかしいって、」
「わかったな?」
「はい、、、」
(まあ、剣の性能は確かめられたし、いっか。)
「とりあえず戻るぞ。」
そう言うと、神様は来た道を戻り始めた。
「神様、転移扉は使わないのですか?」
「ん?あぁ、あれは特定の座標から特定の座標へしか行けないのだ。」
「えー、じゃあここからきたところまで徒歩で戻るんですか?」
「そうだ。それぐらい大したことないだろうが。」
「まぁ、そうですけど。」
「いくぞ。」
来た道を戻りながら剣や転移扉について考える。
(この剣や使い捨てのエンチャントはいい出来だけど、人前で使えないのは痛いな。何か考えておこう。あと転移扉。あれは改良の余地ありだな。)
帰りは何事もなく戻った。
「さて、お主の課題は済んだ。あとはお主の自由だ。」
「いいんですか?」
「ああ。だが、1つ頼みがある。」
「またですか?」
(また変なこと言い出すんじゃないだろうな?)
「そんなに警戒せずとも良い。これは儂からの純粋な頼みだ。始めのような強引なことはせん。」
「自分でも強引だと思ってたんですね。」
神様をジト目で見ると目を逸らした。やっぱり意図的だったらしい。
「そ、それで頼みなのだがな、」
「話を逸らしましたね。」
「うるさいわ!」
「頼みとは?」
「くっ、おちょくりよって。」
「お互い様です。」
神様に仕返しするチャンスはそうそうない。だからチャンスがあれば逃さない。
「頼みというのはな、儂の愛したこの世界を旅し、この世界の平和を守って欲しい、と言う事だ。」
「平和を守れ、と言われても。」
「そのためなら自重もしなくていい。思う存分力をふるってくれ。」
(おっと、それはかなり重要だぞ。自重しなくていいなら、あんなことやこんなこともできるからな。)
「具体的にどうすればいいんですか?」
「この世界にいる魔王共をおとなしくさせること。あと魔神の復活を防ぐこと。これだけでいい。」
(この世界、魔王って沢山いるんだ。)
「それさえやれば、オレは自由にしてもいいんですね?」
「ああ、好きにしろ。」
(これを引き受ければいろいろ好きにできるぞ。よし!)
「分かりました。引き受けます。」
「ありがとう。」
(どうせする事もないし、恩返しと思っとこう。)
この世界でする事が決まった。




